J2 超個人的前半戦ベストイレブン
折り返し地点に差し掛かったJ2。
独断と偏見でJ2で印象に残ったプレイヤーを選びたいと思います。
(熊本戦のレヴューはまた後で。)
清水戦の印象が強いこともあり若干偏っていますが悪しからず。
また、序盤戦はあまりじっくり見ていなかったので悪しからず。
⬛︎ではまず11人!!
鈴木孝(町田) 都倉(札幌)
堀米(京都) 清武(熊本)
阿部(千葉) 岩政(岡山) 飯田(松本) 石櫃(京都)
中林(岡山)
うーん強そう…(笑)
監督は一番すごいと思ったのが町田の相馬監督。
⬛︎次点!!
実力的には上に負けないものを持っていると思われる選手たちです。
三島(水戸)
ジュリーニョ(札幌)
押谷(岡山)
谷澤(町田)
エスクデロ(京都)
庄司(山口)
李(町田)
安西(東京V)
ヨンアピン(町田)
菅野(京都)
⬛︎所感
やってみたら意外と普通ですね…。
上位チームや実績を残してきた選手はいい選手が多いので難しい!
札幌の内村とかマセードとかクソンユンとかC大阪の両SBとかジンヒョンとか。そういえばシュミットダニエルもいたな。船山もいい選手だったなー。岡山の片山も入れたい。岐阜の謎外人も強烈だった。
徳島の木村や山形の山田も好きな選手。
あと思ったのは、他チームのCBって他ポジションに比べて印象に残りにくくて、評価しづらいポジションなのかなと。
まだまだいい選手を見逃している気もするので、そういった視点でこれから見ていくのも楽しみです!!
⬛︎今後の更なる飛躍に期待!!
瀬川(群馬) 小野瀬(横浜FC) 汰木(山形)
井出(千葉) 井上(東京 V) 小池(山口)
東京Vと山形は今後伸びそうな選手がチラホラ。
⬛︎おわりに
まあやっぱりエスパルスが一番ですけどね!
うちとの試合では活躍しないことを願ってます!
J2第21節 vsファジアーノ岡山
希望→絶望→希望。
解説の方が非常にサッカーを冷静かつ的確に見ている方で個人的にファンになりました。(よってあまり書くことがありません!)
⬛︎スタートフォーメーション
エスパルスは最前線に前節同様石毛がスタメン。体調不良の六平に代わり竹内もスタメン。いつもの4-4-2。
エスパルスとしては久々の3バック相手の試合となりました。
岡山は3-4-2-1と聞いていましたが、伊藤押谷の2シャドーというよりは、押谷が少し前目で、伊藤と渡邉が底にいる矢島の両隣少し前に位置する感じ、フォーメーション表記をすると5-3-2に近い形のように見えました。
押谷赤嶺
伊藤 矢島 渡邉
片山竹田岩政澤口加地
中林
とこんな感じです。前の2列のポジショニングは流れで流動的に変わっていましたが。
渡邉のポジションを追いかけていると試合の流れが感じられて面白いです。
⬛︎前半
決定機の少ない展開でしたが、岡山のゲームだったと思います。
おそらく岡山のプランとしては、エスパルスのビルドアップ時赤嶺押谷がエスパルスCBとボランチの間を消しながら、SBに出したところで伊藤か渡邉(岡山の位置が低ければ片山加地)がプレスをかけてスイッチを入れ、その次で回収する、ボランチに渡ったら矢島伊藤渡邉の誰かがプレスをかけてスイッチを入れる、というところではないかと思います。
実際それはうまくいったと思います。特に序盤、清水は効果的なパス回しが出来ませんでした。球際での強さも目立ちましたね。
特に前半の前半は、エスパルスの2FWが後ろと連動しないまま相手の4人にプレスをかける形になりプレスが空回りしていました。
岡山の攻撃時は、(3バックの定石ですが)加地片山を高く上げて、3バックに矢島が絡んでボール回しをするのが基本でした。ただ細かいパス回しというよりは、裏狙い、高い位置を取れていれば片山加地にサイドチェンジ、または押谷赤嶺が引いて受けるという展開でした。一番怖いのは押谷の裏狙いでしたね。
なお、岡山のやり方は、前半も後半もけっこう運動量を要するスタイルで、前半の終わりぐらいから徐々に前からのプレス(特に川口を見る伊藤)の圧力が弱まってきていました。上下動を繰り返す片山加地はもちろんですが、特に攻守によく動く押谷と矢島渡邉伊藤あたりは大変だったと思います。
押谷は90分持たないようなプレイでしたが、裏狙いも引いて受ける受け方も体の強さも相手からのボールの奪い方もクオリティが高かったですね。
前半の終盤ぐらいから、エスパルスは最終ラインとサイドバックで回すことで相手の2列目の3枚を意図的に左右に動かしているような節もありました。
また途中からエスパルスの2トップが相手の3バックをむやみに追わなくなってから守備が徐々に落ち着きました。
⬛︎後半
流れが二転三転しましたが、ゲームメイクや崩しの形、決定機から考えて清水のゲームだったと思います。
清水は基本的に前半の最後と同じようなサッカーを継続し、SB→CB(もしくはボランチや白崎枝村)→逆のSBと回すことで相手の運動量を削る感じでした。
それによって相手を押し込める時間が増え、エスパルスは楔も打てるようになり、徐々にペースを掴んでいきました。
村田を入れてからは右サイドを使ってのチャンスメイクも目立ちました。
対して岡山は、押谷を豊川に代えた時点で前線を赤嶺1枚にして、中盤の構成を変えてきました。
① 赤嶺
伊藤豊川
渡邉矢島
片山竹田岩政澤口加地
とこんな感じでしょうか。(片山加地はもう一列前と見てもいいかもしれません。)
渡邉は清水の右サイドにいることが多くなりました。
1失点目は、竹田に対して縦を切れなかった村田と伊藤を見ていなかった竹内河井の責任だと思います。
2失点目は守備の問題はあるにせよ正直アンラッキーだと思います…。暑い中でのあの展開だったので負けを覚悟しました。
そういえば清水は石毛を下げた後枝村がトップに入っていましたね。
岡山は島田を入れたところで守備固めでしょうか。伊藤のところに矢島が1列上がって入り、島田はボランチに入りました。
② 赤嶺
矢島豊川
島田渡邉
片山竹田岩政澤口田中
後半の岡山の守り方として、そのままだと2ボランチの脇が空くのですが、前半のように列全体がスライドするというよりは、2列目の選手が戻ってきてスペースを埋める(または2WBが埋める)という形を選んでいるようでした。
豊川はフレッシュで運動量がある一方、伊藤矢島のところは疲れてもいたので、終盤清水は必然的に右サイドからの攻撃が多くなりました。もちろんそれには村田の存在も大きかったです。最終盤では清水の選手たちもあえて左は使わず右狙いを徹底しているように見えました。
もっとも岡山としてはサイドをカバーする中盤の(①では)渡邉および(②では)島田がその時間帯で一番守れる人という配置なのだと思いますが。
清水の村田、岡山の豊川は結果的に矛vs矛というか、(見方にもよるでしょうが)どちらも得点失点に絡んだのが流れの妙という感じもします。
⬛︎おまけ
走る選手、ぶつかり合う選手から「気持ちを感じる」という言い方をします。
ただ、どちらもそういったシーンではないものの、1−2になった時に白崎が打った無理目のミドル、2点目のシーンの前後で高い位置で受けて2度クロスした河井にも気持ちを感じました。
というと清水サポのちょっと偏った見方かもしれませんが、河井が持てるようになってチャンスになったのは事実だと思います。守備では苦しんでいましたけど。
竹内に関しては、ボールホルダに厳しく寄せるという意識はいいのですが、失点シーン含め一度食いついた後にスペースに素早く戻る気持ちの準備を持ってほしいですね。何度かありました。(もっとも90分が久しぶりなので失点シーンの豊川へのマッチアップはキツかったと思いますが。)
石毛は、後半1本目の決定機は決めないとダメですね。ただ決定機はテセも多かったので、その中でもう一本決まっていれば…。
⬛︎成長
チームとして評価できるのは、前半焦れずにやり続ける中で穴を開けられたこと、ビハインドで厳しいコンディションの中落ち着いて追いつけたこと。
そして、前半も終わり、チームで一番成長したのは誰だろうと考えてしまいます。
白崎?確かに。ただ白崎は去年終盤から覚醒の兆しはあったと思います。レンタル前は動かない選手だなという印象が強かったですが、帰ってきて明らかに意識が変わっていたので、(清水にしては珍しく…)レンタルして成功した例ではないでしょうか。(余談ですが、中途半端にポンポン補強するより白崎の来年以降の契約をしっかりしておく方が補強じゃないかと思ったり。詳細がどうなっているかは知りませんが。)
三浦?弦太は去年使われ方が若干かわいそうでしたね。J1J2の違いは大きいとも思いますが小林監督の指導がかなり功を奏している感じはします。ただ、最近特に思いますがCBはそこに来るまでに相手をどれだけ制限できているかでかなり守備の難易度が変わるという点は確実にあると思います。その意味ではチームとしての守備が個人の評価と大きく関わるということを考える必要がありますね。
結局のところ、個人の持っている力は短期間で大きく変わらない。要は90分の中で自分をどう出せるか、という部分に観客は成長を感じるのだと思います。
出だしで流れに乗れなかった分チームの勝ち点の状況はなかなか厳しいですが、強いチームを作るという目的から考えると、個人能力の高いタレントの補強以外の部分、できることの部分では現場は本当に頑張っていると思います。
⬛︎まとめ
「熱い」試合でした。勝てなかったことが悔しい。でも応援しがいのあるチームになった。
J2第20節 vsレノファ山口FC
⬛︎スタメン
清水はケガの金子→石毛。山口は出停の左サイドバックが廣木(守備重視か)、またボランチの一角がベテラン平林。
⬛︎平林
この試合のポイントの1つ。平林選手は六平選手を見ることが多かったです。そもそも対面ではあるのですが、これまでの得点機で六平が起点となることが多かったので、監督の指示でそれを抑える役割でスタメンだった可能性もあるのかなと感じました。
⬛︎山口の守備
両チームのポジションの噛み合わせを考えたとき、0.5列ほど山口の方が前目で守っていた印象です。山口は2列目の選手がボールホルダーに積極的に喰いついてくるのが目立ちました。
とりあえず、岸田と福光はそこまで激しいプレスをしてくる感じではなく、清水CBを伺いながらステイして様子を見るという感じでした。
しかし、2CHの鳥養と島屋は比較的高い位置からでもプレスをかけてくる感がありました。
こちらのボランチは河井が中央に囮的に立って相手の人数を引き連れ、一方六平は最終ラインのビルドアップに関与する感じで、SBが上がった分最終ライン付近に入ったりその少し前でCBから受けたりというシーンが多かったです。
前述の通りそこを平林選手が前に走ってきて抑えようとする(ボランチをボランチが見る)ので、距離的に大変そうだった(70分ぐらいでかなりキツそうでした)のと、山口のボランチのポジションが空き気味になりトップが受けやすくなる、パスを通しやすくなる、セカンドボールを清水からすると回収されにくくなるという状況があったと思います。
さらに、エスパルスのSBが攻撃時ボランチを超えて高めの位置を取ることで、相手のSBが直接川口松原を見ることになり、空いたサイドの裏のスペースにテセや石毛が流れて起点を作る、という流れになり、相手の最終ラインがなかなか上げられず、前線と最終ラインの間がなかなかコンパクトにならないという点もあったと思います。
(川口松原が下がると鳥養島屋が見るという形になりますが、川口松原が上がって白崎枝村が中で少し下がると、相手の鳥養島屋が下がってSBにつくのか、引き気味のSHにつくのかが曖昧になり、相手SHのプレスを弱体化させ、攻撃時のスタートポジションを下げることができるということなのだと思います。これは清水にとってはリスクもあるのですが、サイドの裏の突き合いはこのゲームのテーマの1つだったと思います。)
全体として、前から行こうとしたポイントで空いたスペースを使われるので、山口としてはもどかしい展開ではなかったかと思います。
⬛︎山口の攻撃
前半は基本的に庄司に渡して空いたところを伺ってロングパスという展開。または最終ラインがロングパス。入りは良くて清水としては嫌な感じがありましたが、時間が経過するにつれ待ち構えて引っ掛ける清水の守備が安定。庄司は思い切って出すパスの精度はさすがでしたが、なかなかそういったシーンを多く作れなかったと思います。ただサイドの裏でSHが受けて縦に突破するという狙いで何度かチャンスは作っていました。
おそらく、中央底の庄司がサイドに開いたSHに斜めに出して、そこから今度は中央のFWに斜めに入れて、逆サイドのSHや福満なんかが走りこんでくるところでダイレクトプレイで崩すという感じのイメージが、1つの山口のパターンなんだと思います。
後半山口は福満が引いてゲームを作ろうとしたり、終盤右の三幸(鳥養に代わって右に入っていましたが、何となく中央のプレイが好きそうな…)と左の島屋を入れ替えたりと工夫はしていて、清水の最終ラインが若干引いたこともあり押し込んだ時間帯もありました。ただ清水も完全には崩させず。
島屋は(そして小池や交代した鳥養もですが)運動量はかなりありそうな印象で、清水としては乗せなくて助かったというところでしょうか。
おそらく清水としては、中途半端に出て奪われてカウンターを受けるような展開になると山口の術中に嵌ったのではないかと思います。また、先制点を取ったおかげで引いて守れたことも相手の良さを出させなかった一因であったと思います。
⬛︎清水の守備
前線の2人は相手の最終ラインをむやみに追わず、逆に相手のキープレイヤーである庄司が持った時にプレスバックできる位置を概ねキープしたおかげで、清水の後ろの選手はスペースを消して待ち構えることができ、庄司や最終ラインは出しどころをなかなか見つけられないという状況だったと思います。清水はボランチをFWが視界に入れているという点が両チームの守り方の違いを表していると思います。
岸田に当ててくるところは清水がチームとして狙って待っている感じでした。
どちらかというと後半の中山の方が収まっていた感じだったので清水としてはそちらの方がやり辛かったかもしれません。
遠くて狭いところへの精度が求められるパスを出すもつながらないという展開が多かったと思います。
⬛︎清水のパフォーマンスについて
ここ数試合はずっとそうですが、テセは相手CBとのフィジカル勝負で勝てていて、MOM級の活躍でした。各所で指摘されるように運動量もシーズン始めより上がった印象です。
また、決定機にはほとんど枝村が絡んでいたことと、勝負を決めた北川の仕事ぶりも評価したいです。
ただ、個人的には犬飼の安定したパフォーマンス(弾き返し、インターセプト、サイドへのロングフィード)も評価したいです。
何度も書いていますが、2FWが相方と相手ボランチを見ながらコースを切る守備をするのが効いていること、2CHが中目にポジションを取って攻も守も関与すること、2SBが攻撃時高いポジションをとることで幅を作ること、このポジショニングが整理されたことが好調の要因だと思います。
一方、試合を見る限り村田やこの試合の澤田は、枝村や白崎に比べると特に守備時のポジショニングに課題があるように思います。ここを整理することでよりゲームを自分たちのペースで終えられると思いますので小林監督の個人指導に期待したいと思います。
⬛︎ついでに
鳥養が途中でリストバンド(?)を外したことと、実況が交代する岸田の特徴を解説に訊ねたことがなぜか妙に印象に残りました。
⬛︎まとめ
いつもテレビ観戦している私がたまにスタジアムで観戦すると、CBとFWはボールがないところでも1試合通して体をぶつけ合って戦っているのが分かります。
それは試合の流れとは直結しないこともあります(FWが競り合いで勝ってもこぼれ球が味方に渡らない)。
ただ、この試合では(/でも)テセが相手CBとのフィジカル勝負で勝っていたことが大きな流れを作ったと思います。
2点目まで早い時間で取れたことも大きかったと思います。
そして次戦。岩政は平面では遅いと思いますが体が強くクレバーで、CKやロングスローでも効きまくっています。
テセとの肉弾戦、エスパルスが苦手なセットプレイの守備、果たしてどうなるか注目です。重要な一戦です。
J2第19節 vsジェフユナイテッド千葉
ゲームとしても、語る試合としても、面白い試合だったと思います。
⬛︎清水のビルドアップ
これまで河井六平の組み合わせのときは、どちらかというと河井が細かく動いて受け、六平は少し前で相手の間にポジショニングという形が目立っていました。
この試合で目を引いたのは、攻撃時に両SBの位置が若干高くなってきているように感じたこと、また六平が今までよりも引いて最終ライン付近または最終ラインの位置でビルドアップに加わっていたこと。
どちらかというと六平を下げて河井が前に出るシーンが多く、これまでとは六平と河井の縦の位置関係が逆転していた感じでした。
相手の前線が2枚でプレスしてくることへの対策や守備時のリスク管理の視点も若干はあったのかもしれません。
⬛︎千葉スタメン
右SH長澤、左SH船山、山本ボランチと少し前節からいじってきたようでした。
(後半に、今の千葉では一番攻撃で違いを出せる井出を投入してきました。そしてそのタイミングで船山右、井出左、長澤はトップ気味のポジションに変わったようでした。)
オナイウは頑張ってはいましたが、ポストが強力という評判のエウトンが出場停止だったのは千葉にとっては少し痛かったかもしれません。
⬛︎清水のビルドアップvs千葉のチェイス
ポイントとして、千葉の町田はかなり前からのプレスをしてくる選手。まるでこちらの金子のよう。清水のビルドアップは前からのプレスに弱い印象があったため、ここはひとつの見所でした。
結果、清水の回しは概ね相手のプレスをかわせていて、運動量を奪うことには結構成功していました。ここはひとつ成長しているところだと思います。
特に後半の立ち上がり、相手が前から来ても連続でうまくかわせたことで、相手のラインを下げて押し込む時間帯を長く作れたと思います。それによって、テセ頼みだけでなくボランチがボールを持てるようになっていきましたし、下りてくるSHに一旦当ててSBも使いながらビルドアップというプレーも多くできるようになりました。
CBから空いた逆サイドに入れるフィードを時折混ぜたのも好印象。
⬛︎同パート2
清水は最終ライン付近では気候を考慮して相手に走らせつつ、詰まりそうになったらテセ狙いを徹底。この試合では相手のCBに対しポストを効果的にこなしていたため、清水の時間帯が多くなる流れだったと思います。
また、以前にテセはハイボールよりグラウンダーの方が収められると書きましたが、そういったボールが増えている点もいい部分だと思います。
千葉の守備で一点、SHの2人(船山長澤)はこのフォーメーションでは一番きついところの1つだったと思いますが、船山は終盤まで運動量が落ちずチームへの貢献は素晴らしかったですね。
清水としては、ドリブルや横パスを相手のSHに前を向いてカットされてカウンターというのが一番危険なシチュエーションでした。最終盤に千葉がチャンスを作った原因として、清水がリスクをかけて高いポジションを取ったこともありますが、千葉SHの頑張りも大きかったと思います。
また、千葉の最終ラインはクロス対応があまり良くないという前評判もありましたが、この試合では何本も上げられたクロスに粘り強く対応していたと思います。
⬛︎千葉の攻撃
さすがに個の能力が高い選手が揃っているというチームという印象。サイドの選手同士のワンツーのコンビネーションなんかは関塚監督のチームっぽいというか訓練されていると感じました。
エスパルスの守備もだいぶ組織的になってきているので千葉は最終ラインからのビルドアップに若干苦労していた印象ですが、裏に出すラストパスの精度は清水より高かったので、シュート本数は清水の半数程度だったものの本当に決定的なシーンはむしろジェフの方が多いという感じでした。
また、ジェフが押し込んだ時間帯での富澤の焦りのない散らしは地味に効いていました。
評価の高いアランダはそこまでハイパフォーマンスではなかったと思いますが、攻撃の時に見ているところがいいですね。まず一番危険なところから狙うという感じが出ていました。
⬛︎収穫
SBとSHの関係が整理されてきて、SBが攻撃で効いていたのは収穫ですね。
リーグ序盤戦はサイド攻撃は多いものの個人の能力頼みという面がありました。しかしこの試合ではチームとしてサイドを効果的につくシーンが多く作れたと思います。
前半は川口が船山の裏に抜けたシーンがありましたし、後半もサイドからいい形を作ってクロスという形は何度も作りました。村田も松原も川口もみなクロスの精度は高いと思っているので、この試合では実を結ばなかったもののこれを続けていけると楽しみですね。
⬛︎課題
清水としては、前節でも指摘した「ラストパスの精度がもうひとつ」という点は課題だと思います。もっとできると思うだけに。特に中央裏のスペースに出すパスは合わないですね。
あと、この試合では全体のシュート意識が高かったので、打つと見せかけてフリーの選手に渡すとか、相手の裏をかくようなプレイも織り交ぜられるといいと思います。
さらに、終盤ミスが多かったテセ白崎や河井あたりは、連戦からずっと出続けている疲労もあると感じました。簡単には代わりは見つからないと思いますが場合によってはターンオーバーをうまく使っていきたいですね。
⬛︎まとめ
お互いに成熟しつつある状態で対戦したという印象があり、非常に面白いゲームでした。エスパルスとしては最後やその1つ前が合わないというシーンが多かったですが、今の千葉相手にゲームの主導権を握れたのは夏場で必ず生きると思ってます。
それにしても、今更ですが清水の最終ラインは若い。というか、主力はほとんど若い。シーズンが変わる時期にメンバーが変わらないチームはないけれど、少なくとも今シーズン彼らの成長を見守ることができるというのは本当にワクワクします。
次は遠方アウェイで序盤戦旋風を起こした山口戦。前線のコンビネーションは本当に速く、勢いに乗ると止められない相手にどう戦うか楽しみです。
J2第18節 vs横浜FC
町田戦と逆で、チームの相対的な運動量で勝ったため、完勝と言える内容になりました。
やっぱりホームってアドバンテージあるものなんですよね。懐かしいこの感じ。
⬛︎前半の横浜FC
前半の攻撃の中心はイバ狙いのハイボール。
エスパルスの守備のポジショニング(特にFWの一人がボールホルダーの前に行き、もう一人がボランチにつくV時の動き→コースを狭めて待ち構えたボランチのカット)および金子の最初から飛ばして行けるところまでという感じのチェイシングのため、ボランチを経由した組み立てはなかなかできず、地上でパスが前1/3までつながることはほとんどありませんでした。
というか、横浜側からするとむしろ地上のパスの方が引っかかってて危険でした。
一方守備では、エスパルスのつなぎに対して取りどころがなかなか見つからず。エスパルスの選手がつっかけていったところにチェイスするものの間際でかわされるという展開。気候に加えてなかなか取れないということで精神面で余計疲れを感じる展開だったと思います。ここでイバが結構走らされたことも試合展開の中でポイントになったのではないでしょうか。
⬛︎後半の横浜FC
イバは後半開始から少しした時点でだいぶ疲れていました。結果、小野瀬を経由することが増え、また実際彼の個人技で何とかするのが一番理にかなっていました。
また、横浜が押し込んだ時間でセットプレイを取った時はこちらとしてはいちいち怖かったですね。
中央突破はあまり可能性は感じませんでしたが、押し込んだ時にサイドに散らして勝負というのが一番可能性を感じましたね。エスパルスからすると白崎やボランチの運動量が落ちた時間があったこともその一因だったかもしれません。
⬛︎エスパルスの攻撃
実況解説では「攻めが遅い」ということが言われていましたが、この試合で良かったのは「相手を見ながら回す」というところだったと思います。
「シンプルな攻撃」を掲げてから数試合は、コンディションの問題や相手の守り方も大きいのですが、とにかく早く前へという感じでボールを捨てているシーンが散見されました。この試合では、最初は若干厳しいところへのパスが目立ちましたが、前半の後半ぐらいから徐々に効果的に回せるようになっていったと思います。
簡単に蹴るのではなく相手が来るのを待ちながら突っかけて、相手が来たら空いたスペースに動き直した選手に出す、という感じで、いきなり縦をつくということありきではなく、相手を消耗させるように回せるシーンが増えたのはいいですね。ピッチが良かったこと、相手のコンディションがあまり良くなかったこともあるのでしょう。
なお、監督は試合後のコメントで不満を言っていたようです。どの辺りを言っているのか詳細までは分かりませんでしたが、おそらく1点目のようなプレイ、つまり途中で蹴らなくて済むならつないでそのまま完結してしまうプレイをもっとしてほしい(できなければ何度もやり直してほしい、それでもつながるように全体がもっと動いてほしい)と思っているんでしょうかね。確かにロストはロングパスが多かったですし。
そういった意味では河井は監督の言うような視点でのプレイはかなりできていたと思います。よってまず犬飼あたりに言っているような気がしますが、六平は2列目の選手のような動き方をすることも多いので、もっと細かく引き出す動きをしてほしいというところはありますね。ただ個人的には暑さを考慮すると悪くはなかったと思います。こういうポイントは今後さらに改善が期待できるので楽しみですね。
ラスト20分ほどで若干足が止まりかけましたが、村田も効果的な仕事をして勢いを与えてくれました。しかしまさかあの位置から左足で振るとは驚きました!
2つだけ苦言。
1つは、ラストパスの精度。もちろん一番難しいところ。ただ、いい位置まで回せていて最後にズレるというのは依然多いですし、少なくとももう2〜3回は決定機を作れたと思います。相手が前から来なければ「相手を見て」回せる、では最前線の「味方(受け手)を見て」出せるか、もう少しなんですけど監督が言っていたところですね。
もう1つは、松原のプレイチョイス。相手がいるのに低い位置からドリブルして引っかかるというシーンが複数ありましたので、状況に応じたプレイを考えて欲しいです。自信があるのはわかるんですけどね。その分前線では大いに仕掛けてくれればと。
⬛︎エスパルスの守備
最初は若干押し込まれたものの、運動量が落ちる70分ぐらいまではほぼパーフェクトだったと思います。前の2人がコースを限定する、イバへのロングボールはCBがしっかり跳ね返す、ショートパスはボランチ2人が刈る、サイドのパスはSHとSBが限定する。組織的に守れていたと思います。
こちらも敢えて1つ言うと、個人的には代わって入った北川にもう少し守備で効いたプレーをして欲しかったと思います。ボールを取ろうとする、前線で走り回る、というのを見せるシーンもいくつかはありましたが、相手のパスコース、相手の進路に立てていないのであまり効果的なプレスになっていませんでした。
(金子や石毛は相手を見ながら立ち位置を取れていたので、相手が前に攻めるほどコースがなくなっていくというチームとしてのディフェンスになっていました。また金子は運動量も出していました。)
また、チームとしてのディフェンスはいいのですが、押し込まれた時に1対1で勝つなど流れを変えられるディフェンスのプレイをできればより良いですね。
⬛︎まとめ
一番思ったのは、「横浜FCが前を2枚にして最前線からプレスをかけてきたらどうだったんだろう」ということ。
暑かったことと、ピッチやコンディションのホームアドバンテージがあったことで、相手のプレスが後手を踏み、エスパルスが余裕を持って回せた、というのが一番の勝因だったと思います。技術と組織があるからこその理由ある勝利だと思いますが、もう少し涼しい時期に相手にガンガンプレスをかけられたら違った展開になった可能性はあります。普段の横浜FCはそういうプレイをするチームだと聞いたこともありますので、次は要注意です。
これから強豪との連戦。気を引き締めていきましょう!
J2第17節 vsFC町田ゼルビア
今季の元紀はこれまでにないメンタル面での成長を見せてくれていたので、怪我で激萎え中(去年までは他の選手と比べて特別な思い入れはなかったんですが)。プレシーズン見たときは「今シーズンは鎌田についていく!」って思ったし、序盤は「西部最高!」って思ってた。気持ちを見せてくれる応援したくなるような選手がみんないなくなるなぁ…。ただただ残念。
⬛︎概観
前節に続き4-4-2のミラーゲーム。
両チームとも似たような戦い方でした。
もっとも、清水が早々にリードしたこともあって、清水は全体に引き気味、町田はハイラインというコントラストが鮮明になりました。キャラはハイラインの方が生きるしね。
守備に関して、清水は2FWがステイしつつボランチへのコースを切るという感じ。
町田はビハインドだったので、状況によっては2FWが2CBにプレスをかける場面もありました。
全体に町田の守備はかなりコンパクトで、前後の距離、左右の距離がコントロールされている素晴らしいものでした。その裏付けとして運動量と意識付けがあるのでしょう。
この試合をどう評価するかは難しいところなのですが、普通に見ると町田の方が決定機が多く町田のゲームだったと言えるでしょう。
ただ、意図した作戦で点を取り、交代選手が仕事をした試合ということでいうと、清水の狙いが結果に結びついたゲームと言えると思います。ラッキーな面もありましたけどね。そこは清水が押してた試合、ハンドを取ってもらえなかった試合もあったので。
⬛︎町田のチャンス
町田のチャンスには幾つかのパターンがあったと思います。
まずは、エスパルスの個人ミス。
人数が揃っているのに完全に相手のマークを見失う。体を当てられて滑る。決定機を作られる一番の要因はこれではなかったでしょうか。
第二に、ペナルティエリアの角をうまく使われたとき。
相手のサイド攻撃はSH(ボランチ)とSBで相手を見て大体抑えていたと思います(一本谷沢のキープから抜けられましたが)。また、単純な中央への楔なども基本的に埋められていたと思います(一本矢沢のスルーパスから抜けられましたが)。ただその間というか、ボランチとSHSBのすき間のあたり、ここで町田のSHがうまく中で受けたり、FWがそのあたりで受けたりしたシーンでは町田の複数の選手が絡んでチャンスを作っていました。
第三に、パワープレー。戸島や上がったキムソンギに空中戦でことごとく勝てていない感じで、終盤危ないシーンを作られました。でも守備固めで弾き返せるような人材はみな離脱中…。(いや、そもそもいないか…。)ビョンもうちょいがんばってくれ!
逆に、町田の持ち味の一つである最終ラインや中盤からのワンタッチパスは比較的よく抑えていたと思います。前半なんかは相手の意図がズレるシーンも多かった印象。
上述したようなのも含め高い位置のポストやキープからコンビネーションが始まると怖かったですけどね。
⬛︎清水の戦い方
町田がハイラインなので、割り切って引いて裏狙い。
特に終盤、セカンドを拾えず、前に出しても選手間の距離が遠いためなかなか繋がらず、低い位置で相手の攻撃を受けまくるので見栄えがよくありませんでした。ただ結果的に裏狙いで2点取ったので、作戦としては成功でした。
もうちょっと運動量を出して押し上げ動き直しをできれば攻撃が繋がると思うのですが、連戦なので目一杯という感じでしたね。
北川にはもっとたくさん裏を狙って欲しいと思いましたが、スーパーなトラップを決めてくれたので文句は言いません。
⬛︎課題
攻撃に関して言えば、前回述べたトランジション時のラインコントロールに加え、最後およびその1つ前のプレー選択が上手くいかない感じでしたね。中盤ではショート〜ミドルパスをスペースを見つけてまずまずいい形でつなげていると思うので(こんなこと言ってるの俺ぐらいな気もするがまあいいか)、問題はその前の犬飼力裕あたりの足元の覚束なさと、その後の最終ラインをどうやって越すかの精度・イメージの共有ですね。今後勝っていくためには、特に中央の崩しを完結させたいですね。ミドルシュートも含めて。
また、この試合は特になのですが、コンパクトな相手にはもっと逆サイドへのボールを使ってほしいですね。これもキッカーはもちろん後ろのつなぎが安定してないと難しいですけどね。
その他、SBのプレーの質を上げるということですね。1つ取り上げると、後半川口が考えながらそのまま持ち上がって、スペースがなくなってテセに出して潰されるというシーンがありました。全体にSB達にはもう少し判断を早くしてほしいところ。両SBに言えますが、サイド深くまで行ったら多少ひっかかってもいいのでやり直さずそのままのテンポでクロス上げてみてほしいとも思います。
⬛︎アクセント
町田は前半からスイッチが入るとタッチ数少なくパスをつなぐ感じでしたが、谷沢が入ってからは彼が要所でキープ力を活かして攻撃のアクセントをつけていました。組織として一番危険だったシーンは終盤彼が真ん中にパスを通したところからでした。
逆に清水は、基本的にポジションを守っていましたが、特に枝村は時々ファジーなポジショニングで変化をつけていました。
基本的に町田も清水も守備を重視した組織作りをしていると思います。選手としてはポジションを動かすのは守備の穴を開けるということにもなると思うのですが、ベテランだからこそという部分を感じました。
⬛︎おまけ
・審判。PK(時間帯的に絶対帳尻とると思いました(笑))やゲームマネジメント、ハンド見逃し、杉山への特攻、元紀の怪我なんかは仕方ないのかなとは思いますが、日本の審判だったら取らないような、ボールに行って奪うシーンに対してかなり厳しくファウルを取っていたのが目立ちました。
・清水ベンチでコーチが背番号カードみたいなので指示出してしたのは前からだったんでしょうか?なんか微笑ましい光景。
⬛︎最後に
しばらくは序盤のように堅い試合運びを狙ったゲームが続きそうな気がします。ただ、夏場は運動量が落ちるので、後半はどうしてもオープンな展開になりがち。
連戦なので、次戦スタメンを変えたり、交代策で工夫したりしてくると思います。
おそらく最終ラインを変えてくるのと、枝村スタートで村田を早い時間から使うなど交代策を考えてくると思います。
ゲームを見ている限りSBや河井の運動量は大丈夫のような気がしているのですが、テセと白崎はかなり負担がかかっている感じなので、その辺りをどうしてくるかは注目。
ガラッと変えてくる可能性もあります。
控えの選手がどれだけやってくれるか、次の試合は総合力が問われる一戦になりそうです。
J2第16節 vs水戸ホーリーホック
エスパルスはこの試合、3つの相手と戦わされていました。
⬛︎風
現地にいましたがとにかく風は強かったです。高いボールだけでなく低いボールも軌道が変わっていたので、正直かなりやり辛かったと思います。
風を言い訳にしてはいけない、味方にしないといけない。まあそうなんですが、もともと高さや強さを持っている選手たちと言えるかというと私はそうは思いません。清水は精度で勝負するチーム、水戸は要所で高さを持っているチームなので、風は相手のペースになる原因だったのは間違いないのではないでしょうか。実際出た瞬間は「いいパス!」って思っても途中で曲がって受け手がスピードダウンしたりしてました。受け手も風を考えながら受けることを余儀なくされるので、どうしても次のプレーにスムーズに移行しづらかったと思います。
プレースピードが遅れるとボディコンタクトが増え、当たりに弱い選手には不利になります。
⬛︎芝
深かったんでしょう。出た瞬間は「いいパス!」って思っても途中で減速してました。
⬛︎審判
ひどい審判だとは思いませんでした。エスパルスが得をしたところも損をしたところもあったと思います。ただハンドの判定など若干選手側に不信感があったように思います。
前半の本間がテセを倒したシーンはカード相当だと思いますし、後半本間が飛び出して元紀がかわそうとしたシーンはハンドだったと思います。両チームともバックパスキャッチも普通に流されてましたし…。
⬛︎水戸
4-4-2で、攻撃時は石神が降りる形。正直ビルドアップはかなりミスが多くそれほど脅威には感じませんでした。
しかし、特に輝いていたのが最前線の三島。アバウトに送っても競り合いで勝っていて、空中戦はメチャクチャ強かったです。決定的なシュートがあったわけではないのですが、心理面で試合の基調を作ったと思います。その意味で誰か一人と言うなら湯澤と迷うものの三島がMOMだと思います。
サイドで若干強引でも1対1を仕掛けファウルやCKを誘うシーンもかなり目立っていて効果的でした。たぶんドリブラーに風はあまり関係ないので、湯澤、田向あたりは特徴を出せたと言えるのではないでしょうか。プレイ選択を見ているとセットプレイに自信を持っているんだなというのがよくわかりました。
(相手が水戸で角田も抜けているとセットプレイは恐怖しかなかった…。)
その他特筆すべきは、CBに高い位置からプレスをかけていたこと(ラインを高くするというプランだったようです)と、大前が高い位置で持った時にできるだけサポートをつけるよう意識していたと思われることでしょうか。(もちろん村田もです。)
もっとも、それほど特別なことをしてきたとは思いませんでしたが…。
なお、予習はしていたものの駐車場出るときの混雑は流石の衝撃でした(笑)アウェイサポもですが毎試合通うサポさんたちが大変でしょうね。改善されることを願っています。
⬛︎エスパルスはなぜ輝けなかったのか(前半)
相手のパス精度が高くなかったこともあって、結構な回数前節同様にいい位置で奪うところまではできていました。
しかし、その後のパスが(狙いは悪くないものの)風や芝でズレてテンポが止まったり攻撃が寸断される、という展開が多かったです。
結局、かなりミスパスのプレゼントをもらっていたのですが、効果的に活かせませんでした。
⬛︎エスパルスはなぜ輝けなかったのか(後半)
よくなかった一番の原因は、CBが蹴ったボールをそのままマイボールにできなかったということだと思います。
まず、相手のプレッシャーを受けて低い位置でクリアというのが多かったので、セカンドボールを拾えなかったです。(キツかったらサイドにクリアしてもいいと思うんですけどね。)
また、そこまでプレッシャーがかかっていなくてもCBが縦に早くというのを意識しすぎて、マイボールの時間が短く攻めが単調になってしまいました。
そのため内容はむしろ前半の方が良かったと思います。
特に最後の10分ぐらいは、選手たちも焦ったと思われ、攻撃が縦と中に集まりすぎて、相手の密集に入れるだけだったり縦に抜けてしまったりあまり効果的な攻撃ができませんでした。
⬛︎ではどうすればよかったのか
まず第一のポイントはSBの攻撃参加でしょう。
一番に考えられるのは、ビルドアップの時に横の幅、特にSBをもっと関与させるということです。(ただ、この試合は風や相手などを考えた上でリスク排除を優先したと思うので、それを悪かったと断定できるかは難しいですが。)
そうすれば2SHやボランチをもっと攻撃に関与させることができたと思います。
この試合では両SBのスタート位置が低かったと思います。その原因として、ビルドアップ時にいつもであれば本田が下りてその分SBを上げるのですが、この試合ではボランチをはっきり下ろすという感じではありませんでした。その分リスク管理で残るSBは低い位置からのスタートでした。ただ前線であまりタメが作れなかったので、SBの上がるタイミングが難しかったと思います。結果として後ろに重い感じになりました。良し悪しはありますが竹内を下げるというのも一つのやり方だったと思います。
また、相手が2人前から来ているので、基本的にCBが1つ前のボランチに出すのは簡単でない立ち位置になっていました。
そうすると、どうしても一旦SBに預けるか、前に長いボールや楔を狙うかになるのですが、前者があまりなかったので、穴を空ける意味でも相手を広げ走らせる意味でももう少しサイドを使って組み立てるのも一つの手だったと思います。
(余談ながら、松原は結構攻め上がってボールを受けていて、個人のパフォーマンスは悪くなかったと思います。)
第二に、セカンドボールを狙う意識です。後ろから長いボールを出すのであれば、簡単に競り勝てることはそう多くないので、ボールがこぼれそうなところに選手がいないとロストする確率が高くなります。そのあたりで全体の意識の統一が見られるといいと感じました。前述の通り後ろに6人が残る感じだったので、セカンドボールを収めるのが難しかったです。
なお、解説の鈴木さんがラインが低いということを盛んに指摘していました。
個人的には、解説全体が若干結果論印象論という感じだったので(「水戸は頑張っているが清水は全然走っていない」とか)若干胡散臭い感じで聞いていました(失礼!)。
ただ一つ注文をつけるとすると、マイボールの時にもう少し前後の幅を狭くして欲しいというのはありました。守備時の基本的なライン設定が悪かったというよりは、トランジション時などのこまめなラインの上げ下げ(ライン修正)が欠けていたのではないかと感じました。
テセは地上戦でのポストは効果的なプレーができるのですが、空中戦はそこまで圧勝できるわけではありません。そのあたりの力関係や試合の流れを考えてプレーできるといいですね。
また、フィードがラインを割ってしまうシーンも複数あったので、ボールの回転やまっすぐ蹴るのではなく角度をつけるなどの工夫ももっと見られればと思いました。(出し手からすると「出せる」と思ったタイミングで出していると思うので仕方ないところもありますが。)
村田があまり効いていなかったので、特に昨日はあのポジションでボールを持てて落ちつけられる選手がいればとも思いました。
(それを期待されての枝村だったと想像しますが、効果的なプレイは出せず…。昨日のやり方ならテセを残して大前をサイドに動かしても良かったかもしれません。)
まあ所詮素人の戯言ではありますが…。
⬛︎選手評価
ダブルボランチ:守備でズルズル下がるシーンは気になりましたが、攻撃は良かったと思います。あの戦い方で彼らに責任を負わせるのは酷ではないでしょうか。
杉山:コーナーで飛び出して触れないのはなんとか改善して欲しいですね。ここも明らかに風の影響はあり、本間も同じようなシーンはあったので難しかったのとは推測しますが。
川口:この試合では守備はなんとか頑張って穴を開けないようにしていました。ただ攻撃ではほぼ死んでいたのでチームとして使い方を考えて欲しいところ。
⬛︎監督について
おそらくCBからシンプルに出そうというのは監督の指示もあったと思うのですが、結果的にはそれを選手が真面目にやりすぎたため(またはそれ以外をやる余裕が選手になかったため)裏目に出た感はありました。
どちらかというと選手が状況を見てプレイのバリエーションを出してほしいと思うんですけどね。
また後半はミドルをいくらか狙うという意識付けもあっても良かったかもしれませんね。
ただセットプレイ以外はそこまでピンチを作られたわけでもなく、結果的に無失点で終えることができました。
監督インタビューでは状況を的確に分析していたので、それを選手間でも共有して次に向かってくれることを期待します。
⬛︎最後に
現地観戦した試合としては「風強!」って感じで両チーム低調なパフォーマンスだったのである意味観戦するには最悪の内容でした。競り合いに強い角田の不在も痛かったですね。
ただ流れの中からの崩しの精度は負けていなかったと感じられましたし、コンディションを考えるとリスクを避けてアウェイで勝ち点1を取るというのはそれほど悪い選択ではないとも思います。
もちろんこういった相手に環境を言い訳に勝てないのではJ1なんて遠い、と言う意見も十分よくわかります。ただ私としては、大事なのは全否定するのではなく良かったところを残して悪かったところを修正することだと思うので、選手スタッフにはそれを期待します。
こういう試合がずっと続くわけではないので、ぶれずにさっさと切り替えて今まで通り次の試合も頑張って欲しいです。