★puppetmouth’s blog★

清水エスパルスに関しての雑感。基本応援スタンス。遠方なので情報難民。素人なのでまったり更新。

第20節 vsジュビロ磐田

最近のダービーでは、監督にしても選手にしても正直勝ちたい気持ちで相手が上回っているなと感じることが多かったです。今日は、間違いなくその点でこちらが上回りました。北川や立田などユース上がりの選手がとても頼もしく見えました。苦手な3バック、失速した夏場のような気候、不安要素はありましたが、全て吹き飛ばしてくれました。素晴らしい勝利をみんなで分かち合いましょう!!!

 

■清水スタメン

    北川 ドウグラス

 石毛        金子

    竹内  白崎

松原 フレイレ ソッコ 立田

      六反

 

※河井が欠場でした。

(最近の河井は、技術を活かしボール回しに落ち着きを与え遅攻を可能にするのはもちろんですが、何より精神的に成長したのを感じます。(結婚の影響、かな?)特に守備で相手に執拗に付いて、チームが苦しい時に背中で鼓舞するようなプレイが目立つようになりました。今日は欠場でしたが、しっかりコンディションを整えてまた勝利に貢献して欲しいと思います。)

 

■磐田スタメン

   大久保 川又

     中村

エレン 上原 田口  櫻内

 森下  大井  高橋

    カミンスキー

 

※山田が欠場。前半のダービーの記事で書いたように、山田の動きは守る側からすると結構厄介だったので、いなかったのは清水には良かったかもしれません。

ジュビロは前半戦のダービーとは左サイドが大きく変わりましたね。新里、ギレルメが森下、エレンになっていますし、大久保が入りました。

 

■前半

エスパルスは河井がいないこともあり比較的前に早く出すプレイが多かったです。

北川ドウグラスが速いので、逆に彼らが引いた時に磐田のディフェンスとしてはあまり激しく前に出にくかったというのが1つあるかもしれません。

(この試合、ドウグラスは空中戦ではそれほど勝ちまくっている感じではありませんでしたが、そもそもヘッドで競る前にポジショニングで勝負して相手を体で制してからボールをコントロールするシーンが多かったですね。)

一方の磐田。まず、基本的に中村は自由に動いてボールを受ける役割。加えて、ダブルボランチは攻撃時田口が前に出て、上原は下がり目の位置というのが基本。高橋は攻撃参加が好きな選手で、この試合でも右WBのような位置に出て攻撃に参加するというのも目立ちました。

ただ、ビルドアップはあまり上手くいっていなくて、エレンのところで時間があるシーンが多かったんですが、孤立気味ということもありそれほど効果的なプレイができていなかったように思います。中央は清水が締めていてあまり中は通せなかったですし、出し手と前線の距離が遠く、ボールホルダーへの前の受ける動きが上手く出せず、川又大久保田口あたりは消えている時間が長かったですね。

一度田口が残って上原が攻め上がったシーンがあったんですが、磐田は使われる動き、受ける動き、サポートのランニングが少なかったので、ああいうプレイ、もしくは高橋が上がってくるようなプレイをされる方が清水としては怖かったと思います。

1点目はドウグラスのボール奪取から。上原はドウグラスに気づいてませんでしたね。ドウグラスは守備はあまりサボらないとはいえ、通常はそこまで激しくディフェンスする選手ではないので、あれは完全にしてやったりでした。

2点目はまず北川が中央で上手く受けました。上述のように相手は裏を警戒していて、引いた北川に詰められませんでした。上原が一旦カットしたもののバックパスをミスして、北川が素早く反応してドウグラスにパス。磐田としては準備ができておらず、エレンもラインが揃っていませんでした。相手に囲まれながらスペースのない中で仕事をしたドウグラスは流石でした。

結果的に、上原大久保は前半で交代になりました。

 

■後半

磐田のメンバーは多分こんな感じ。(違ったらすみません)

      川又

    荒木  中村

エレン 田口  山本 櫻内

  森下  大井  高橋

     カミンスキー

荒木は見るからに相当気持ちが入っていましたね。終盤自分でドリブルで突っかけていったシーンが目立ちましたが、それ以上に運動量多く清水のボランチの前後の空いているスペースを探して受けるので、変化がつきましたし、一旦そこで受けることでエレンをはじめジュビロのプレイエリアが高くなりました。後半の磐田のチャンスはほぼ100パーセント荒木を経由していたと言って良いのではないでしょうか。相手から一人ベストプレイヤーを選ぶなら途中出場ではありますが今日は間違いなく荒木、次点が櫻内ですね。

ジュビロの得点は松原のパスを奪ってからのカウンターなんですが、一旦荒木がスペースで受けて、左サイド→右サイドとボールが行ったことで、時間が作れて櫻内や田口の高いポジションに繋がったと思います。櫻内のポジショニングとギュッと体を捻ったラストパスは見事でした。

 

これでゲームは全く分からなくなるかと思いました。

 

そんな中、ドウグラスが体を張ってポスト→北川からのリターンを受けて3点目。大井森下を完全に体で抑えてのゴール。この得点が試合の流れを決めるという意味では一番大きいゴールだったと思います。

その後磐田は全体に前掛かり気味になりました。お互いに切り替え時中盤でスペースが空き気味の展開になりましたが、4点目は相手パスを読んだフレイレのカット、オーバーラップから。ドウグラスが中央へ走り込んだ石毛に素晴らしいパス。石毛もすぐに北川に素晴らしいパス。北川が落ち着いて流し込みました。

 

なお、今季の石毛は自らゴール前に飛び込むプレイはもちろん、ラストパスでもボールの受け方でもかなり質が上がったプレイをしているのですが、それが過小評価されている気がします(完璧なお膳立てをしてもFWが外したりしたんで印象が薄いと思います)。特に石毛の最後の精度の高さが素晴らしいことは声を大にして言い続けたいです。今はシュートを外しているのでアレですが、きっとサポがそれをより認識する日も遠くないはず。彼は早熟のような言われ方をよくするんですが、ユース上がりの頃はプレイのバリエーションが少なくて、確かに両足使えたり前の選手としては地味に守備がうまかったりというのはありましたが、今の方がよほど怖い選手になっていると思います。

 

終盤は清水の選手たちの運動量が勝り、パスカットも目立ちました。

相手が攻めてきても、カウンターで運動量を使って押し返しました。クリスランのキープも効いていました。

最後は珍しく左で使われた村田がバースデーゴラッソ。今季は苦労していたのでめちゃくちゃ嬉しそうでしたね。

 

ゲームの走行距離は両チームあまり変わりませんでしたが、実際に試合を見ていても「ボールを受けるための」スプリントの回数は清水が多く(高橋荒木あたりは別として)、それが試合全体の印象を決めたという感じです。

 

磐田としては、最初の方にも書きましたが、やはりもう少し全体のパス回しを速くするなり、サイドチェンジを有効に使うなりしたかったですね。そのためにはもっと周りが動いて貰う必要があると思うんですが、暑さもあってちょっと運動量が少なく、スムーズなボール回しをし辛かったかもしれません。荒木や高橋(この選手と大久保はどうしても個人的に好きになれないですが…w)なんかはよく走ってましたが、全体に各駅停車なシーンが多かったですね。特に前半。あとは、何と言っても今季はケガ人が全てですね。非常にレベルの高いシーズンなので、主力が数人長期離脱しているのは厳しいところですね。今日は上原の日ではなかったですが彼も本来もっとできる選手ですし、中野も素晴らしい選手ですし、ライバルとして来季もぜひJ1で戦いたいです。

 

■清水のサッカーについて

このブログでシーズン序盤に記事をいくつか書きました。基本的にやっているサッカーはその頃からほとんど変わっていないと思います。ただし、ドウグラスが入ったのでそれによって攻撃の軸ができたのはやはり大きいですね。ドウグラスはシュートもスピードも強さもあり守備も他の選手ほどではないにしろ十分やる選手です。チームの攻撃という面では、周りを使うのが上手いというのが素晴らしいですね。ここ数年の助っ人たちは、シュートが上手い選手はそれなりにいたんですが、パスを味方と合わせられる選手は多くなかった印象です。それが彼個人だけでなくチームとして攻撃に自信をもたらしている要因ですね。ここ数シーズンは前線で焦ってパスを出してズレるというシーンを滅茶苦茶見てきましたから。

 

ただ、個人的に一番思う変化は、メリハリのあるプレイができるようになってきたということです。

 

今のエスパルスが上昇気流に入ったのは左伴社長と小林監督が揃ったタイミングからだと思っています。小林監督の時もコレクティブなサッカーは出来ていました。

ただ、真面目すぎるというか、相手がパスを出して、通って、それからそこに走って距離を詰める、という受け身でルーティーン的な守り方が多かったと思います。

今季ヨンソンになってからは(そして多分篠田コーチの働きが大きいと思っていますが)、ポジションをしっかり守るというだけでなく、相手にプレッシャーをかける激しい守備をするようにはなっていました。

その上で最近のエスパルス。例えば、竹内や河井は相手を見て、トラップする瞬間を狙ったり、こぼれ球が来るところを予測してスプリントして回収したり、というのが以前より目立ちます。

相手へのプレッシャーも、「ここはヤバい」という時には激しく詰めてファウル気味でもやらせない、とか。

要は、チームの規律は保ちながらも試合の流れに対する読みを働かせてダイナミックに動くというシーンが増えました。ただ走るだけではなくて、効果的にプレイする、試合の分かれ目にエネルギーを注ぐ、という点で、走力を要求されるサッカーから半歩、向上していると思います。

攻撃では、これまでは相手のプレッシャーがあると怖がって簡単にクリアというシーンが多かったですが、今は多少リスキーでもボランチがしっかり受けて相手をかわす、というシーンが増えました。最前線でも、上述の通り今までは焦って出して味方と合わないというパスが多かったですが、今は無理するのではなく味方を見て落ち着いて出すということが出来るようになってきて、精度が上がったと思います。

技術が変わったというよりは、自信と落ち着きという意識的な部分が大きいように感じます。

 

■課題

一番は堅い試合運び。前節はクリーンシートをできましたが、しっかり守り勝つというゲームはまだ課題だと思います。リードしている時に無理に攻めず回して相手を疲れさせる、みたいな時間帯はまだまだ少ない、というかあまりチームとして本気で取り組んでいない気がしますが、もっと必要だと思います。

その次はサブの充実。特に2列目でスタメンを脅かす存在が課題だと思っています。あとずっと言われてますがCKからの得点ですね。(個人的には、現在愛媛で活躍している神谷にとても注目していて、彼を取れたら最高…といっても湘南からのレンタルなので無理だと思いますが…。)

 

■最後に

北川のインタビューには不覚にも貰い泣きしてしまいました。今のチームの一体感は本当に見ていて楽しいです。願わくば来年も今季の延長線上のチームを見られますように…。では。