★puppetmouth’s blog★

清水エスパルスに関しての雑感。基本応援スタンス。遠方なので情報難民。素人なのでまったり更新。

第10節 vsG大阪

まず、ジュニアユースの関係者の皆さんおめでとうございます!!

 

さてトップですが、勝てた試合だった、負けなくて良かった、どちらとも言える評価の難しいゲーム。

いずれにしても、難しいコンディションの中両チームが力を出し合って見応えがあり良い試合でした。

 

◼︎前半

両チームとも同じようなフォーメーションで、前後半通じてミラーに近い戦いだったと思います。(ガンバはトップのうち前半アデミウソン、後半倉田は下り目でゲームメイクする役割を担っていましたが。)

どちらかというと前半は6-4で清水のゲームだったと思います。

その理由として、ポゼッションはおそらく相手の方が上だったと思いますが、清水は守備のポジショニングがいいのと狭いところでのパス交換が機能(竹内も目立ちました)していて、一方ガンバはボランチの倉田井手口が前に運べず、特に倉田にミスが目立ち、また藤本が(後半交代間際長沢へのいいパスはありましたが)効いていない展開で、清水としては持たれるもののそれほど大きな破綻はしないという感じでした。藤本と堂安はポジションを変えたりしていましたが、そこまでいい形でボールが渡るシーンが少なく、あまり効果的ではなかったと思います。まとめるとガンバはボランチからその前へのつなぎがスムーズに行っていなかったと思います。

早い時間に堂安がSB裏のスペースにダイレクトで出して藤春がクロスというシーンなどもありましたが、ピンチはカウンターやセットプレイなどのイレギュラーなプレイが多かったと思います。

 

◼︎後半

清水が先制したことでガンバが選手交代で手を打ってきました。

藤本に代えて泉澤、といっても彼の持ち味である仕掛けるプレイはほとんどなかったんですが、倉田をアデミウソンの位置に上げて遠藤がボランチに入ったことで、遠藤、井手口、堂安、倉田の技術とコンビネーションが生き、押し込まれる時間帯が増えました。全体が疲れていたので下で繋げずに、相手ターンが続くというのは反省点だったと思います。

もっとも、試合展開的には、先制した後追いつかれたことで正直負けを覚悟したものの、最後までよく粘ったという試合だったと思います。

 

ガンバは(特に攻撃では)戦術的な狙いを押し出してくるというよりも、個の技術が周りの選手と呼応してコンビネーションになるとそれがストロングという感じでしたね。

終盤のガンバのパス回しは見事で、特別なことはしていないのですが、ボールホルダーが落ち着いてボールを持ち、また回す時に遠藤井手口堂安は皆タイミングを1拍でも2拍でもなく1.5拍ずつ持っているというか、絶妙なタイミングで近くの空いた味方に確実に繋いでいくというようなプレイが見られました。みんなミスをしないので周りも安心して動けるというのもあります。

倉田が前に移ったことでゴールが生まれましたが、試合の内容からすると遠藤がボランチの位置に入ったことが一番大きかったのかなと思います。というか、前半の展開を見ていて(ガンバが持てる、暑い、ビルドアップがうまくいかない)、絶対遠藤を入れてくるだろうなと思いました。最近出ていなかったのでどうかなと思いましたが、プレイを見る限りではさすがでしたね。

非常に暑い中でのゲームだったので、(もちろん相手はACLがあるのでそれ以上にタフなコンディションではあるのですが)特に後半回されたエスパルスとしてはタフなゲームでした。そういう意味では、プレイが切れた時に間をとって進める狙いが見えたのはいい傾向だったと思います。

 

◼︎選手について

・チアゴ・アウベス

攻撃は以前書いた通り確かなものを持っていて、この日もゴールを決めてくれました。

守備に注目してみていたのですが、思っていた以上に賢いなという印象です。

あまり前からむやみに食いつかず、テセとの関係でCBとボランチの間のパスコースを消しながらスライドをしていたのですが、ポジショニングが大きくずれないので、特に前半は相手もやりづらそうにしていました。

テセは守備で苦労したというコメントをしていましたが、おそらくいつも金子がやるスイッチを入れる動きや、チアゴへのコーチング(指示しないと動かない…とテセは思っている)などから負担感を感じたんだと思います。ただ、チームとしての守備は破綻していないように思いました。

去年FWが交互にスライドしてボランチを見るというやり方がハマるまでかなり時間がかかったので、それに比べれば期待できます。

あと、ポジション的な噛み合わせもあると思うのですが、アシストした白崎とのホットラインは今後も期待ですね。お互いに意識できているように思います。今後はテセともよりコンビネーションを高めてほしいですね。(1本テセからのスルーパスからシュートというシーンはありました。)

・竹内

竹内の良さは「モビリティ」「判断の速さ」「リズムを変えられるプレイ」だと思っています。

彼はボールを受けることを怖がらず、六平や野津田以上に攻撃時によく動いて周りの選手が出しやすい位置にポジションを取ってくれます。また、ダイレクトで前に出すプレイやスルーパスなどが早くて前向きです。これは崩すというだけでなく、相手からすると後ろ向きの守備になりやすく、こちらからすると引っかかってもこぼれたボールを回収しやすいというメリットがあると思います。

途中交代はおそらく規定路線だったと思いますが、この試合ゲームにうまく入れなかった野津田と比べてサポートの良さや判断の速さという武器を見せられたのではないかと思います。

なお、失点シーンでは足を滑らせていましたが、白崎も決定機で滑らせていました。相手もよく滑っていましたが、決定的なシーンでこちらにそれが出たのは残念でした。

もっともこの日の失点シーンは竹内だけのせいではありませんが、むしろ彼はルヴァンでセットプレイで外されているので、そのへんで存在感を見せられるかが課題でしょう。

・六平

竹内に触発されてか、テンポを落とさずに素早く前に出すシーンが多かったように思いました。(強い相手とやると良さが出やすい気がするのは気のせいか。)

なお、彼のせいではありませんが、相手に遠藤、こちらに村田が入ってからは、村田が空けたスペースのカバーに追われたのがやや残念。

・鎌田、松原

2人ともとても良かったと思います。相手のSBもスタミナ、スピード、クロスの質とJではレベルがかなり高い方だと思いますが、今日は勝っていたと言えるんではないでしょうか。特に鎌田は攻守にとても効いていたと思います。松原も前節の反省を生かしディフェンスでも集中していました。

・二見

ルヴァン仙台戦で守備が崩壊気味だったのでとても心配してみていましたが、前への強さ、細かなラインコントロール(上げられるときには上げる)は見せたと思います。監督が期待したのもおそらくそういった部分だと思います。また、失点シーンで防げなかったのは残念ですが(もっともあのシーンは難しいところを通されたので彼の責任だけではないと思います)、角田と比べた時にアデミウソン(倉田)対策という面が確実にあったと思います。

・小林監督

前節の敗戦で、チームに緊張感が足りないというのは感じたところではないかと思います。競争がないと緊張感は薄れてしまいやすいものなので、思い切ってメンバーを変えたのにはコンディションや相手もありますがそういった狙いも若干あったと推測します。

 

◼︎ガンバについて

見ていて目立ったのは堂安、遠藤、東口、井手口、三浦です。

堂安は前の選手の割にはミスも少なく、また堅実なプレイもリズムを変えるプレイもできて遠藤ともリズムを合わせられる、とてもいい選手だと思いました。ガンバではトップを任されることが多いようですが、今日のプレイでも存在感を見せていて、これで前で出るとゴールも取れるというのは驚きです。今日は比較的地味な役回りでしたが、得点シーンの起点としても効いていて、対戦相手としてはさっさと海外に行ってくれと思う選手でした。

遠藤はとにかくミスが少なく難しいパスも簡単に通しているので難しそうに見えない。余裕があって短いパスも長いパスも正確。受け手にあまりスペースがなくても、パスコースが狭くても、普通に通してくる。また常に狙いを持ってパスを出す。既に名声を得ている選手なのであまりそれに乗っかりたくはないんですが、実際に見ていてもさすがです。年齢やスタミナや守備面が言われているようですが、技術の高さは別格で、こういう使われ方が今後も続くんだろうなと感じました。

東口は、チアゴの至近距離からのシュートをファインセーブしたのと、キャッチしてからのキックやロングスローでカウンターの起点となるプレイが素晴らしかったです。

井手口は、若干ミスもありつつも、後半は遠藤の助けを得て輝いていました。守備では球際が強く、技術もスタミナもあるいい選手でした。

三浦は、ファビオのお供のように思っていましたが、実際に見るとむしろ彼の方がプレイ面でイニシアチブを取っていたと思います。ファビオはヘッドは強く守備能力は高いのですが、ビルドアップやフィードでは完全に三浦の方が質が高かったです。また、エスパルスにいた頃に比べてダーティーなプレイを覚えたなという感想を持ちました。テセはだいぶ苦労していたと思います。

(この試合、ジャッジは仙台戦2試合に比べて安定していると思いましたが、一点だけ。ガンバの最終ラインはテセがポストする時かなり手を使って抑えるようなプレイを多用してきていて、エスパルスを応援する立場としてはもうちょっと見てほしかったなという気持ちはあります。)

【追記】テセが三浦に投げ飛ばされたシーン、流していればチアゴとGKの1対1でしたね…流してくれよ…。

 

なお倉田については、上で述べたようにボランチとしてはミスが多く良くなかったと思います。といっても味方との関係もあるんでしょうが。逆にトップ(といいつつトップ下ぎみに下がってゲームメイク)に入ってからは、逆に彼の良さがとても出たと思います。本来早くてうまくてゴールへの意識を持った非常に怖い選手だと思います。ガンバとしては、遠藤の守備面が不安&スタミナが持たない→今野井手口のボランチ→今野いない→倉田ボランチというやむを得ない策だと思いますので、今野が戻ってきてからが本当のガンバだと思った方が良いのでしょう。

 

◼︎まとめ

3ポイントを得たわけではなく、順位の上ではまだまだ厳しい状況には変わりありません。前節の教訓を生かせたのは間違いなく、清水の選手は個々の持てる力を出し切った上でチームとしても戦えていたのが素晴らしかったのですが、今後もJは際どい戦いが続きます。竹内やチアゴ・アウベスに加え、怪我からそろそろ完全復帰できるであろう北川も戦力にしつつ、うまく行かないところもうまく修正しながら、なんとか早くホームでの勝利を見せてほしいと願っています。