★puppetmouth’s blog★

清水エスパルスに関しての雑感。基本応援スタンス。遠方なので情報難民。素人なのでまったり更新。

第9節 vsベガルタ仙台

 

◼︎ルヴァンおさらい

ルヴァンでの仙台はショートパスをあまり使わずに対角線のミドル〜ロングパスで3バックから一度前のトップか2シャドーに楔を入れて、サイドのウィングや2シャドーに渡して勝負、というサッカーでした。

清水は最初引きすぎて前のプレスがかからなかったりセカンドを取れなかったりでプレスが後手後手になり苦戦しましたが、全体を少しずつ押し上げてボランチが相手ボランチを見られるぐらいの距離感にすることで相手のビルドアップを制限できるようになり自分たちのペースを掴んだように見えました。(解説が指摘していた通り、村田が前からプレスに行ってスペースを不用意に空けたり、マークの受け渡しをスムーズにできなかったりというのも目立ちましたね。)

ただ、フレイレのまさかの退場で数的不利になった後は自分たちの時間を作れないまま疲弊させられた、という試合でした。後半は三田が水を得た魚のようにどんどん前に飛び出してプレイしていたのが印象的でした。

(個人的にフレイレはめちゃくちゃ好きな選手です。プレイを見ているとまあ使われない理由はわからなくはないので小林監督のスタメンは支持しているんですが、人柄的には一番好きなのはフレイレ。いい人そうだし、リーダーシップも感じる。ヘッドも強いし両足の精度もある。細かい動きは苦手そうだけど。

退場で歩いてくるときもずーっと何度も首を横に振っていてとてもとても残念そうでした。試合前の練習から気合入ってたし、試合中もコンビを組んだ立田にも何度も声をかけていたし、この試合で使われることの意味を痛いほどわかっていたのが見ていて伝わったので…でもいつか這い上がってきてくれると信じてます!大好きなんで!)

 

◼︎前半

清水はルヴァンに比べるとボール回しがスムーズで、特に前半の前半は自分たちの狙い通りにボールを回せました。

その狙いを説明すると、仙台はクリスランと石原・リャンがV字を描くように守備のポジショニングをしていたのですが、石原とリャンはサイドのケアも視野に入れて少し開き気味にポジションすることが多かったです。そこで清水の両ボランチがクリスランと石原、クリスランとリャンの間にポジションを取ってボールを受けます。そうすると仙台の両ボランチはボールホルダーを抑えるために前に出てくるので、最終ラインの前のスペースが空きます。そこでボランチから斜め前に出して、白崎や金子が受けて、相手が寄せてきたらフリーのサイドに出してクロス、というのが前半の清水の狙いでした。(前半野津田が相手シャドーの近くにいるシーンで、小林監督が中に入れとお怒りでしたので、たぶん間違いないかと。)

なお仙台は途中でリャンと石原のポジションを入れ替えていました。この狙いが何かは良くわかりません。攻撃で気分転換だったのか、またはどちらかというとリャンの方が守備時に低いところまで戻るので、鎌田をフリーにさせないために守備の手当てをした、という可能性もありますが、後半開始からは戻っていたので一時的なものだったのでしょう。

仙台としては、清水がここまでボランチ→SHを経由するというのは予想外だったようで(確かにここ数試合清水はあまり持てていなかったのでロングボールを多用しており、その印象が強かったのかもしれません)、仙台の守備の狙いとしては清水がテセに一旦当ててくると予想して、そこに入った時にファウル気味であってもすぐに潰すのを徹底する、というものだったと思います。また、石原リャンもどちらかというと鎌田松原からのビルドアップを警戒するようなポジショニングだったと思います。ただし清水はそういうプレイチョイス(SBから同サイドを崩す)がいつもより少なかったので、仙台としてはなかなかペースを掴めなかったんだと思います。

仙台の攻撃については、ルヴァンのときに比べると楔のボールが少なかった印象です。ただし片方に寄せて逆サイドに張ったフリーの選手を使うというのは同じ狙いでした。

前半はつなぎが雑であまりチャンスにはなりませんでしたが、富田なんかは持ってから逆を見て出すまでが早く、裏を返せば多少精度が落ちても攻めのスピードを重視するというのが印象的でした。

清水はクロスを何本も入れましたが、あと少し低かったら…あと少しズレてたら…というシーンが何度も見られ、自分たちの狙い通りに崩す直前までは行っているものの微妙なところで合わないという感じでした。この試合、結果を知って録画を見たのですが、前半を見た限り大敗する試合とはとても信じられませんでした。

 

◼︎後半

角田の微妙なプレイでPKを取られて厳しくなりました。このへんは正直運もないという感じですね。(まあファウルではあるんですが…そして予測やポジショニングが悪い…でもクリスランハイキックして頭にぶつかったのにカード出なかったよね…フレイレは同じプレイでイエロー退場だったのに…前半枝村がボールにスライディングして触ったのにこっちがファウル取られるし…(以下自粛))

ただし、仙台は後半守備の仕方を変えてきました。特に先制してから顕著だったのですが、2シャドーがサイドに開くのではなく、ボランチの両脇のスペースをケアする(中央を締める)ような形で、言って見ればよりはっきりと5−4の2ラインを敷くような守備に見えました。

前半は白崎がボランチ横で受けてサイドに散らすという展開が多かったのですが、そういったプレイが減りました。

清水としては、相手がリトリートするとボランチは横や後ろをあまり見なくて良くなったので時間をもらえたのですが、前にスペースがなく、白崎や枝村が効果的に受けることが難しくなりました。裏に出してテセや枝村が抜けかけるプレイもありましたが決まらず。

駆け引きとしては、スペースをもらったボランチがもう少しドリブルで相手を釣り出すとか、ミドルを打つとかして相手の陣形を崩したかったですが、きっと詰められるとパスをするんだろうというのが読めてしまうのが残念でした。また、選手交代をして攻めにかかったときに、サイドは相手2人が来ていて中が若干空いているので、ドリブル→クロス一辺倒ではなく、誰かがうまくフォローして一度コンビネーションで中(ペナルティの角辺り)を使うとかできればよかったんですけどね。チアゴと村田の役割が重なっていたので、どちらかが枝村か金子だったら…。結局中央を固めて守る仙台を崩せず終了となりました。

総じていうと、仙台の守備の変更にうまく対抗できませんでしたね。相手の狙いを読み取って、リスクを最小化した上で相手の逆を取るという視点はあまり見られませんでしたね。

 

また、失点シーンはどれも人数はいるものの予測が悪かったりミスが重なったりで、正直角田犬飼松原のプレイが単純に酷かったのでしっかり猛省して欲しいですね。確かに残念なPKの取られ方ではありましたが、1点取られたところで相手の動きが良くなるのに反比例して、清水の選手の集中(切り替え)が悪くなったのはとても残念です。特に3失点目はありえないです。

清水がチャンスを作った直後のシーンで集中を欠いて失点という傾向もあったように思います。

 

監督はやるべきことをやっていないとお怒りでしたが、それは細かいポジショニングもそうですが、前半終盤から先制していないのに選手の表情が緩かったり、ディフェンスの集中が足りなかったりというところかと思います。

こういった試合が現在降格圏の相手でなかったのが唯一の救いかもしれません。

 

◼︎金子について

彼は、最近ディフェンスのスプリントが減ったのではという意見もあるようですが、個人的にはそこはあまり問題ではないと思っています。金子を使う一番のメリットとしては、「守備のスイッチが入る」ということだと思っています。前から行けるときは片方を消してもう片方に追い込むことで、テセはもちろんSHや野津田が連動して前から追って相手のロストを誘発することができます。その状況判断がいいので、一人だけで追って周りがついてこず、相手に回されて結局無駄走り、というシーンがFWにしては比較的少ないです。

(余談ながら、野津田の走行距離が長いのは、六平は比較的CBの前に留まってスペースを消していることが多い一方、野津田はその横でリトリートすることも、スイッチが入ったとき前から追って相手のボランチ片方を消すことも両方やることが多いからだと思います。仙台戦の場合、ルヴァンの最初がそうだったように、両ボランチがずっと引いているとこっちの前2枚が追っても相手の後ろ3枚とボランチ2人が比較的余裕を持ってゲームメイクできる(相手ボランチに制限がかからない)ため、相手ターンが続きやすいというデメリットがあります。ボランチが前に出せないという批判を目にしますが、この試合に限っては、ボランチは前にボールをよく供給していましたので、それは当たらないと思います。もう少し強引にゴリゴリ仕掛けてほしい、シュートを打ってほしい、2列目から飛び出して前に飛び込んでほしいというなら分かりますが。(もっともゴ◯ビ監督やネルシーニョ監督などボランチが最前線に行くのを嫌う/ように見える監督もいますけど。)この試合ではそれよりもCBのお粗末プレイや何度も合わなかったクロスの質、抜け出したときの前線のプレイの質の方を問題にすべきだと思います。)

もちろん、リトリートするときはテセとの関係で一枚がパスコースを切ってもう一枚がボランチを捕まえます。

また、この試合は地上戦を多くやっていたので、金子は相手ボランチが出たスペースを使って受けてサイドに散らすという効果的な動きをやっていました。

一方、清水はサイドからクロスを上げるシーンが多いため、金子の身長の低さはどうしてもデメリットになります。

さらに、相手がスペースを消して密集したときなんかは、間で受けようとしても体を当てられてロストというシーンも目立ちます。

ということでメリットデメリットがどちらもあるんですが、総合的に見ると自分としてはスタメンで使われる理由はわかりますね。(余談ですが柏の中川って金子に似てますよね…。小さいし守備で走るし気が利いてるしよく叩かれるし…。)

アゴやデュークという手もありますが、デュークはこの夏に移籍するんではという気持ちが自分としては拭えないところがあります。案としてはチアゴをトップで使って金子の位置に置くというのもあるかもしれませんね。その場合、チアゴと枝村はポジションチェンジしても持ち味を生かし合える気もします。

 

◼︎まとめ

前にも書きましたが、最近は「したたかさ」というのがキーワードだと思っています。仙台戦は持ったことで若干勘違いをしてしまった感がありました。もう一度自分たちの立ち位置を見つめ直して、謙虚に戦ってほしいと思います。また、特に2失点してからは明らかに気落ちしたのもいただけません。気持ちの準備と予測がしっかりしていれば負けるような戦いではなかったと思います。次の相手は強いですが、バラバラにならず、気持ちを切らさずに、もう一度勝利に向けて一丸となってほしいと思います。