★puppetmouth’s blog★

清水エスパルスに関しての雑感。基本応援スタンス。遠方なので情報難民。素人なのでまったり更新。

第6節 vsジュビロ磐田

いやー見応えのある試合でしたね。

 

◼︎ジュビロのスタメン

     川又

   山田  中村

ギレ 上原  田口 櫻内

  新里 大井 高橋

     カミ

 

エスパルスは、デュークが前節に続きFWに。また石毛はSHでスタメン。

 

ギレルメが起用された意図としては、アダイウトンの代わりに推進力を出したい、立田のサイドを狙いたいというのがあったと思うのですが、エスパルスはWBをSHが見ることが多く、ビッチ上では山田に立田、ギレルメに金子がつくことが多かったです。結果として金子の位置取りがやや低めになったと思います。

 

デュークに関しては、クオリティだと北川だと思いますが、早めに2トップに当てることが多いので高さと推進力を考えたのだと思います。

 

◼︎前半

基本的には清水ペースだったと思います。

ポイントはいくつかあったと思いますが、まず前後半で流れを変えた一番のポイントはセカンドボールの回収だと思います。球際で競った際にどちらボールになるかで流れが大きく左右されているように思いました。

前半は両ボランチが関わった時に取りきれる、周りがセカンドを回収できるシーンが多かったので、こちらのペースになったと思います。

 

また、磐田は守備時、山田と中村が中にいるので、中央では多く数がいました(いわゆる5-4-1)。逆に前は川又1枚なので、清水の後ろの選手は比較的自由にボールを持てました。

こうなると中を崩すのが大変なのですが、前半の中盤でキーになっていたのは石毛の受ける動きでした。こちらが後ろにいる時は2トップに簡単に当てていましたが、ある程度遅攻できるときは言うほど放り込んでおらず、ボランチが関与しつつ縦をうかがい、石毛が相手の間で何度も受けていました。クリスランが抜け出してデュークがシュートしたシーンが象徴的です。前半のMVPは石毛を挙げたいと思います。

 

一方のジュビロの攻撃はギレルメが持った時に周りが連動して上がる、川又に当てて全体の陣地を回復するというのが目立ちました。

ジュビロのサイド突破は山田や中村が降りたりサイドに流れたりして過程で関わることが多いので、エスパルスとしてはうまく崩されても中の相手の人数が川又以外にそれほどいない、高さがそれほどないので、普通のクロスなら全体にうまく守れてはいたと思います。

川又は去年のダービーでCBとの肉弾戦でかなりやられた印象がありましたが、この試合ではそこまで脅威は感じませんでした。(フレイレとのスピード勝負をチームとして狙わせているように思えるシーンもありました。)

 

◼︎後半

石毛の決定機までは五分五分かやや清水のゲームだったと思いますが、そこからはほぼ磐田のゲームだったと思います。

後半押し込まれた一番の要因は、前半同様セカンドボールの回収だと思います。この辺りは双方の選手ともかなり意識を持ってやっていたと思いますが、後半は磐田が上回りました。前半は清水にこぼれるシーンが多かったですが、後半は磐田にこぼれるシーンが多かったです。運もある気がしますが、運動量が落ちたこともあるかもしれません。

さらに、清水側は攻撃にかかるところでのちょっとしたミスパス、ミスタッチが増えた印象もありました。ある程度やりきってロストするならいいんですが、その過程で失ってひっくり返されることが多かったのでペースを引き寄せられなかった印象です。早い攻めは確かにチャンスになるので難しいところですが、数回に一回は早く攻めるだけでなく一旦落ち着けるとか、サイドを変えるとか、セカンドボール以上にここは工夫できるところなので今後に期待です。

磐田は後半、単純なサイドの単騎突破クロスだけでなく、いわゆるペナルティエリアの角を使うサポートの動きやグラウンダーのクロスを増やして工夫している様子が見られました。清水としては山田の動きがなかなか厄介だったと思います。磐田は決定機自体はほとんどがセットプレイからでしたが、流れからだと山田が抜け出してマイナスのグラウンダー、中で合わせた中村がシュートしたシーンは磐田の狙いが上手くいったと思います。後半のMVPは山田かもしれません(途中で代わりましたが)。

また、清水は松原に持たせるシーンで、荒木になったのはちょっとやりにくかったですね。櫻内よりも荒木の方がスピードがあって抜きにくかったです。

全体に交代が機能したのはジュビロの方だったと思います。荒木のほか、小川も2度ほど効果的なプレイがありました。白崎は工夫は見えましたが若干試合に入れなかったですね。

 

◼︎全体を通して

中村は、セットプレイ、ボールキープ、パスとどれを取っても一流のプレイでした。MVPを挙げるなら悔しいですが彼でしょうね。

一方で、清水の2CBも安定して素晴らしいですね。特にソッコは、期待値が高いのでこれまであまり触れないできましたが、2CBではJで5本の指に入るかもしれませんね。

立田は、うまく試合に入れず、プレイチョイスでミスが多かったと思います。ちょっとプレッシャーがかかっていたかもしれません。どんどん経験を積んでさらに良くなって欲しいですね。

清水の2ボランチは概ね良いプレイでしたし、石毛も良かったですし、相手も1本ミスはありましたが大井のカバー、安定したカミンスキー、上原や高橋の攻め上がりと見応えがありました。

なお、インタビューを聞く限り清水側は前節の失点のことが結構頭にあったかもしれませんが、カウンター潰しもしっかりできたのではないかと思います。

 

◼︎余談

金子がイエローを受けたシーンは、映像で確認しましたが、田口と審判が両方金子に手を出していた(審判は田口の手を抑えようとしていた様子)ので、去年と同じ基準なら田口が退場だと思います…。

あと、どうでもいいんですがギレルメはいいヤツですね。

名波監督はこちらの2トップのことを言っていましたが、この試合を見る限り清水のキーマンは石毛(決定機2本以上に、中盤で受ける動き)だったので、清水としてはそこをより熟成させてまた結果に結実させてほしいです。金子はあまり目立ちませんでしたが、彼も同等にやれる力があると思いますし。

 

◼︎まとめ

流れの中から決定機まで作れていたのは清水、セットプレイから決定機まで作れたのが磐田。スコアレスですが双方持ち味を出した好ゲームでした。

清水は守備でCBが安定していますし、全体にハードワークして穴を作らず、また球際も強く行くので、見ていて気持ちいいですね。

また、攻撃でも中盤4枚が多く関わって遅攻でもしっかり崩せる兆しは見えていて、内容は悪くないと思います。

何とか早い時期にまた勝ちを見たいですね。もちろんホームでも。応援しています!

第3節 vsコンサドーレ札幌

◼︎札幌のポジション

    ジェイ

   チャナ 三好

菅   兵藤   深井 駒井

 福森 ミンテ 進藤

     ク

いわゆるミシャ式3-4-2-1です。

 

対する清水はデュークがケガの石毛の代わりに入っています。

 

◼︎前半

まず札幌の攻撃の特徴としては、菅と駒井が高いポジションを取るということ。

後ろ3枚で回す時に、幾つかのバリエーションが感じられました。

1つは、3バックの両サイドバックが自由に持てた時に、対角線のフィード。

進藤→チャナティップか菅、福森→駒井か三好。

札幌は受け手と出し手の間に決まりごとがあるのか、出し手が受け手をよく見ていて、裏狙いがスムーズで脅威になっていました。

次に、主にミンテから前線中央3枚へのクサビのボール。

 

チームの中心となった三好が高いキープ力で起点を作り奪われません。序盤清水としては相手が高い位置で回している時、進藤が高めの位置だと進藤と駒井と三好の誰にデュークがつくのかが若干曖昧で混乱していたようにも見えました。

札幌の2ボランチはそれほど積極的なパスは目立ちませんでしたが、清水2トップのプレスが甘いと人の間にポジションを取ってゆったりと回し、清水のプレスを誘発して穴を空けようとするような回し方でした。

 

札幌の先制点は、清水が前からプレスに行ってそれを外されてから。

左に追い込んだものの逃げられて、大きくサイドチェンジしたところにフリーの駒井。いいクロスを上げられ失点しました。

ここで注目に値したのは、失点で清水が引くのではなく、前からのプレスをやめなかったということですね。これが後半の積極的なプレスからのボールカットにつながったと思います。

ただ、前半の終盤に三好から飛び出すチャナティップにいいパスが通り、菅が決定的なシュートシーンを作ったシーンでも、上述の通りデュークが誰につくのかがやや曖昧になっていたと思います。これが決まらなかったのがこの試合の第1のポイントだったと思います。

 

◼︎後半

この試合の第2のポイントは、後半の開始5分間の攻防だったと思います。

 

札幌は前半同様3バックの両脇の2人、福森と進藤からの対角線のフィードを狙っていました。

まず、若干それに押し込まれたシーンが続きました。そして上手くそれを弾いて松原のクロスから金子のゴール。

 

このゴールシーンの間にヨンソン監督が清水の両CBを呼んで指示を出していたというレポートがありました。

ヨンソン監督は、札幌が対角線のフィードを多用していて、それに対する対策が必要であることは確実に認識していたと思います。

おそらくそれに対して準備をすることを改めて伝えたのではないかと思います。(HTでも伝えたとは思いますが、それが徹底されていなかったことを指摘したのではないでしょうか。)

 

もともと清水側は前半からラインの上下動は多い試合でしたが、勝ち越し後は相手のフィードの前までジェイにラインを引っ張られすぎず我慢して、出される瞬間に予想して下がるというのがより強調されたと思います。

また、両 SBが上がってきたWBに気を取られすぎず、守備スタート時にあまり高い位置・サイドに張った位置を取らず、CBとの距離を保ってシャドーの飛び出すスペースを封じつつ、ワイドのスペースは距離がある時はある程度2SHにカバーさせるバランスが上手くいっているように見えました。

札幌は両WB(特に菅)や三好の運動量が落ちたことで動き出しが減りました(チャナティップはあまり落ちませんでしたが)。前半は右で作って左が飛び出すというシーンが多かったのですが、そういったシーンは後半あまり見られなくなりました。ビハインドになったことで全体に前がかりになりスペースが減ったということと、運動量も考えての選手交代に伴ったポジション変更もあると思います。徐々に攻め手がなくなっていったように思います。

選手のキャラクターを考えると、3CBをはじめとして、もともとそこまでミシャサッカーに合う選手を揃えている、という感じでもないですし、ジェイや都倉もそこまでスピードがあるわけではありませんし、むしろ放り込まれた方が嫌でしたね。

菅の攻撃センスやスピードも途中までは脅威になっていたので、質が伴うと危ないですね。

また、後半中央を崩す際の精度とコンビネーションが上がるとより怖い相手になると思います。

 

◼︎その他

金子はインタビューを聞いていても受け答えがはっきりしていて立派ですね。1点目のアシストも狙いがありましたし、2点目は遠いところからなのですが一人だけ倍速のような動きで感じてニアに入ってきて見事でした。

 

あと、今季はボールをカットした選手(ソッコ、フレイレ、河井)が前までスルスルと上がるシーンがあります。

この試合では前半河井がドリブルでペナルティーエリアまでスルスルと上がるシーンがありました。このシーンでは詰まりましたが、後半スーパーゴールを決めた背景に、あのプレイで攻撃の本能が再び目覚めた…というのが若干ですがあるんじゃないかなと思ってます。

 

余談ながら、ボランチの人選について。私見では竹内河井の強みは流れの予測と速さじゃないかなと思います。この2人は技術もさることながら、周りの選手がボールを持った時に細かい受ける動きを半テンポ早く繰り返せるので、多少相手のプレスを受けてもかわして回すことができます。さらに、ボランチはこの試合ならシャドーとボランチ両方を見る必要があり、どうしても上下動が必要なので、足が動くことが大切なポイントなのではないかと思います。

増田や六平も技術では負けない(トラップもうまいしミドルパスは竹内河井より上かも)と思いますし、球際の守備の安定感では上だと思いますが、素早く動きなおしてボールを受けるポジションに入る頻度や速さ・運動量、スタートポジションから前へ出て相手ボランチにプレスをかける速さでもっと監督の評価を得ることが必要なのではないかと思います。

いずれ、持ち味が違うので最終的に誰がスタメンで残るかは注目ですね。

 

◼︎最後に

開幕戦で受けた印象は特に変わっていません。今季のエスパルスを一言で表すと「ソリッド」という言葉が浮かびます。

まだまだピンチも多く試合内容からすると安定して勝てるような内容ではないと思いますが、ソッコは頼もしいし金子や北川、石毛、立田など若手も明らかに精神面が充実していて、相手を受けすぎずにやってやろうという気持ちが見えるので見ていて気持ちいいですね。

高望みはしないので、このままチーム一丸で頑張ってほしいです!

ではまた!

第1節 vs鹿島アントラーズ

注目の開幕戦ということで、忙しさを振り切って記事アップしたいと思います!!

 

⚪︎スタメン

 

清水のスタメンは概ね報道の通りで、

  北川クリス

石毛    金子

  竹内河井

松原フレファン立田

   六反

 

鹿島のスタメンは

 

  金崎鈴木

安部    遠藤

  レオ三竿

安西昌子植田内田

   クォン

 

⚪︎前半

前半は清水が飛ばしていました。

特に石毛と金子は運動量豊富に相手のSBに対して下がらずに距離を詰めて守備していました。北川クリスランを始め他の選手もそれに連動して守備し、セカンドボールも回収できました。相手がビルドアップで余裕を持てず、SBの1つ先で清水が潰すという展開が目立ちました。

鹿島の打開策で目立ったのは主に3点で、1つは金崎が中盤に降りてきてロングボールなどを受けてポストで時間を作ること。もう一つは松原の裏のスペースを狙って鈴木(または金崎遠藤)が走りこむ展開。最後にレオシルバが動き回ってボールをもらうという展開。

清水としては、2番目が一番怖くて、実際ピンチになっていました。逆に3番目ではレオシルバ自身も周りの選手も余裕がないため詰まって清水のプレスがハマるという展開が目立ちました。

鹿島はACLもあり、試運転しつつダイナミックなパス回しで相手が疲れるのを待ってとどめを刺そうというイメージだったのかもしれませんが、想定以上に清水がコレクティブだったので、点を取られなくてよかったという前半だったのではないでしょうか。

なお、地元ということで注目された内田ですが、高い位置まで攻め上がるというシーンはあまり見られませんでした。理由はコンディションもあるのでしょうが、おそらくレオシルバ(または安西)が攻撃で上がっていくのでバランスを取っていたこと、遠藤とのコンビネーションがそこまで高まっていないので様子を見ていたこと、松原が上がってくるのでその対応を考えていたこと、逆に松原の裏にFWが上がることを考えスペースを空けていたことなどが考えられます。ただ同サイドのスペースに出すパスの精度はさすがでした。というか、シンプルに1つ1つのパスが丁寧で絶対に雑にしないですね。サッカーというと戦いというイメージが強いですが、こういうサッカー観もあるんだなと思いました。

逆の安西はかなり運動量があって、上下動を繰り返していた印象です。全体的に鹿島は左に選手を集めて右はスペースを突くという感じでした。立田を狙っていたんでしょうね。

清水の攻撃についてですが、去年との違いという意味で目立ったのはクリスランです。相手のCBとボランチのギャップに位置を取りつつ、起点になっていました。ポストが弱いという噂もありましたが、体が強いので相手との競り合い役を果たしてくれていました。長谷川悠がよくやるような華麗なテクニックというのはないかもしれませんが、あのポジションは相手と肉弾戦をしてプレッシャーをかけるのが大切なので、正直期待以上にやってくれていると感じました。さらにこの試合ではそこまでハマりませんでしたが機動力があるので、サイドやカウンターでの裏抜けも期待できると思います。

 

まとめると、清水は守備のスイッチが石毛金子でしたが、同じシステムの鹿島は慎重に入り安部遠藤がそこまでプレスに来ない(むしろスイッチ役になっていたのは鈴木)ので、そこがペースの違いに現れたように思います。

前半の個人的MVPはナイスプレイから相手のイエローを2枚誘った金子ですね。

 

⚪︎後半

最初に切り替えの早い展開が続きましたが、徐々に鹿島のペースになりました。

清水がFWで収まらなくなった(クリスランが疲れた)というのもあると思いますが、一番は清水の最終ラインが低くなって、セカンドボールをとれなくなったこと、攻撃に厚みがなくなったことが理由だと思います。前半あまりさせなかった相手のサイドチェンジに対して制限をかけられず、余計に押し込まれる展開になりました。(去年対戦した時点での鹿島は長い対角線のフィードやサイドチェンジのパスを多用するチームでした。)

清水が前半飛ばしていたこと、鹿島FWのキープ力、また鹿島のイージーミスが減ったことなども要因としてあると思います。というか、清水側もある程度下げることを想定していたと思います。

もともと清水の中盤は体が強いわけではないので、相手に体をぶつけてボールを奪い取るというのは苦手だと思います。前半は前からプレッシャーをかけて、出したところでカットするためそこから攻撃に、という感じでした。しかし後半は相手がコの字で前線でゆっくり回すところにプレスをかけて、鹿島のボールホルダーと清水のプレッサーの1on1という肉弾戦になるので、体の強さがイーブンであれば奪えるだろうプレスでも体を入れられて取りきれず、つついても後ろに残った相手選手が回収し、ラストパスをカットしようとするとコーナーに、という感じだったと思います。

それでも防戦一方というわけではなく、守備では相手に体を当てて、攻撃でもうまくボールを逃がしてカウンター未遂に、という姿勢は見られました。

ちなみに、一応ダブルボランチという鹿島ですが、特に後半は押し込んでいたこともあり、レオシルバが前に出てこちらのボランチを見るようなダイヤモンド型のポジショニングの時間も長かったですね。三竿より攻撃力がある(というか攻撃が好き)ということもあるのでしょうが、守備で竹内を気にしているような感じもあったので、もしかしたらHTで監督から、後ろでビルドアップする方のボランチをレオシルバが前に出て抑えるよう明確な修正指示があったのかもしれません。

※解説でフィットしていないとかコンディションが悪いと言われていましたが、レオシルバは広く動き回って攻守に多く関わるので、若干かわいそうな言われようかなと思いました。こなす仕事が多いとその分ミスが多くなる、野球で守備範囲が広い選手は狭い選手よりエラーが多くなるというのと似ている気がします。とはいえ全盛期に比べると綺麗なボール奪取が減ったり(後半は上手かったですが)ミスが増えたりしている印象もあります。新潟時代スタで見て衝撃を受けた思い出があるので頑張って欲しいですね。

 

⚪︎選手交代

鹿島はルーキーの安部を下げて、山本を投入。(余談ながら、ジュビロ時代はサポから批判されることが多かった印象の山本、すっかり鹿島に馴染んでますね。)

これにより、左サイドの安西が1つ上がって安部の位置に入り、山本が左サイドバックになります。

  金崎鈴木

安西    遠藤

  レオ三竿

山本昌子植田内田

   クォン

狙いですが、おそらく清水の北川金子あたりがカウンターの起点になることが多かったので、まずはその手当てだと考えられます。山本は身体能力が高くスピードがあるので、カウンターを防ぐにはベターな選択です。

さらには、立田に対してはスピードのある選手が生きるかも、というのも若干はあったかもしれません。

しかし安西は前に出てからはかなり中央に入ってプレイしていて、シュートを打つなど攻撃センスもかなりあって大したものです。

 

さらに、鹿島は土居を投入して攻撃の厚みを増してきます。

  金崎鈴木

安西    土居

  レオ三竿

山本昌子植田内田

   クォン

これ自体はさほど驚きはありませんが、さらに内田に替えてPJを投入してきます。

  金崎鈴木

PJ    土居

  レオ三竿

山本昌子植田安西

   クォン

何が驚きかというと安西が右SBに入ったということですね。しかも彼は終盤までキレのあるプレイをしていたのにさらに驚きです。ミッドウィークにACLを戦っているという点でまたまた驚きです。

これに内田もいて怪我している西もいるとなると、Jのレベルだとラームが3人いるみたいなもんじゃないかなと思います。右SBが2人いないウチからすると本当に贅沢で呪いたくなりま(以下自粛)

なお、短い時間ではありますが個人的な印象を言うと左SH>右SB>左SBだと思います。

プレイ内容も良かったので、金崎や三竿も良かったですが、後半の個人的MVPは安西ですね。

鹿島についてまとめると、やはり金崎の存在感は大きいですね。コンディションは悪かったと思いますが、全体的に強いチームなのは間違いありません。一方で課題としては、優勝を狙うチームとしてはSHがもう一つ物足りないですね。清水からすると、レアンドロがいないのは本当にラッキーで、彼が戻ってからが真のアントラーズでしょうね。

 

なお、清水の交代について言うと、石毛は運動量を考慮しての交代だと思います。また、北川とテセの交代は試合前から8割方決めている感じでしたね。

 

⚪︎昨季との違い

コンセプトは昨季に近いと感じました。

守備時の違いとしては、去年は選手がポジションを意識して穴を開けないようにあまり動かないで守る(獲りに行くというよりはコースに立つ)という感じでしたが、今季はボールホルダーに積極的にプレスに行くというイメージが強くなりました。

金子と石毛が走れるのでプレスに行くのですが、両ボランチも足が動いていて積極的に前へのプレスに行くので、ポジションというよりも相手やボールを見て動く印象が強まりましたね。

さらに、CBが両者ともヘッド強いので(去年は犬飼とカヌがヘッド強かったんですが、犬飼は怪我が長く、カヌは機動力に難があり、二見は機動力はありますがヘッドが弱く、2枚揃うことがなかったですね)、クロスに対して弾きかえす力が上がったのもいいですね。ボランチが競るようなボールでもフレイレが弾いたりできていました。テセがいない時間でもクリスランがセットプレイの守備で存在感を見せてくれたのも好印象です。

また、競り合いで分が悪い時ファウルで止めて落ち着けるというのも悪くないと思います。今までは生真面目にそのままやらせる印象があったので。

総じて、相手がプレッシャーを感じるような守りに若干シフトしたのかなと思います。

現状の課題としては、まずはゲーム体力のペース配分ですね。中盤1対1で守る場合どうしても体が強くないので、交代策も活用しながらグループで守るということ、松原の裏にフレイレが釣り出されるシーンが何回かあったので2人のコンビネーションかつその周囲の選手のカバー意識を破綻させないようにすることも大切だと思います。

あと、この試合では相手のドリブルに一歩遅れるというシーンが結構あったので、その辺りも細かい課題かもしれません。

フレイレはアジリティが課題という印象もあったので、細かいプレイが得意な川崎や浦和のようなチームに対してどうかというのもあるかもしれません。

 

攻撃に関していうと、まずクリスランの機動力がプラスですね。体を張って起点を作ってくれるのと、裏抜けしてくれるのと、両方できるのが魅力的です。一方でクリスランのスタミナが切れるので、改善するなりテセがやってくれるなりしないと、というのがあります。また、全体が後ろに重くなった時間ではもう少し個で突破して時間を作れる選手が必要かなという印象もあり、左右の問題はありますがデュークより楠神の方が良かったんじゃないかという印象もあります。また、北川は悪くなかったので、フルタイム見てみたかった気持ちもありますね。彼は両足使えるなどなんでもできて、昨季からは守備意識も責任感も出てきたので、まだまだ期待できる選手だと思います。セットプレイやパワープレイを考慮する必要はあるんでしょうが、そのうち交代はクリスランとテセの交代になるかもしれませんね。

さらに、小林監督時代気になっていたのがパススピードの遅さだったのですが、そこは改善しようという意識が試合で僅かながら見えました。良かったのはそれでミスが増えるわけではなかったということです。竹内なんかはリーダーの自覚も感じますし軽いパスミスが減っていると思います。

守備一辺倒になって適当にクリアするというシーンも少なくなった印象です。

解説でも述べられていた通り、クロスに対してクリスランとクロッサーの間で共通理解ができるとさらに良くなる感じもありました。また、開幕戦の高ぶりもあったと思いますが最後の冷静さや工夫も求められると思います。

 

最後に。

開幕戦の感想としては、戦う集団を見せてもらったというポジティブなものでした。

大いに期待している一方で、今期も残留を争うようなシーズンを覚悟しています。

清水の残留争いや降格を経験して、改めて残留争いを考えるようになってよく分かったことなのですが、降格チーム、戦力で圧倒的に劣っている、というのはどちらかというと少数派だと思います。もちろんそれは1つの要素として常にあるとは思いますが、むしろ多くの場合で決定的なのは、試合を続けていく中で結果が出ない時期が続き、思い切り、勝利への執念、相手を見る冷静さ、集団のまとまり、といった要素がだんだん無くなっていって、恐怖を感じ、集中力がなくなり、体が動かなくなり、弱く「なっていく」という点です。

私は、純粋なサッカーの楽しさ、この試合で感じたようなワクワクをこれからシーズン通してもっともっと体験したいと思っています。今日のような試合を、そして会心の勝利をもっともっと見たいと思っています。

で!エスパルスを愛する皆さんも、スタジアムで、またそれぞれの地で一緒に応援しましょう!!(ブログを定期的に更新するかはまた別の話!)

ではまた。

AFC U23 Championship グループステージ 日本 vs パレスチナ(と雑感)

お久しぶりです。

ひっそりと更新します。

 

このゲーム、日本が守備意識高く、堅くものにしたという印象。

日本は森保流サンフレッチェ式フォーメーションの3バック。

これがミシャ式なら3バックの左右2人がもっと攻めるんでしょうけど、この試合では後ろはあまりポジションを崩さずにじっくり攻める場面が目立ちました。

先制点は3バックの左に入った板倉の持ち出しなのですが、ゴールの後はそういった場面はほぼない、というか監督の指示もあって自重していましたね。

両WBへのパス、もしくは前線3枚への楔をスイッチにして真ん中の選手が動いてギャップをつくるというのが中心。

そして、やっぱりみんな足元は上手いですね。

守備でも、比較的高い位置から前3枚が限定をかけていたので、前の選手の運動量はかなり要求されるゲームだったと思いますが、ボランチやウイングも含めて全体に早いプレスをできていたと言って良いと思います。

一方で個人の競り合いや球際では相手が上回っていた印象でした。もっと単純にガンガン放り込んできたらどうかなと思って見ていました。もっとも日本はそういう選手を多くチョイスしているので仕方ない部分はあるでしょうね。

目立った選手は特にいないのですが、キャプテンマークを付けていた17番の神谷くんは何となくこれから伸びそうな気がしました。

前にこのエントリで書いたことのある井上くんも出てましたね。記憶が曖昧ですが確か彼がスタメンで出だしたのって清水戦の後からだったと思います。相変わらず憎らしいぐらい冷静でした。

個々の選手というよりは、フロンターレベルマーレのスカウトは優秀だなあなんて思いながら見ていました。

 

というのはまあアリバイ的な前置きで、まあ目的は我らが立田くんです。

相手がボールを持つ時間が少なかったので、彼のこの試合での役割は8割がビルドアップでした。

(まさにサンフレッチェでいう千葉の役割でした。)

若干遠慮がちに見えた気もしますが、よく言えば丁寧にプレイしていて、トラップもパスも安定していて、ミスも2〜3本程度だったと思います。足元はやはりあるなという印象でした。

課題を挙げるとしたら…守備機会が少ないので相手にもっと攻めてもらいたい。

というのは措いておいて、彼は素人目からすると、身長が高い分あまりジャンプしなくてもヘッドで勝ってしまうだろうと思うのですが、もっと飛び方を工夫すれば楽に勝てるような気がしました。

この試合では相手のFWが流れるシーン、もしくは(フォーメーション上どうしてもそうなるのですが)3バックの左右2枚が相手とヘッドで競って立田はカバーを意識して動くという場面が多かったので、本音としてはもっとバチバチやり合う場面も見たかったですね。

 

我らがエスパルスは犬飼が移籍したためCBのスタメンが誰になるかという問題があるのですが、現時点でどうかというと、二見の扱いがわからないのですがソッコが1番手、角田とフレイレが2番手でその次になると思います。

J1でスタメンを張るとなると、相手のプレースピードへの予測が第一の課題、押し合い的な当たりの強さが第二の課題になるかと思います。

ただ、期待値込みで使うことはありだと思います。メンタルや育成を現実的に考えるとまずはカップ戦で使っていくというところでしょうね。慣れが一番重要な要素だと思うので期待しています。

 

去年補強について書いてからもう1年ですか…。

昨シーズンも、スタ観戦やブログ更新はあまりできていないのですが、遠い地から全試合映像で見ながら応援していました。

残留できて、本当に良かったと思います。

自分はもう少し余裕をもって残留を決めるイメージを持っていたのですが、一番感じたのは「例年よりも弱いチームが少ない」ということでした。

経済的に厳しいチームであってもフロントの経験値が高くて補強が的確だったり、全体的に外国人の活用がうまかったり、逆にフロントはそこまでであっても資金が潤沢でタレントが揃っていたり。

J1にいるだけあって、どのチームも強みを持っていて、また弱みが少ない。

Jができて25年ぐらい経つのでしょうか。やはりどのチームも経験を蓄積しているということと、予算規模がDAZNによって大きくなっていることを実感して見ていました。

このトレンドは今年も続くと思います。

エスパルスもクラブとしては徐々にではありますが正しい方向に進んでいると思います。私は今の左伴さんを基本的に支持していて、また新GMに久米さんを呼んだのもいい傾向だと思います。ただ他クラブも戦っているので、今年も厳しい戦いを予想せざるを得ません。

(サポは叱咤と激励が務めで、両方あっていいと思うんですが、叱咤をする時には何に基づいて叱咤をするか、その判断基準がどういったものかが重要で、サポもJの流れやクラブのやっていることにしっかりついていかないといけないと思います。)

 

さて今年の補強について言えば、概ね理解はできるのですが、犬飼を抜かれたのはやはり痛いですね。自分はS極などは読んでいないので詳細は分かりませんが、強化部はおそらく残せると思っていたのではないでしょうか。

 

そのほか、楠神が話題になっていますが、村田や清水とタイプが重なる(おそらく引いて守りつつカウンターする時の槍要員が必要だと思ったんでしょう)気がするので、個人的には「キープできてチームを落ちつけられるパサー」が欲しいです。。。枝村が抜ける前提で考えると一番の補強ポイントは個人的に右SHだと思っていたので、ここが若干不安です。(逆にボランチは現戦力を考えるとこれ以上取るのは現実的ではないでしょうね。)

ただ、それ以上に思うのは、その役割をやれるのはまさに白崎で、彼にもっとやってほしいということです。

彼の技術や体の強さを考えると、守備に走ったりゴール前でシュートを打つこともできると思うのですが、チームが苦しい時にキープしたりいなしたりして周りを落ち着けることができると思います。

去年はチーム戦術もあって、よく言えば周りに合わせる、悪く言えばトライが減るという印象があったのですが、周りに合わせつつトライをできるようなプレイを期待しています。

(加えていうと、個人的に、彼に10番をやったのは少し早かったと思います。自分も彼には10番級の期待をしています。一方で若い選手にチームのために動くというプレッシャーをかけすぎている感もあります。)

 

また、今シーズンは鍵となるのが増田と兵働だと思っています。彼らは戦力としてピッチ内外で働いてもらわないと、好結果は期待できないと思っています。

 

苦しいシーズンだと思いますが、やっぱりシーズン前はワクワクしますね。今年も応援しています!!

第10節 vsG大阪

まず、ジュニアユースの関係者の皆さんおめでとうございます!!

 

さてトップですが、勝てた試合だった、負けなくて良かった、どちらとも言える評価の難しいゲーム。

いずれにしても、難しいコンディションの中両チームが力を出し合って見応えがあり良い試合でした。

 

◼︎前半

両チームとも同じようなフォーメーションで、前後半通じてミラーに近い戦いだったと思います。(ガンバはトップのうち前半アデミウソン、後半倉田は下り目でゲームメイクする役割を担っていましたが。)

どちらかというと前半は6-4で清水のゲームだったと思います。

その理由として、ポゼッションはおそらく相手の方が上だったと思いますが、清水は守備のポジショニングがいいのと狭いところでのパス交換が機能(竹内も目立ちました)していて、一方ガンバはボランチの倉田井手口が前に運べず、特に倉田にミスが目立ち、また藤本が(後半交代間際長沢へのいいパスはありましたが)効いていない展開で、清水としては持たれるもののそれほど大きな破綻はしないという感じでした。藤本と堂安はポジションを変えたりしていましたが、そこまでいい形でボールが渡るシーンが少なく、あまり効果的ではなかったと思います。まとめるとガンバはボランチからその前へのつなぎがスムーズに行っていなかったと思います。

早い時間に堂安がSB裏のスペースにダイレクトで出して藤春がクロスというシーンなどもありましたが、ピンチはカウンターやセットプレイなどのイレギュラーなプレイが多かったと思います。

 

◼︎後半

清水が先制したことでガンバが選手交代で手を打ってきました。

藤本に代えて泉澤、といっても彼の持ち味である仕掛けるプレイはほとんどなかったんですが、倉田をアデミウソンの位置に上げて遠藤がボランチに入ったことで、遠藤、井手口、堂安、倉田の技術とコンビネーションが生き、押し込まれる時間帯が増えました。全体が疲れていたので下で繋げずに、相手ターンが続くというのは反省点だったと思います。

もっとも、試合展開的には、先制した後追いつかれたことで正直負けを覚悟したものの、最後までよく粘ったという試合だったと思います。

 

ガンバは(特に攻撃では)戦術的な狙いを押し出してくるというよりも、個の技術が周りの選手と呼応してコンビネーションになるとそれがストロングという感じでしたね。

終盤のガンバのパス回しは見事で、特別なことはしていないのですが、ボールホルダーが落ち着いてボールを持ち、また回す時に遠藤井手口堂安は皆タイミングを1拍でも2拍でもなく1.5拍ずつ持っているというか、絶妙なタイミングで近くの空いた味方に確実に繋いでいくというようなプレイが見られました。みんなミスをしないので周りも安心して動けるというのもあります。

倉田が前に移ったことでゴールが生まれましたが、試合の内容からすると遠藤がボランチの位置に入ったことが一番大きかったのかなと思います。というか、前半の展開を見ていて(ガンバが持てる、暑い、ビルドアップがうまくいかない)、絶対遠藤を入れてくるだろうなと思いました。最近出ていなかったのでどうかなと思いましたが、プレイを見る限りではさすがでしたね。

非常に暑い中でのゲームだったので、(もちろん相手はACLがあるのでそれ以上にタフなコンディションではあるのですが)特に後半回されたエスパルスとしてはタフなゲームでした。そういう意味では、プレイが切れた時に間をとって進める狙いが見えたのはいい傾向だったと思います。

 

◼︎選手について

・チアゴ・アウベス

攻撃は以前書いた通り確かなものを持っていて、この日もゴールを決めてくれました。

守備に注目してみていたのですが、思っていた以上に賢いなという印象です。

あまり前からむやみに食いつかず、テセとの関係でCBとボランチの間のパスコースを消しながらスライドをしていたのですが、ポジショニングが大きくずれないので、特に前半は相手もやりづらそうにしていました。

テセは守備で苦労したというコメントをしていましたが、おそらくいつも金子がやるスイッチを入れる動きや、チアゴへのコーチング(指示しないと動かない…とテセは思っている)などから負担感を感じたんだと思います。ただ、チームとしての守備は破綻していないように思いました。

去年FWが交互にスライドしてボランチを見るというやり方がハマるまでかなり時間がかかったので、それに比べれば期待できます。

あと、ポジション的な噛み合わせもあると思うのですが、アシストした白崎とのホットラインは今後も期待ですね。お互いに意識できているように思います。今後はテセともよりコンビネーションを高めてほしいですね。(1本テセからのスルーパスからシュートというシーンはありました。)

・竹内

竹内の良さは「モビリティ」「判断の速さ」「リズムを変えられるプレイ」だと思っています。

彼はボールを受けることを怖がらず、六平や野津田以上に攻撃時によく動いて周りの選手が出しやすい位置にポジションを取ってくれます。また、ダイレクトで前に出すプレイやスルーパスなどが早くて前向きです。これは崩すというだけでなく、相手からすると後ろ向きの守備になりやすく、こちらからすると引っかかってもこぼれたボールを回収しやすいというメリットがあると思います。

途中交代はおそらく規定路線だったと思いますが、この試合ゲームにうまく入れなかった野津田と比べてサポートの良さや判断の速さという武器を見せられたのではないかと思います。

なお、失点シーンでは足を滑らせていましたが、白崎も決定機で滑らせていました。相手もよく滑っていましたが、決定的なシーンでこちらにそれが出たのは残念でした。

もっともこの日の失点シーンは竹内だけのせいではありませんが、むしろ彼はルヴァンでセットプレイで外されているので、そのへんで存在感を見せられるかが課題でしょう。

・六平

竹内に触発されてか、テンポを落とさずに素早く前に出すシーンが多かったように思いました。(強い相手とやると良さが出やすい気がするのは気のせいか。)

なお、彼のせいではありませんが、相手に遠藤、こちらに村田が入ってからは、村田が空けたスペースのカバーに追われたのがやや残念。

・鎌田、松原

2人ともとても良かったと思います。相手のSBもスタミナ、スピード、クロスの質とJではレベルがかなり高い方だと思いますが、今日は勝っていたと言えるんではないでしょうか。特に鎌田は攻守にとても効いていたと思います。松原も前節の反省を生かしディフェンスでも集中していました。

・二見

ルヴァン仙台戦で守備が崩壊気味だったのでとても心配してみていましたが、前への強さ、細かなラインコントロール(上げられるときには上げる)は見せたと思います。監督が期待したのもおそらくそういった部分だと思います。また、失点シーンで防げなかったのは残念ですが(もっともあのシーンは難しいところを通されたので彼の責任だけではないと思います)、角田と比べた時にアデミウソン(倉田)対策という面が確実にあったと思います。

・小林監督

前節の敗戦で、チームに緊張感が足りないというのは感じたところではないかと思います。競争がないと緊張感は薄れてしまいやすいものなので、思い切ってメンバーを変えたのにはコンディションや相手もありますがそういった狙いも若干あったと推測します。

 

◼︎ガンバについて

見ていて目立ったのは堂安、遠藤、東口、井手口、三浦です。

堂安は前の選手の割にはミスも少なく、また堅実なプレイもリズムを変えるプレイもできて遠藤ともリズムを合わせられる、とてもいい選手だと思いました。ガンバではトップを任されることが多いようですが、今日のプレイでも存在感を見せていて、これで前で出るとゴールも取れるというのは驚きです。今日は比較的地味な役回りでしたが、得点シーンの起点としても効いていて、対戦相手としてはさっさと海外に行ってくれと思う選手でした。

遠藤はとにかくミスが少なく難しいパスも簡単に通しているので難しそうに見えない。余裕があって短いパスも長いパスも正確。受け手にあまりスペースがなくても、パスコースが狭くても、普通に通してくる。また常に狙いを持ってパスを出す。既に名声を得ている選手なのであまりそれに乗っかりたくはないんですが、実際に見ていてもさすがです。年齢やスタミナや守備面が言われているようですが、技術の高さは別格で、こういう使われ方が今後も続くんだろうなと感じました。

東口は、チアゴの至近距離からのシュートをファインセーブしたのと、キャッチしてからのキックやロングスローでカウンターの起点となるプレイが素晴らしかったです。

井手口は、若干ミスもありつつも、後半は遠藤の助けを得て輝いていました。守備では球際が強く、技術もスタミナもあるいい選手でした。

三浦は、ファビオのお供のように思っていましたが、実際に見るとむしろ彼の方がプレイ面でイニシアチブを取っていたと思います。ファビオはヘッドは強く守備能力は高いのですが、ビルドアップやフィードでは完全に三浦の方が質が高かったです。また、エスパルスにいた頃に比べてダーティーなプレイを覚えたなという感想を持ちました。テセはだいぶ苦労していたと思います。

(この試合、ジャッジは仙台戦2試合に比べて安定していると思いましたが、一点だけ。ガンバの最終ラインはテセがポストする時かなり手を使って抑えるようなプレイを多用してきていて、エスパルスを応援する立場としてはもうちょっと見てほしかったなという気持ちはあります。)

【追記】テセが三浦に投げ飛ばされたシーン、流していればチアゴとGKの1対1でしたね…流してくれよ…。

 

なお倉田については、上で述べたようにボランチとしてはミスが多く良くなかったと思います。といっても味方との関係もあるんでしょうが。逆にトップ(といいつつトップ下ぎみに下がってゲームメイク)に入ってからは、逆に彼の良さがとても出たと思います。本来早くてうまくてゴールへの意識を持った非常に怖い選手だと思います。ガンバとしては、遠藤の守備面が不安&スタミナが持たない→今野井手口のボランチ→今野いない→倉田ボランチというやむを得ない策だと思いますので、今野が戻ってきてからが本当のガンバだと思った方が良いのでしょう。

 

◼︎まとめ

3ポイントを得たわけではなく、順位の上ではまだまだ厳しい状況には変わりありません。前節の教訓を生かせたのは間違いなく、清水の選手は個々の持てる力を出し切った上でチームとしても戦えていたのが素晴らしかったのですが、今後もJは際どい戦いが続きます。竹内やチアゴ・アウベスに加え、怪我からそろそろ完全復帰できるであろう北川も戦力にしつつ、うまく行かないところもうまく修正しながら、なんとか早くホームでの勝利を見せてほしいと願っています。

第9節 vsベガルタ仙台

 

◼︎ルヴァンおさらい

ルヴァンでの仙台はショートパスをあまり使わずに対角線のミドル〜ロングパスで3バックから一度前のトップか2シャドーに楔を入れて、サイドのウィングや2シャドーに渡して勝負、というサッカーでした。

清水は最初引きすぎて前のプレスがかからなかったりセカンドを取れなかったりでプレスが後手後手になり苦戦しましたが、全体を少しずつ押し上げてボランチが相手ボランチを見られるぐらいの距離感にすることで相手のビルドアップを制限できるようになり自分たちのペースを掴んだように見えました。(解説が指摘していた通り、村田が前からプレスに行ってスペースを不用意に空けたり、マークの受け渡しをスムーズにできなかったりというのも目立ちましたね。)

ただ、フレイレのまさかの退場で数的不利になった後は自分たちの時間を作れないまま疲弊させられた、という試合でした。後半は三田が水を得た魚のようにどんどん前に飛び出してプレイしていたのが印象的でした。

(個人的にフレイレはめちゃくちゃ好きな選手です。プレイを見ているとまあ使われない理由はわからなくはないので小林監督のスタメンは支持しているんですが、人柄的には一番好きなのはフレイレ。いい人そうだし、リーダーシップも感じる。ヘッドも強いし両足の精度もある。細かい動きは苦手そうだけど。

退場で歩いてくるときもずーっと何度も首を横に振っていてとてもとても残念そうでした。試合前の練習から気合入ってたし、試合中もコンビを組んだ立田にも何度も声をかけていたし、この試合で使われることの意味を痛いほどわかっていたのが見ていて伝わったので…でもいつか這い上がってきてくれると信じてます!大好きなんで!)

 

◼︎前半

清水はルヴァンに比べるとボール回しがスムーズで、特に前半の前半は自分たちの狙い通りにボールを回せました。

その狙いを説明すると、仙台はクリスランと石原・リャンがV字を描くように守備のポジショニングをしていたのですが、石原とリャンはサイドのケアも視野に入れて少し開き気味にポジションすることが多かったです。そこで清水の両ボランチがクリスランと石原、クリスランとリャンの間にポジションを取ってボールを受けます。そうすると仙台の両ボランチはボールホルダーを抑えるために前に出てくるので、最終ラインの前のスペースが空きます。そこでボランチから斜め前に出して、白崎や金子が受けて、相手が寄せてきたらフリーのサイドに出してクロス、というのが前半の清水の狙いでした。(前半野津田が相手シャドーの近くにいるシーンで、小林監督が中に入れとお怒りでしたので、たぶん間違いないかと。)

なお仙台は途中でリャンと石原のポジションを入れ替えていました。この狙いが何かは良くわかりません。攻撃で気分転換だったのか、またはどちらかというとリャンの方が守備時に低いところまで戻るので、鎌田をフリーにさせないために守備の手当てをした、という可能性もありますが、後半開始からは戻っていたので一時的なものだったのでしょう。

仙台としては、清水がここまでボランチ→SHを経由するというのは予想外だったようで(確かにここ数試合清水はあまり持てていなかったのでロングボールを多用しており、その印象が強かったのかもしれません)、仙台の守備の狙いとしては清水がテセに一旦当ててくると予想して、そこに入った時にファウル気味であってもすぐに潰すのを徹底する、というものだったと思います。また、石原リャンもどちらかというと鎌田松原からのビルドアップを警戒するようなポジショニングだったと思います。ただし清水はそういうプレイチョイス(SBから同サイドを崩す)がいつもより少なかったので、仙台としてはなかなかペースを掴めなかったんだと思います。

仙台の攻撃については、ルヴァンのときに比べると楔のボールが少なかった印象です。ただし片方に寄せて逆サイドに張ったフリーの選手を使うというのは同じ狙いでした。

前半はつなぎが雑であまりチャンスにはなりませんでしたが、富田なんかは持ってから逆を見て出すまでが早く、裏を返せば多少精度が落ちても攻めのスピードを重視するというのが印象的でした。

清水はクロスを何本も入れましたが、あと少し低かったら…あと少しズレてたら…というシーンが何度も見られ、自分たちの狙い通りに崩す直前までは行っているものの微妙なところで合わないという感じでした。この試合、結果を知って録画を見たのですが、前半を見た限り大敗する試合とはとても信じられませんでした。

 

◼︎後半

角田の微妙なプレイでPKを取られて厳しくなりました。このへんは正直運もないという感じですね。(まあファウルではあるんですが…そして予測やポジショニングが悪い…でもクリスランハイキックして頭にぶつかったのにカード出なかったよね…フレイレは同じプレイでイエロー退場だったのに…前半枝村がボールにスライディングして触ったのにこっちがファウル取られるし…(以下自粛))

ただし、仙台は後半守備の仕方を変えてきました。特に先制してから顕著だったのですが、2シャドーがサイドに開くのではなく、ボランチの両脇のスペースをケアする(中央を締める)ような形で、言って見ればよりはっきりと5−4の2ラインを敷くような守備に見えました。

前半は白崎がボランチ横で受けてサイドに散らすという展開が多かったのですが、そういったプレイが減りました。

清水としては、相手がリトリートするとボランチは横や後ろをあまり見なくて良くなったので時間をもらえたのですが、前にスペースがなく、白崎や枝村が効果的に受けることが難しくなりました。裏に出してテセや枝村が抜けかけるプレイもありましたが決まらず。

駆け引きとしては、スペースをもらったボランチがもう少しドリブルで相手を釣り出すとか、ミドルを打つとかして相手の陣形を崩したかったですが、きっと詰められるとパスをするんだろうというのが読めてしまうのが残念でした。また、選手交代をして攻めにかかったときに、サイドは相手2人が来ていて中が若干空いているので、ドリブル→クロス一辺倒ではなく、誰かがうまくフォローして一度コンビネーションで中(ペナルティの角辺り)を使うとかできればよかったんですけどね。チアゴと村田の役割が重なっていたので、どちらかが枝村か金子だったら…。結局中央を固めて守る仙台を崩せず終了となりました。

総じていうと、仙台の守備の変更にうまく対抗できませんでしたね。相手の狙いを読み取って、リスクを最小化した上で相手の逆を取るという視点はあまり見られませんでしたね。

 

また、失点シーンはどれも人数はいるものの予測が悪かったりミスが重なったりで、正直角田犬飼松原のプレイが単純に酷かったのでしっかり猛省して欲しいですね。確かに残念なPKの取られ方ではありましたが、1点取られたところで相手の動きが良くなるのに反比例して、清水の選手の集中(切り替え)が悪くなったのはとても残念です。特に3失点目はありえないです。

清水がチャンスを作った直後のシーンで集中を欠いて失点という傾向もあったように思います。

 

監督はやるべきことをやっていないとお怒りでしたが、それは細かいポジショニングもそうですが、前半終盤から先制していないのに選手の表情が緩かったり、ディフェンスの集中が足りなかったりというところかと思います。

こういった試合が現在降格圏の相手でなかったのが唯一の救いかもしれません。

 

◼︎金子について

彼は、最近ディフェンスのスプリントが減ったのではという意見もあるようですが、個人的にはそこはあまり問題ではないと思っています。金子を使う一番のメリットとしては、「守備のスイッチが入る」ということだと思っています。前から行けるときは片方を消してもう片方に追い込むことで、テセはもちろんSHや野津田が連動して前から追って相手のロストを誘発することができます。その状況判断がいいので、一人だけで追って周りがついてこず、相手に回されて結局無駄走り、というシーンがFWにしては比較的少ないです。

(余談ながら、野津田の走行距離が長いのは、六平は比較的CBの前に留まってスペースを消していることが多い一方、野津田はその横でリトリートすることも、スイッチが入ったとき前から追って相手のボランチ片方を消すことも両方やることが多いからだと思います。仙台戦の場合、ルヴァンの最初がそうだったように、両ボランチがずっと引いているとこっちの前2枚が追っても相手の後ろ3枚とボランチ2人が比較的余裕を持ってゲームメイクできる(相手ボランチに制限がかからない)ため、相手ターンが続きやすいというデメリットがあります。ボランチが前に出せないという批判を目にしますが、この試合に限っては、ボランチは前にボールをよく供給していましたので、それは当たらないと思います。もう少し強引にゴリゴリ仕掛けてほしい、シュートを打ってほしい、2列目から飛び出して前に飛び込んでほしいというなら分かりますが。(もっともゴ◯ビ監督やネルシーニョ監督などボランチが最前線に行くのを嫌う/ように見える監督もいますけど。)この試合ではそれよりもCBのお粗末プレイや何度も合わなかったクロスの質、抜け出したときの前線のプレイの質の方を問題にすべきだと思います。)

もちろん、リトリートするときはテセとの関係で一枚がパスコースを切ってもう一枚がボランチを捕まえます。

また、この試合は地上戦を多くやっていたので、金子は相手ボランチが出たスペースを使って受けてサイドに散らすという効果的な動きをやっていました。

一方、清水はサイドからクロスを上げるシーンが多いため、金子の身長の低さはどうしてもデメリットになります。

さらに、相手がスペースを消して密集したときなんかは、間で受けようとしても体を当てられてロストというシーンも目立ちます。

ということでメリットデメリットがどちらもあるんですが、総合的に見ると自分としてはスタメンで使われる理由はわかりますね。(余談ですが柏の中川って金子に似てますよね…。小さいし守備で走るし気が利いてるしよく叩かれるし…。)

アゴやデュークという手もありますが、デュークはこの夏に移籍するんではという気持ちが自分としては拭えないところがあります。案としてはチアゴをトップで使って金子の位置に置くというのもあるかもしれませんね。その場合、チアゴと枝村はポジションチェンジしても持ち味を生かし合える気もします。

 

◼︎まとめ

前にも書きましたが、最近は「したたかさ」というのがキーワードだと思っています。仙台戦は持ったことで若干勘違いをしてしまった感がありました。もう一度自分たちの立ち位置を見つめ直して、謙虚に戦ってほしいと思います。また、特に2失点してからは明らかに気落ちしたのもいただけません。気持ちの準備と予測がしっかりしていれば負けるような戦いではなかったと思います。次の相手は強いですが、バラバラにならず、気持ちを切らさずに、もう一度勝利に向けて一丸となってほしいと思います。

第8節 vs川崎フロンターレ

◼︎フロンターレの攻め

この試合の基調は、フロンターレの攻め方にあったと思います。

フロンターレのビルドアップは、ボランチが一枚落ちて清水の2トップに対して数的有利を作って回すというもの。これ自体はそれほど珍しいやり方ではありません。ただ、狙い所が前後半で違っていました。

前半はサイドにフリーになっている選手をあまり使わずに、執拗に中の楔を通すという狙いでした。清水側からすると、いい奪い方をするとカウンターになるやり方で、実際何回か効果的なカウンターを繰り出していました。

逆に後半は早めにサイドに展開しつつ、サイドチェンジも使いながら清水を動かすという戦い方を強調してきました。それによって中を使うプレイもより効果的になり、清水側からするとプレスの焦点が定まらず、押し込まれるため押し返せないという状況が生まれました。

前半のエドゥアルドネットと後半の森谷は、キャラクターの違いこそありましたが、エドゥアルドネットもパスの質の高さは見せていました。どちらかというと攻め方の違いが清水にとって大きかったと思います。

 

もちろん川崎のパス回しはさすがでした。川崎の凄さとしては

・パススピードの速さ

・トラップの正確さ

に加えて、

・楔を出す時に、受け手からのダイレクトのリターンをもらえるポジションにサポートの選手や出し手の選手が入ってリターンをもらえるよう構えている

というところです。

動きながら出して、また動きながらもらえるように準備している、というところに熟練度というか差を感じました。

また、清水は去年もいい攻撃はしていたもののプレイスピードやパススピードがややゆっくりだと感じるきらいがあって、川崎はハイテンポなプレイをできるので清水の選手が守勢に回った時に考える時間を与えてもらえなかった感もありますね。

 

清水はいつも通りというかいつも以上に中央を締めていたので、サイドを起点にされることで特に後半白崎と枝村のところでのプレスが定まらなくなって苦戦した印象です。

 

◼︎清水の攻め

清水の選手はこの試合なかなかリズムが出ませんでしたが、全体的に縦に速い展開が目立ちました。

と言えば聞こえはいいのですが、一か八かの難しいプレイチョイスが多くて、判断がどうかなと思って見ていました。

川崎はボールホルダーが常に80%のテンションで、パスを出してからも周りを窺いプレイに関与し続けるという感じでしたが、清水は120%のプレイが続いて頭が冷静に回っていないように思いました。

後半は特に疲れもあったと思います。

 

回すのに苦労した大きな要因として、川崎の攻撃から守備への切り替えが早かったことが挙げられます。

特に目立ったのは大塚三好あたりのプレスです。この二人は攻撃でも効いていて、どちらも途中交代しましたが、目一杯動いて自分の役割を果たしたと思います。

それによって、プレス自体ももちろん早かったんですが、清水の側からすると精神的なプレッシャーを必要以上に感じたのではないかと思います。

引き気味の試合だったのでどうしてもボランチの守備のことが言われる展開かと思いますが、個人的に言っておきたい点として、この日の野津田は悪くなかったと思っています。守備で破綻するシーンも少なかったですし、少ないオンザボールでも効果的に散らしていたと思います。

 

気になったのは2点。

まず犬飼がボールを持った時に、自分の目線の逆方向を意識できていなくて、前で詰まってしまうというのが目立ちました。

また、お互いに密集したところに選手が固まっていたこともあり、攻撃時にSBやCHが横のボランチに一旦はたいて、逆サイドに展開することで、スムーズにボールを回すことができるのに、同サイドに固執してロストするというシーンが多いのも気になりました。(これは前から若干気になっていました。もちろん去年からの戦い方もあり、同サイドを徹底して突くことのメリットもあるのですが、この試合ではやや悪手だったと思います。)

 

ボランチの受けるポジショニングの問題もあるのかもしれません(これも前から感じていましたが、清水の選手は、フロンターレの選手がみなもらうのを怖がらないのとは対照的なものが見え隠れ…)が、それ以上に自分には鎌田松原や白崎のキャラクターや相手のプレスの影響に見えました。また、つなぎ方についてもっと意見を言ったり、流れが悪い時にファウルで止めるとかいったん流れを切るとか、ピッチの中でリーダーシップを発揮したりする選手が(できればボランチで)もう少しいてもいいかなとは感じます。

 

また、若干ボールが足についていないという感じもあったのかもしれません。

 

◼︎清水の1点目

相手が中央で回しているので、清水も中央を締めていれば必然的にインターセプトが狙えるというシーンだったと思います。鎌田は勇敢なプレイだったと思います。

◼︎川崎の1点目

サイドで起点を作るというフロンターレの後半の修正が上手く実ったシーンだったと思います。ただシュート自体が素晴らしかったのも事実かと思います。

◼︎川崎の2点目

清水は1失点の後攻めかえす姿勢を見せたんですが、このシーンでは小林に鎌田がつり出され、そのスペースを上手く突いた憲剛のさすがのシュートでした。清水はそのエラーに対処できませんでしたね。角田は別の選手のマークでつり出されていて、六平と野津田もスペースを上手く埋められませんでした。とはいえダイレクトで決して簡単なシュートではなかったと思います。

◼︎清水の2点目

上でフロンターレのプレスが速く、清水の出しどころがないということを書きました。しかし、フロンターレは攻撃時後ろを3枚にしてSBを高く上げるというスタイルでしたので、SBの裏のスペースは清水にとって本来狙い所なはずです。

このシーンではフロンターレが攻め続けていたわけではないのでそのものズバリではないのですが、村田が低い位置で持った時に相手SBが高い位置で村田を見ていて、その裏のスペースが空いています。チアゴがそのスペースに流れて白崎からのスルーパスを受けたというのがポイントだったと思います。また、上述の点に関連して言えば、村田が無理に縦につっかけないで一旦中央に預けてアングルを変えたというのもまたポイントだったと思います。なお村田はその後中に入ってチアゴのスペースを空けています。

また、川崎の監督が嘆いていましたが、奈良がロスタイムにボールをつながずに簡単に蹴ってくれたのも清水からすると助かりましたね。

 

アゴについては、ルヴァンで見た時からテクニックやシュート力には疑いの余地はないと思っています。ただし自分のスピードを活かすためトラップを大きく出す癖があるのは日本のサッカーでは良いのか悪いのかといった感じですね。助っ人は早い時期に結果を残すことで波に乗ると思うので今後に期待したいです。

 

◼︎最後に

フロンターレが後半にやったような幅をとった普通の戦い方をしたときに、清水がどう対処するか、今のままではやられる確率の方が高いと思うので、ホームでの試合は見ものですね。

また、チアゴやデュークをどう使っていくのかも楽しみです。

なお、これまでも何回か言っているように、個人的には小林監督は長谷川監督以来の実力者だと思っています。選手への接し方や戦術、試合の見方(コメント)など、とても納得できます。監督の仕事はシーズン通しての勝利の確率を最大化することであって、目先の試合でたまたま勝つとしても、積み重ねがなくそのやり方が毎試合いつも同じままでは次第に下降していく、よって試合を重ねるごとにその確率を上げていく、チーム全体が上がっていく、というのが必要だと思います。小林監督は色々なディティールからそのあたりを非常に考えている節があるので、今後にも期待しています。(大きなケガ人を出さないという運要素も大きいですが…)

今季のJ1は大混戦になっていて、簡単に勝てる相手が見当たらず、1試合の結果で順位が大きく変動する状況になっていますが、前エントリでも書いたようにしたたかに戦ってほしいと思います。

 

この試合、相手に相当回されて走らされました。攻撃では体を張ってキープをし、ファウルをもらい、守備では中村をプレスバックしたりCKで何度も跳ね返したり、と獅子奮迅の活躍だったテセは、試合後の整列を終えるとフラフラな状態で何度もピッチに倒れ込んでいました。その姿は心を打つものがありました。長いシーズン、これからもっと苦しい時期を迎えることもあるかもしれませんが、ぜひエスパルスのファン・サポーターの力を結集して最後まで選手を後押ししましょう!!