J2第33節 vs松本山雅
非常に悔しい敗戦です。
なかなか切り替えられないというのが本音ですが、守備力の差が勝敗を分けたゲームのような気がします。
⬛︎全体の流れ
入りは清水の方が良かったと思います。
ただし、石原の切り込んでのシュートぐらいから清水のミスが見え始め、しばらく松本のペースになりました。
終盤は押し込む時間もありましたが、大きなチャンスをあまり作れないまま試合終了となりました。
⬛︎ポイント
◻︎芝
触れずにいられないのは、ピッチの状況です。
「清水は芝が良かったら勝てた」というのを言いたいのではなく、むしろこういうピッチを用意してそれを生かしきった松本のスタッフの力だと思います。(それが意図的だったかは分かりませんが、私にはある程度は意図的だったように見えました。)
◻︎空中戦
①相手は攻撃時前線に簡単にあげてくるプレイも多用していて、清水のディフェンスは苦労していましたが、ただここはある程度やられても粘り強く対応していたと思います。
②今まで預けどころとして機能していたテセへのボールがほとんど効かなかったのは、清水としてはリズムの出ない一因だったと思います。
そういえば、この試合、植草はGKでラインを何度も割っていてイラっとした清水サポは多分多いと思います。なぜそうなったかというと、GKのターゲットとして白崎を狙っていたからです。なぜ狙っていたかというと、テセに上げれば飯田に弾き返されてカウンターのピンチになるリスクがあるからでしょう。
なお、相手は高崎が空いていなければGKなどでは六平のところに上げるのを一つの狙いにしていたように見えました。というより、山本が競り合いに勝てるのでそこに上げてこぼれ玉を狙って押し込むというのが正しいかもしれません。
実際、清水のピンチの多くはロングボールのこぼれ玉からでした。
◻︎パウリーニョ
彼自身がボール奪取とミドルを持ち味にしていることは言うまでもありませんが、彼個人というより松本は彼が入ってより戦い方がはっきりしてきた印象があります。前に対戦した時との違いはここではないでしょうか。
今シーズン始めの松本は「つなぐ」ということをテーマにしていたと思うのですが、この試合では割り切った戦い方を選択してきました。対清水というのもあると思いますが、彼が入ったことで松本の戦い方が以前の松本に近くなったような気もします。
パウリーニョといえば、千葉が前半戦好調だったシーズンのレギュラーでした。ざっくり言うと、当時の千葉は次第に相手に分析されパウリーニョを越すロングボールを多用されるようになり、調子を落とした記憶があります。松本は最終ラインもヘッドが強いので、パウリーニョもフィットしやすいんだと思います。
◻︎セットプレイ
松本のセットプレイは流石でした。競った後のプレイがよくデザインされていて、失点のシーン以外も落とした後に動きながら受けられるようにポジショニングや狙い所が工夫されていました。
⬛︎エスパルスの攻撃
まず、エスパルス目線で言うとパス・クロスの質がいまひとつでした。ここで差を見せられないと勝つのは難しいと思います。合っていれば1点というところで(惜しいシーンもありましたが)質の悪さが目立ちました。
前半は相手が前からプレスに来る展開が多く、そこでいったんいなして前に来た相手ボランチのスペースを使うということができませんでした。
また、相手がリトリートした時はマッチアップ的に特に六平が空いていたのですが、個人が悪いというより周りの選手とうまく連動できず有効なパス回しになかなかなりませんでした。
個人としては、河井、テセあたりはかなり厳しくチェックに来ていた印象です。加えて、意外だったのは松原を結構厳しくチェックしてきたことです。
山形戦、水戸戦と、相手は前からプレスに来るという戦いをして、清水としては同様に苦戦しました。この2試合でも、結果的には勝てましたが後ろのビルドアップは課題があるように思いました。
1つ目は、自分たちのやり方に対する自信。今季の試合を見る限り、やはりまだ絶対的な自信を持てていないような、怖がっているような印象があります。前半バイタルを使えず、後半そこを使えるようになってからチャンスが増えるという展開。(もっともこの試合は相手の2ボランチがバイタルへのコースをよく切っていたことは評価していいと思います。)
相手のスタミナという要素もあると思いますが、もっと自信を持って回してもいいと思います。
それに付随して、もらう動きを繰り返すこと。リズムが悪い時は大体「どうせ大きく蹴るだろう」という感じでボールを持っていない選手のポジショニング、運動量が足りない印象があります。また選手が前線で渋滞すると感じるところもありました。
2つ目は、預けどころ。テセが厳しく来られた時に、安心して預けられ時間を作れる2つ目のポイントがなかったように思います。ここはブログ当初にも書きましたがボランチの補強、または元紀のコンディションの向上が重要なのではないかと思います。
(預けどころとしては相手を身体で抑えて時間を作れるプレイヤーが一番早いんですが、今までエスパルスの預けどころは実は枝村で、彼は体の強さでなくポジショニングの質と運動量でパスコースを作ってパスをもらう、というある意味替えが効きにくいプレイヤーだと思います。)
ボランチについては、角田や本田という声もありますが、個人的には今のメンバーなら河井竹内の組み合わせが一番だと感じています。鎌田が以前のようなコンディションに戻るなら六平のボランチとしての成長を期待したいところでもあります。
枝村のことを書いたので、最後に北川について。枝村とは持ち味が違うので、彼自身の特徴を見せようと頑張っていたと思います。よくないプレイもありましたが、彼のポテンシャルには期待しているので、1つだけ苦言。後半途中で動きが落ちたのが目立ったので、ゲーム体力の部分をもっと上げてほしいと思います。
⬛︎終盤に向けて
個人的には、松本戦で相手に合わせて今までのやり方を変えるより、正攻法で崩すことを狙うべきだったと今でも思っているので、小林監督のやり方を批判する気にはなりません。
これまでもレンタル組の試合や個人的に興味がある試合などJ2の試合を結構見ていたこともあって、正直開幕前はJ2でも苦戦するだろうと思っていたので、私は清水の順位は6位ぐらいだろうと予想していました。実際そういう声もそれなりにあったと思います。(もちろん、自動昇格圏内しか有り得ないという意見や、J2でも中位ぐらいだろうという意見もありましたし、それらは理由のないことでもないと思います。)
よって、この敗戦は非常に残念ですが、今季のチーム・スタッフは評価しています。
けが人が多かったマイナスはありましたが、チームのやり方が固まっていき、若手も成長している分、予想以上にやれているというのが感想です。
今のチームがJ1に戻ってやれるかというと、残念ながらまだ不足している部分の方が多いというネガティブな感想を持たざるを得ませんが、かといって後退しているとは決して思いません。
水戸や愛媛、松本をはじめ、J2のチームは守備をサボらずしっかりするチームが多いです。昔と比べても、J2下位のレベルは近年明らかに上がっていると思います。
一方で、守備をしっかりするチームの多くは得点力に課題を持っているようにも思います。ということは上位には善戦しても引き分けが増えて下位に取りこぼし勝ち点を伸ばすのに苦労するということを意味します。
エスパルスのように遅いサッカーでも崩せる方向を目指すのであれば、今回の松本のようなチームに(あるいは苦手なチーム、コンディションの時に)試合単位で苦戦したとしても、年間を通じての戦いで上に立てていないといけません。
多くの選手が口にしていたようにこれまで優位な試合で勝ち点を取りこぼしてきたのは、自分たちに原因があります。(選手だけでなく、当然スタッフやフロント、そしてサポーターにも、と考えるべきでしょう。)
これまでのいろいろな点での甘さを取り返すのにここまで時間がかかっているんですから、その課題を克服するまでは諦められません。
つい長くなってしまいましたが、最後まで、ぜひ前を向いて戦ってほしいと思います。これからも応援し続けたいと思います。
J2第31節 vsモンテディオ山形
山形が前半からかなり飛ばしてきたので、前半から「前半耐えれば勝てるんじゃないか」って思って見てました。
そんな中前半ATに取れた先制点が大きかったと思います。
⬛︎山形のスタメン
11ディエゴ 8林
17鈴木 7松岡 5アルセウ 10伊東
6山田 2田代 3渡辺 4宇佐美
⬛︎前半素晴らしかった山形
一番目立ったのは清水のビルドアップ潰しで、
・前から潰す
・連動して追う、特にサイドから出させない
4-4-2ではもともと鈴木伊東のところの運動量は攻守にかなり要求されると思います。
それに加えてこの試合の山形の特徴的なところは、まず特にディエゴ(と林)がかなり献身的に守備をすることでとても効いていた点。また両ボランチが守備時に高いところまで積極的にプレスに参加するという点でした。
山形のハイプレス。まずこちらのCBが持った時、ディエゴと林がスプリントしてきてボールホルダーにプレスをかけるのですが、その際後方の味方選手(主にSH)に手でプレスの方向を指示します。エスパルスがプレスを避けてサイドバックに預けると、山形サイドハーフがそれを狙ってプレスをかけてきて、その次で取る(こちらのボランチには相手ボランチがスプリントしてきてプレスをかける)という感じでした。
また、横へのスライドやライン間の距離もよく統率されているように感じました。
逆に言うと、清水は後ろから繋ぐとき、サイドバックが持ったら前(SH)か後ろ(CB)だけでなく中のボランチに一旦戻すというプレイがもっと使えれば相手をより早く消耗させられたと思います。前半は相手のプレスが早かったので若干怖かったんだと思うのですが。
また、相手ボランチが前から来た時に、一つ飛ばして空いたボランチ1枚分のバイタルのスペースで早めにSHを使えればもっと楽に攻められたと思います。(まあ言うのは簡単ですが…)
ビルドアップに困った時にバイタルを使う、という時はテセが受けるのがこれまでのやり方でしたが、テセへは両CBが若干ファール気味でも潰すということで徹底していました。
エスパルスが相手の対策によってここまでつなぎで苦労したのは久々だったと思います。
攻撃では、前半序盤は鈴木のキープ力、中盤は林のポストプレイ、そして要所での山田の攻め上がりのタイミングの素晴らしさ。清水の右サイドを押し込む場面が目立ちました。
後ろで繋いで、出すところがなければ林へフィードからのポストプレイ、空いていれば特に六平のあたりの鈴木ディエゴを使って前への勢いを出す、という感じでした。
解説ではアルセウを絶賛していて、確かに効いていたのですが、私としてはディエゴ、鈴木、林、山田あたりが好調の要因だと言いたいところ。
もともと山形は苦戦の一番の原因が前半戦の負傷者続出だと思います。(今もですが…。そしてウチもですが…。)前回昇格の立役者川西もポテンシャルではチーム1〜2を争うと思われる汰木もこのゲームでは不在でしたが、クオリティは示したと思います。そしてメンバーは大分変わっていますが一昨年からの(もっと前から?)山形の前プレは個人的にもとても好きな戦い方です。山形はスタも私にとってはアイスタよりずっと近いのでアウェイではよくお世話になっています。
若干課題として思ったのは、山形は攻めの時の最後のアイディアや精度が今ひとつで、最後で決められないという点でしょうか。まあ植草を褒めるべきなんでしょうけどね。
もっとも、このゲームのような戦いをしていると山形は1列目2列目の選手の疲労が激しいので、はじめに書いた通り先制点が勝負を分けたんだと思います。
⬛︎ペースを握った後半
まず山形は後半スタートでディエゴの位置に大黒を入れて、伊東の位置にディエゴを動かしました。これは怪我だったようですが、もとから山形は前の選手を変えるプランだったと思います。もっとも点を取らなければいけないことで、後半は大黒や高木といった守備より攻撃に持ち味のある選手を投入することになりました。
そして後半は清水ペース。
個人的には、山形の選手交代が勢いを削いだというより、山形の選手の疲労が一番の原因だと思います。それでもディエゴや鈴木、宇佐美は後半も要所でかなり動けていましたが、キープレイヤーだった林は60分過ぎぐらいから明らかに疲れていましたし、両ボランチも前半からこちらのボランチやサイドをカバーするために前まで走ってプレスしていたので大変だったと思います。局面での選手間の距離が明らかに開いてきて、こちらのパスが通りやすくなっていきました。
清水は攻撃時にボランチを使いやすくなり、またバイタルのスペースを使えるようになっていきました。また山形の攻撃時、大黒はフレッシュなのでどんどん動いていましたが、それ以外の選手のオフの動き、最初の一歩が徐々に重くなり、攻撃が遅くなったり単発になったりという傾向になりました。
よってラスト20分ぐらいで普通にやれば勝てるだろうと感じました。シュート数の推移、白崎の試合への関与の度合いがこのゲームの流れをよく表していたと思います。
逆に、先制点が相手に入っていたらどうだったろうか、相手の疲労を突いて逆転できていただろうか、とも考えてしまいますが。
⬛︎備忘録
・白崎のスルーパス連発
・竹内の相手を外す持ち方
・弦太久々の出場→角田ボランチで試す
・松原のクロスの明らかな成長(意図が感じられる)
・枝村フル出場
・セットプレイの守備は相変わらず…
⬛︎大前
この試合では途中からだった元紀ですが、金子のところに入ってスタートからだと守備でどこまで貢献できるかは気になるところですね。味方を使うことも自分で決めることもできるので総合的には間違いなくプラスだと思っていますが。
このゲームではトップ下と表現されていましたが、引いて受けて捌くシーンが目立ちましたね。それでも決定機を作るのはさすがです。FKも練習から決まっていたみたいですし。
また、「外から見て色々感じるところがあった」とのことですが、それをこれからどう表現してくれるかは楽しみです。
⬛︎最後に
ここからが本当の勝負。水戸は前回見せ場なく引き分けた相手。チームは好調ですが、簡単に勝てる試合などありません。テセと元紀のイエロー3枚は気になりますが、植草のセーブ3連発にあやかって3連勝といきましょう!!
J2第30節 vs横浜FC
ようやっと繁忙期脱出。だと思いたい。
⬛︎横浜FC
さて早速スタメン。
39大久保 14イバ
16野村 13野崎
6中里 8佐藤
3田所 5西河 21大﨑 28藤井
18南
基本的にミラーゲーム。
第一のポイントは、横浜の野村と野﨑の守備。特に、白崎枝村が下がって受けるときに激しくチェックするという意識付けが見えました。また、SBにも行けるときは激しく来ていました。
第二のポイントは、イバのポスト。横浜はテクニカルなチームという印象はありませんでしたが、イバの空中戦、ポスト時の体の強さを生かして周りが動き出すという感じでした。みんな詰まりそうになったらまずイバを見てたのではないかと。
永田が入ってからは田所西河大﨑の3バックになりました。永田と藤井を上げたかったんだと思いますが、エスパルスも結構チャンスを作っており良かったかは微妙…。野村が村田を見るためにプレスバックするのがしんどそうだったので、永田に村田を抑えさせるというのもあったんでしょう。
個人としては、佐藤が(ミスもありましたが)クレバーな動きをするなと感じました。後半竹内に渡るところを狙ってメチャスプリントして奪い切ったプレイは敵ながら拍手。
野村野崎も上記の通り効いていて、西河もまずまずのプレイだったのではないでしょうか。逆にエスパルスとしては小野瀬、津田に見せ場を作らせなかったのは良かったですね。
⬛︎清水
基本的にはずっと同じ戦い方をしています。
この試合では、何と言っても六平スタメンが目を引くところ。
色々と論争があるようですが、私見では守備の総合力は六平>竹内>河井だと思っています。全員守備の人ではないですけどね。(河井は、危機察知能力やボールをつつく力は高いのですが、いかんせんフィジカル勝負空中戦で穴を開ける可能性あり。)
この試合のスタメンを見て一番に思ったのは、「コーチ陣はボランチの控えとしてだけでなくSBの控えという要素もあって今まで六平をベンチに置いていたのかな」ということ。(まあ今週までは練習してなかったかもしれませんが。)
前半最初に田所に入れ替わられそうになった以外は良くやっていたと思います。目立ったのは、タイミングを逃さず相手との距離を詰めるという守備。この試合に向けた準備・指導もあるのかもしれませんが、サイドだと中央よりそういう守備が出しやすいんでしょうね。
1シーンポイントをあげると、前半の後半、野崎から裏の大久保に出てハンドが見逃されてピンチになりかけたシーン、ビョンがオフサイドトラップをかけ損ねているんですが、六平が逆サイドからカバーして防いでいます。(まあ六平がライン上げ損なったとも言えますが…)
⬛︎試合のポイント
①清水が最前線でプレッシャーをかけ相手のパスを引っ掛ける
横浜としてはボランチに一回当ててCBが左右を変えたり、隙あらば受けたボランチが前を向いてイバにグラウンダーで当てたり、という展開を続けたかったんでしょうが、前半の中盤あたりから相手のボランチや最終ラインからのパスを引っ掛けるシーンが出てきて、相手にプレッシャーを感じさせることで、相手もボランチを経由しにくくなって簡単にあげるようになり、ロングボールの質を落とすことでこちらが回す時間が長くなっていきました。決定機も作れました。金子を出した意味ですね。
そういえば、前節押し込まれたことを受けて、FW守備しているのか論争があったようですが、個人的に面白いと思っているのはテセの守備です。
というのも、この試合テセはあまり守備していなかったと思います(前節の方がしてました)。
それには2つ理由があると思います。
まず、金子が自分の分まで走ってくれること。
次に、テセは流れを読んでヤバい時に本気で守備すること。
逆に言うとテセはいつでもがむしゃらに守備しようとは思ってなくて、できるだけ攻撃に備えて体力温存するのが基本スタンスなんだと思います。だから自分はテセを見てると選手の体感するヤバい度合いがわかる気がするんです。
北川は前節守備を指摘され、またこの試合でも守備は微妙な感じでしたが、逆に言うとこれまで北川はチームの中でテセのようなポジションだったと思うんです。実際攻撃では効いていますし。ただチームの中ではチームの力を最大化しテセを生かすためにパートナーが守備をすることが求められる(それを迷いなくできるのが金子)ため、まだそういった立ち位置に慣れていないというのが実情ではないでしょうか。テセは流れを読めるのと体が強いので相手へのプレッシャーになるんですよね。
北川は守備をしていないのではなく、一発目のチェイスでスプリントして相手を遅らせるといういいプレイはこの試合でも3回ほどありました。課題は、CBを追ってボランチに通された時、ボールホルダーに切り返された時、もう一回追えるかってことですね。
②相手がスイッチを入れて追ってきたときのいなし/同サイドで回せる
特にSBが持ったとき、相手SHがスイッチ入れて追ってくる→SBボランチSHが動いて受けてを繰り返してかわす、というシーンが数回あったことで、相手のラインが徐々に引いていく結果になりました。
J1の最後の頃のエスパルスは、最終ラインで回しても相手の前でコの字で回しているだけで周りの受ける動きが乏しく、結局最後はロングパスということが多かったです(前監督時代に一度変わりかけましたが、守備が安定しなすぎて結局すぐ方向転換してしまいました)。
今は、逆サイドでSBが浮いていても簡単には使わず、ボランチが同サイドで回し続けるシーンが増えました。ボランチのボール扱いが安定していること、選手が出しても止まらずに動いてパスコースを作るという監督の指導の浸透もあるでしょう。
例として1つ指摘したいのが、前半34分ぐらいの、白崎が浮かせてテセが相手をブロックしつつシュートまで行ったシーン。
このシーンの枝村のオフザボールの動きは面白くて、ボランチの間で相手に自分を意識させつつボケーっと突っ立っていたと思ったら前に出そうになると走ってサイドに流れ、六平とチェンジしながらパス交換し、六平と被りそうになると中央に素早く動き直して六平のスペースを空けつつ相手ボランチとSBの間のスペースを突き、白崎にパス。味方と相手を見ながら、相手のマークにかからず、味方のスペースもあけて、っていうセンスある動きです。白崎の位置取りやその後テセが前からひっかけたことも含めて、今のエスパルスらしさをよく表したシーンだと思います。(プラス六平がボランチ的な動きができるのもポイント)
白崎が逆サイドまでポジションを移動しているのも注目ポイント。最近の試合ではずっとそうですが、前半(というか枝村の燃料が切れるまでの時間帯)のチャンスでは大体枝村が絡んでいます。枝村はオフの時動き回って相手のマークが付きづらい位置をとれるのが大きいです。
暑い中だったので、横浜としては守りどころがなかなか定まらず体力的にも厳しかったと思います。
先制点のシーンも、竹内白崎松原と同サイドで回して押し込んでからの中央河井からの裏へのボールでした。(テセのヘッドも上手かった。)
同サイドで押し込めるとサイドチェンジも効きます。
⬛︎その他目立った点
・空中戦もまずまず頑張った
・シュートブロックがいつになく多い
・以前白崎が疲れていると書きましたが、連戦を終えたあたりから徐々に戻っていると思います(ゴールを決めたから言っているわけではないですよっと)。
逆に前節松原がメチャクチャ疲れていたので心配でした。今節は結果的に足をつりましたが見ている限り大丈夫そうですね。
松原は外国人メンタルと後輩怒られキャラを兼ね備えていると勝手に思っている(失礼)のですが、白崎の「(松原に)いつも厳しい要求をしている甲斐があった」というコメントにほっこり。
・枠内シュート率が高い
・SB松原のクロス→SB六平のシュート
⬛︎最後に
夏場できついと思いますが、こちらが攻守に動くことで相手はそれ以上に疲労するので、サボらずに頑張って欲しいですね。
J2第25節 vsジェフユナイテッド千葉
マジで最近忙しすぎて書けません。(言い訳)
千葉戦もサラっとしか観れてないのですが劇的な試合だったのでつい…。
やっぱりサッカーっていいな。現地に行かれた清水サポのみなさんおめでとうございます。
⬛︎流れ
千葉は前半532、後半は4バックでした。
最近532相手が多いですね。今までもこの試合も相手の532がすごく機能しているという感じはしないのですが…。
下手に攻めず体力を温存して後半勝負なんですかね…。
前半は清水、後半は千葉が主導権を握った試合でした。
落ち着いて考えると、目立ったのは、ミスや切り替えから決まるシーンが多かったことですね。
⬛︎ポイント1
まず、清水のボール回しのクオリティが下がってますね。(前半は回せてましたが。)
その主原因は運動量の低下。ボールホルダーの周りのサポートが減ってスムーズなボール回しができない時間が増えています。
夏場ということと、主力に疲れが溜まっていることが大きいように見えます。
また、全体が動けていない時も上手く切り替えられず動けているときのイメージのままやっている感じもあります。
結果を求められつつ上手く選手をローテーションして戦う必要があり、舵取りは難しい状況ですね。
確かにもともと走れないチームであるとは言われていて思われていたと思うんです。
小林監督のサッカーはうまくボールを回して相手を走らせることができると思うんで夏場向きだと思っていましたが、そこで違いを作る前に相手に流れを押し返されるという展開が目立ちます。
ボムヨンと二見を補強したのは、薄いポジションの補強という点に加え、試合終盤で推進力を出せる選手が欲しいという狙いがあるように思います。
守備の時にも、好調時に比べてSHのところでボールを限定できなくなっていることで全体が押し込まれることが多い気がします。
⬛︎ポイント2
これまでの相手と一番違ったように思うのは、清水の最終ラインへの千葉の駆け引きの圧が強かったという点です。
船山のランニング、町田の判断の早さとパス精度はさすが。
それにより最終ラインが若干落ち着かず、チーム全体が押し込まれたままセカンドを拾われるという展開が気になりました。
⬛︎評価
テセはゴールは当然ながら素晴らしいですが、全体が押し込まれると守備に戻っていた姿勢も素晴らしいです。
また、北川も持っているものを上手く出して勝利に貢献しましたね。2点目の起点となるクロスは利き足じゃない左。まあこのボール自体ののクオリティはともかく、今までもドリブルでは両足使えることを見せてくれていたことが繋がったと思いたいです。
白崎はここ最近明らかに疲れてますね。なんでもできるので外せないし、シーズンで考えると貢献度は高いんですが、試合の中では消える時間が増えています。1週間空くのでできるだけコンディションを戻して欲しいです。(逆転ゴールの少し前、相手にクロスされたシーンの後で上がれって感じで叫んでるのが印象的でした。)
河井も枝村も攻撃では相変わらず効いてましたね。
4点目は松原のリスキーなプレーが効きました。
逆に、前節の金子に続き石毛にはしっかり決めて欲しかった。夏場であること、リードしたときに相手をしっかり突き放すことを考えると特に。本来もっと楽に勝てるゲームだったと思ってしまうんです。
同じく、2失点目の杉山も止めて欲しかった。(いいセーブもありましたけどね。)
⬛︎これから
まだまだ状況は厳しいですが、自分は昇格という結果以上に、それに向かうチームの姿勢を見せて欲しいと思っています。
今後は、三島を補強した山雅が昇格争いの中心ではないかと思ってます。選手層を考えると札幌、C大阪、岡山の牙城を崩すのは厳しいですが、再三指摘される試合運びの拙さという部分をいかに克服していけるかですね。
最後に1つだけ。最近小林監督批判をちらほら目にしますが、自分はシーズンここまで見ていて小林監督はとてもいい監督だと感じています。もちろん全てにおいて万能ではないでしょうが、総合的に見て簡単に放してはいけない人材だと思っています。
J2 超個人的前半戦ベストイレブン
折り返し地点に差し掛かったJ2。
独断と偏見でJ2で印象に残ったプレイヤーを選びたいと思います。
(熊本戦のレヴューはまた後で。)
清水戦の印象が強いこともあり若干偏っていますが悪しからず。
また、序盤戦はあまりじっくり見ていなかったので悪しからず。
⬛︎ではまず11人!!
鈴木孝(町田) 都倉(札幌)
堀米(京都) 清武(熊本)
阿部(千葉) 岩政(岡山) 飯田(松本) 石櫃(京都)
中林(岡山)
うーん強そう…(笑)
監督は一番すごいと思ったのが町田の相馬監督。
⬛︎次点!!
実力的には上に負けないものを持っていると思われる選手たちです。
三島(水戸)
ジュリーニョ(札幌)
押谷(岡山)
谷澤(町田)
エスクデロ(京都)
庄司(山口)
李(町田)
安西(東京V)
ヨンアピン(町田)
菅野(京都)
⬛︎所感
やってみたら意外と普通ですね…。
上位チームや実績を残してきた選手はいい選手が多いので難しい!
札幌の内村とかマセードとかクソンユンとかC大阪の両SBとかジンヒョンとか。そういえばシュミットダニエルもいたな。船山もいい選手だったなー。岡山の片山も入れたい。岐阜の謎外人も強烈だった。
徳島の木村や山形の山田も好きな選手。
あと思ったのは、他チームのCBって他ポジションに比べて印象に残りにくくて、評価しづらいポジションなのかなと。
まだまだいい選手を見逃している気もするので、そういった視点でこれから見ていくのも楽しみです!!
⬛︎今後の更なる飛躍に期待!!
瀬川(群馬) 小野瀬(横浜FC) 汰木(山形)
井出(千葉) 井上(東京 V) 小池(山口)
東京Vと山形は今後伸びそうな選手がチラホラ。
⬛︎おわりに
まあやっぱりエスパルスが一番ですけどね!
うちとの試合では活躍しないことを願ってます!
J2第21節 vsファジアーノ岡山
希望→絶望→希望。
解説の方が非常にサッカーを冷静かつ的確に見ている方で個人的にファンになりました。(よってあまり書くことがありません!)
⬛︎スタートフォーメーション
エスパルスは最前線に前節同様石毛がスタメン。体調不良の六平に代わり竹内もスタメン。いつもの4-4-2。
エスパルスとしては久々の3バック相手の試合となりました。
岡山は3-4-2-1と聞いていましたが、伊藤押谷の2シャドーというよりは、押谷が少し前目で、伊藤と渡邉が底にいる矢島の両隣少し前に位置する感じ、フォーメーション表記をすると5-3-2に近い形のように見えました。
押谷赤嶺
伊藤 矢島 渡邉
片山竹田岩政澤口加地
中林
とこんな感じです。前の2列のポジショニングは流れで流動的に変わっていましたが。
渡邉のポジションを追いかけていると試合の流れが感じられて面白いです。
⬛︎前半
決定機の少ない展開でしたが、岡山のゲームだったと思います。
おそらく岡山のプランとしては、エスパルスのビルドアップ時赤嶺押谷がエスパルスCBとボランチの間を消しながら、SBに出したところで伊藤か渡邉(岡山の位置が低ければ片山加地)がプレスをかけてスイッチを入れ、その次で回収する、ボランチに渡ったら矢島伊藤渡邉の誰かがプレスをかけてスイッチを入れる、というところではないかと思います。
実際それはうまくいったと思います。特に序盤、清水は効果的なパス回しが出来ませんでした。球際での強さも目立ちましたね。
特に前半の前半は、エスパルスの2FWが後ろと連動しないまま相手の4人にプレスをかける形になりプレスが空回りしていました。
岡山の攻撃時は、(3バックの定石ですが)加地片山を高く上げて、3バックに矢島が絡んでボール回しをするのが基本でした。ただ細かいパス回しというよりは、裏狙い、高い位置を取れていれば片山加地にサイドチェンジ、または押谷赤嶺が引いて受けるという展開でした。一番怖いのは押谷の裏狙いでしたね。
なお、岡山のやり方は、前半も後半もけっこう運動量を要するスタイルで、前半の終わりぐらいから徐々に前からのプレス(特に川口を見る伊藤)の圧力が弱まってきていました。上下動を繰り返す片山加地はもちろんですが、特に攻守によく動く押谷と矢島渡邉伊藤あたりは大変だったと思います。
押谷は90分持たないようなプレイでしたが、裏狙いも引いて受ける受け方も体の強さも相手からのボールの奪い方もクオリティが高かったですね。
前半の終盤ぐらいから、エスパルスは最終ラインとサイドバックで回すことで相手の2列目の3枚を意図的に左右に動かしているような節もありました。
また途中からエスパルスの2トップが相手の3バックをむやみに追わなくなってから守備が徐々に落ち着きました。
⬛︎後半
流れが二転三転しましたが、ゲームメイクや崩しの形、決定機から考えて清水のゲームだったと思います。
清水は基本的に前半の最後と同じようなサッカーを継続し、SB→CB(もしくはボランチや白崎枝村)→逆のSBと回すことで相手の運動量を削る感じでした。
それによって相手を押し込める時間が増え、エスパルスは楔も打てるようになり、徐々にペースを掴んでいきました。
村田を入れてからは右サイドを使ってのチャンスメイクも目立ちました。
対して岡山は、押谷を豊川に代えた時点で前線を赤嶺1枚にして、中盤の構成を変えてきました。
① 赤嶺
伊藤豊川
渡邉矢島
片山竹田岩政澤口加地
とこんな感じでしょうか。(片山加地はもう一列前と見てもいいかもしれません。)
渡邉は清水の右サイドにいることが多くなりました。
1失点目は、竹田に対して縦を切れなかった村田と伊藤を見ていなかった竹内河井の責任だと思います。
2失点目は守備の問題はあるにせよ正直アンラッキーだと思います…。暑い中でのあの展開だったので負けを覚悟しました。
そういえば清水は石毛を下げた後枝村がトップに入っていましたね。
岡山は島田を入れたところで守備固めでしょうか。伊藤のところに矢島が1列上がって入り、島田はボランチに入りました。
② 赤嶺
矢島豊川
島田渡邉
片山竹田岩政澤口田中
後半の岡山の守り方として、そのままだと2ボランチの脇が空くのですが、前半のように列全体がスライドするというよりは、2列目の選手が戻ってきてスペースを埋める(または2WBが埋める)という形を選んでいるようでした。
豊川はフレッシュで運動量がある一方、伊藤矢島のところは疲れてもいたので、終盤清水は必然的に右サイドからの攻撃が多くなりました。もちろんそれには村田の存在も大きかったです。最終盤では清水の選手たちもあえて左は使わず右狙いを徹底しているように見えました。
もっとも岡山としてはサイドをカバーする中盤の(①では)渡邉および(②では)島田がその時間帯で一番守れる人という配置なのだと思いますが。
清水の村田、岡山の豊川は結果的に矛vs矛というか、(見方にもよるでしょうが)どちらも得点失点に絡んだのが流れの妙という感じもします。
⬛︎おまけ
走る選手、ぶつかり合う選手から「気持ちを感じる」という言い方をします。
ただ、どちらもそういったシーンではないものの、1−2になった時に白崎が打った無理目のミドル、2点目のシーンの前後で高い位置で受けて2度クロスした河井にも気持ちを感じました。
というと清水サポのちょっと偏った見方かもしれませんが、河井が持てるようになってチャンスになったのは事実だと思います。守備では苦しんでいましたけど。
竹内に関しては、ボールホルダに厳しく寄せるという意識はいいのですが、失点シーン含め一度食いついた後にスペースに素早く戻る気持ちの準備を持ってほしいですね。何度かありました。(もっとも90分が久しぶりなので失点シーンの豊川へのマッチアップはキツかったと思いますが。)
石毛は、後半1本目の決定機は決めないとダメですね。ただ決定機はテセも多かったので、その中でもう一本決まっていれば…。
⬛︎成長
チームとして評価できるのは、前半焦れずにやり続ける中で穴を開けられたこと、ビハインドで厳しいコンディションの中落ち着いて追いつけたこと。
そして、前半も終わり、チームで一番成長したのは誰だろうと考えてしまいます。
白崎?確かに。ただ白崎は去年終盤から覚醒の兆しはあったと思います。レンタル前は動かない選手だなという印象が強かったですが、帰ってきて明らかに意識が変わっていたので、(清水にしては珍しく…)レンタルして成功した例ではないでしょうか。(余談ですが、中途半端にポンポン補強するより白崎の来年以降の契約をしっかりしておく方が補強じゃないかと思ったり。詳細がどうなっているかは知りませんが。)
三浦?弦太は去年使われ方が若干かわいそうでしたね。J1J2の違いは大きいとも思いますが小林監督の指導がかなり功を奏している感じはします。ただ、最近特に思いますがCBはそこに来るまでに相手をどれだけ制限できているかでかなり守備の難易度が変わるという点は確実にあると思います。その意味ではチームとしての守備が個人の評価と大きく関わるということを考える必要がありますね。
結局のところ、個人の持っている力は短期間で大きく変わらない。要は90分の中で自分をどう出せるか、という部分に観客は成長を感じるのだと思います。
出だしで流れに乗れなかった分チームの勝ち点の状況はなかなか厳しいですが、強いチームを作るという目的から考えると、個人能力の高いタレントの補強以外の部分、できることの部分では現場は本当に頑張っていると思います。
⬛︎まとめ
「熱い」試合でした。勝てなかったことが悔しい。でも応援しがいのあるチームになった。
J2第20節 vsレノファ山口FC
⬛︎スタメン
清水はケガの金子→石毛。山口は出停の左サイドバックが廣木(守備重視か)、またボランチの一角がベテラン平林。
⬛︎平林
この試合のポイントの1つ。平林選手は六平選手を見ることが多かったです。そもそも対面ではあるのですが、これまでの得点機で六平が起点となることが多かったので、監督の指示でそれを抑える役割でスタメンだった可能性もあるのかなと感じました。
⬛︎山口の守備
両チームのポジションの噛み合わせを考えたとき、0.5列ほど山口の方が前目で守っていた印象です。山口は2列目の選手がボールホルダーに積極的に喰いついてくるのが目立ちました。
とりあえず、岸田と福光はそこまで激しいプレスをしてくる感じではなく、清水CBを伺いながらステイして様子を見るという感じでした。
しかし、2CHの鳥養と島屋は比較的高い位置からでもプレスをかけてくる感がありました。
こちらのボランチは河井が中央に囮的に立って相手の人数を引き連れ、一方六平は最終ラインのビルドアップに関与する感じで、SBが上がった分最終ライン付近に入ったりその少し前でCBから受けたりというシーンが多かったです。
前述の通りそこを平林選手が前に走ってきて抑えようとする(ボランチをボランチが見る)ので、距離的に大変そうだった(70分ぐらいでかなりキツそうでした)のと、山口のボランチのポジションが空き気味になりトップが受けやすくなる、パスを通しやすくなる、セカンドボールを清水からすると回収されにくくなるという状況があったと思います。
さらに、エスパルスのSBが攻撃時ボランチを超えて高めの位置を取ることで、相手のSBが直接川口松原を見ることになり、空いたサイドの裏のスペースにテセや石毛が流れて起点を作る、という流れになり、相手の最終ラインがなかなか上げられず、前線と最終ラインの間がなかなかコンパクトにならないという点もあったと思います。
(川口松原が下がると鳥養島屋が見るという形になりますが、川口松原が上がって白崎枝村が中で少し下がると、相手の鳥養島屋が下がってSBにつくのか、引き気味のSHにつくのかが曖昧になり、相手SHのプレスを弱体化させ、攻撃時のスタートポジションを下げることができるということなのだと思います。これは清水にとってはリスクもあるのですが、サイドの裏の突き合いはこのゲームのテーマの1つだったと思います。)
全体として、前から行こうとしたポイントで空いたスペースを使われるので、山口としてはもどかしい展開ではなかったかと思います。
⬛︎山口の攻撃
前半は基本的に庄司に渡して空いたところを伺ってロングパスという展開。または最終ラインがロングパス。入りは良くて清水としては嫌な感じがありましたが、時間が経過するにつれ待ち構えて引っ掛ける清水の守備が安定。庄司は思い切って出すパスの精度はさすがでしたが、なかなかそういったシーンを多く作れなかったと思います。ただサイドの裏でSHが受けて縦に突破するという狙いで何度かチャンスは作っていました。
おそらく、中央底の庄司がサイドに開いたSHに斜めに出して、そこから今度は中央のFWに斜めに入れて、逆サイドのSHや福満なんかが走りこんでくるところでダイレクトプレイで崩すという感じのイメージが、1つの山口のパターンなんだと思います。
後半山口は福満が引いてゲームを作ろうとしたり、終盤右の三幸(鳥養に代わって右に入っていましたが、何となく中央のプレイが好きそうな…)と左の島屋を入れ替えたりと工夫はしていて、清水の最終ラインが若干引いたこともあり押し込んだ時間帯もありました。ただ清水も完全には崩させず。
島屋は(そして小池や交代した鳥養もですが)運動量はかなりありそうな印象で、清水としては乗せなくて助かったというところでしょうか。
おそらく清水としては、中途半端に出て奪われてカウンターを受けるような展開になると山口の術中に嵌ったのではないかと思います。また、先制点を取ったおかげで引いて守れたことも相手の良さを出させなかった一因であったと思います。
⬛︎清水の守備
前線の2人は相手の最終ラインをむやみに追わず、逆に相手のキープレイヤーである庄司が持った時にプレスバックできる位置を概ねキープしたおかげで、清水の後ろの選手はスペースを消して待ち構えることができ、庄司や最終ラインは出しどころをなかなか見つけられないという状況だったと思います。清水はボランチをFWが視界に入れているという点が両チームの守り方の違いを表していると思います。
岸田に当ててくるところは清水がチームとして狙って待っている感じでした。
どちらかというと後半の中山の方が収まっていた感じだったので清水としてはそちらの方がやり辛かったかもしれません。
遠くて狭いところへの精度が求められるパスを出すもつながらないという展開が多かったと思います。
⬛︎清水のパフォーマンスについて
ここ数試合はずっとそうですが、テセは相手CBとのフィジカル勝負で勝てていて、MOM級の活躍でした。各所で指摘されるように運動量もシーズン始めより上がった印象です。
また、決定機にはほとんど枝村が絡んでいたことと、勝負を決めた北川の仕事ぶりも評価したいです。
ただ、個人的には犬飼の安定したパフォーマンス(弾き返し、インターセプト、サイドへのロングフィード)も評価したいです。
何度も書いていますが、2FWが相方と相手ボランチを見ながらコースを切る守備をするのが効いていること、2CHが中目にポジションを取って攻も守も関与すること、2SBが攻撃時高いポジションをとることで幅を作ること、このポジショニングが整理されたことが好調の要因だと思います。
一方、試合を見る限り村田やこの試合の澤田は、枝村や白崎に比べると特に守備時のポジショニングに課題があるように思います。ここを整理することでよりゲームを自分たちのペースで終えられると思いますので小林監督の個人指導に期待したいと思います。
⬛︎ついでに
鳥養が途中でリストバンド(?)を外したことと、実況が交代する岸田の特徴を解説に訊ねたことがなぜか妙に印象に残りました。
⬛︎まとめ
いつもテレビ観戦している私がたまにスタジアムで観戦すると、CBとFWはボールがないところでも1試合通して体をぶつけ合って戦っているのが分かります。
それは試合の流れとは直結しないこともあります(FWが競り合いで勝ってもこぼれ球が味方に渡らない)。
ただ、この試合では(/でも)テセが相手CBとのフィジカル勝負で勝っていたことが大きな流れを作ったと思います。
2点目まで早い時間で取れたことも大きかったと思います。
そして次戦。岩政は平面では遅いと思いますが体が強くクレバーで、CKやロングスローでも効きまくっています。
テセとの肉弾戦、エスパルスが苦手なセットプレイの守備、果たしてどうなるか注目です。重要な一戦です。