★puppetmouth’s blog★

清水エスパルスに関しての雑感。基本応援スタンス。遠方なので情報難民。素人なのでまったり更新。

来期に向けて

今シーズンも終わり。まずは選手、スタッフ、サポーター、関係者の皆さんお疲れ様でした。

 

1ファンとしての立場から言うと、

今季は序盤こそ悔しくもどかしい、苦しいシーズンでした。

 

ただ、シーズン後半は正直熱を持って試合を観ることができなかったです。

毎シーズン、主に映像でではありますが、中継がないとかどうしても仕事を抜けられないとかでない限り全試合リアルタイムで観戦しているので、

そういう自分がいること自体、不思議というか、ショックというか、変な感覚でした。

あまりにも同じような展開が続いたので、

味方のゴールが決まっても「どうせまたやられるんだろうな」と素直に喜べなくなっていきましたし、

終盤になると「あ、この感じだとまたやられそうだな」という雰囲気を察知してしまう自分がいました。

単に私が興味を失っただけならいいんですが、

これは興行としてはある意味ではとても危険なことかもしれない、とも思うんです。

 

終盤にうまくいかない試合が多いことには、おそらく色んな理由があると思います。

弱いチームには弱いなりの理由があると言いますが、

私が見る限り、選手のプレーや戦術といったものだけでなく、

運もなかったのでは、と感じることもありました。

 

「チームは生き物」という言葉があります。

些細なきっかけで、結果を掴むチームはそこから成長しますし、

そこで結果を出せないとチームの前向きな気持ちがしぼみ負のスパイラルに陥る。

観ているサポでも気持ちが上がらないのですから、やっている選手達はそれ以上にキツかったと想像します。

ちょっとしたことでどこかでもう少し結果が違っていれば、

全く違った結末になっていた可能性もあります。

 

ただ、それを言っても仕方ありません。

相手のチームも、勿論清水も、全力で戦った結果として受け入れなければならないこと。

 

自分は詳しく戦術を語ったりアドバイスしたりする能力や経験値はない(ましてや現地観戦も少ない)ので、

あくまで願いとして、こういうチームが観たいということを言いたいと思います。

 

それは、第一に走れるチームを作ってほしいということ。

そして、第二にチャレンジをもっと許容するチームを作ってほしいということ。

 

近年のJリーグはインテンシティの高さを認める流れになっていて、

これ自体は今後も続くと思っています。

そんな中、清水の選手たちは良くも悪くも真面目で優しい選手が多く、

それは例えば反則ポイントの低さにも表れていると思ってます。

個人的には、フェアなプレーをする清水の選手たちが好きです。

最近では当たりの強さと言いながら、

ルール的に明らかなファウルまで流してしまうシーンが増えたり、

悪質なプレーや、悪意がなくても怪我を誘発するような危険なプレーが反則と取られなかったり、

運用の方向性に若干の疑問を感じることもないわけではありません。

ただ、それも含めてサッカーと考えると、

やはりその中で戦えるチームが結果を出すんだと思います。

 

そんな中、相手より走る、終盤でも激しくプレッシャーをかける、

そういう要素はどんなチームでも大切なはずです。

 

今季、試合中に足を攣ってしまう選手(それ自体は褒められないことかもしれませんが)を、

清水の選手より相手の選手に多く見た印象があります。

それは試合終盤のスプリント数などでも同様です。

また、例えば選手が大量に離脱していた前半戦、

厳しい状況でも前からのプレスを厭わず続ける神谷には強い気持ちを感じていました。

終盤に押し込まれる展開を多く観ましたが、

DFに限らず、こちらの選手が相手の出方に合わせて遅れて対応するシーンも目立った気がします。

正しいポジショニングとか、色々な兼ね合いがあるのかもしれませんが、

全力を出し切ると感じられる選手の姿に私は感動しますし、もっとそういう明確な姿勢を全体から観たいと思います。

 

今季は選手や監督の口から「終盤の失点には原因がある、それを突き詰めていきたい」といった言葉が多かったと思います。

これはとても大切なことで、

あそこでもう少し詰められたら、あそこでスペースを感じて埋めていたら、など観ていてもその度に感じることはありました。

また選手たちの会話が増えたという話も聞こえてきましたし、

結果が出なくても必要なことはぜひ続けていってほしいと思います。

 

一方で、焦点をはっきりさせようとすると視野が狭くなるということもあるのかもしれません。

 

残留争いの渦中ではとても難しいことなのかもしれませんが、

「2点取られたら3点取る」くらいの気持ちで、

失敗を気にしすぎず上手く受け流すことももしかしたらより必要だったのかもしれないと感じます。

リスクを避けて集中して守る、という中に少しの余裕や遊び心を差し込んだり、

1対1で仕掛けるとか、相手のバイタルにパスを刺すとか、

選手の交代の仕方とか、

前向きなチャレンジの数をもっとチームとして追求しても面白かったんじゃないかと。

(余談ですが、自分は敗因や降格の犯人探しみたいなのを延々やるのが嫌いです。指摘すればもうそれ以上でも以下でもないことですし。)

例えばサガンなどは、攻撃時ボールホルダー以外もどんどん走ってアクションを起こします。

上手く行かず大敗することもあるチームですが、チームの姿勢も含め見習うべき点は多々あるように思います。

 

サッカーは相手があるスポーツなので、

自分を高めることと同時に、相手を見て、相手の狙いを察知することはもちろん、相手の逆を突くこと、相手が嫌がる戦い方をすることも大切なはずです。

その点、このチームはまだできることが沢山あるように思えてなりません。

 

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個々人の価値観によると思いますが、

サポにとって一番大切なのは勝利だという考え方があります。

また、プロサッカーの興行として、勝ち負け関係なく楽しめるような色々なイベントをするのが大切だという考え方があります。

 

どちらも概ねその通りだと思います。

ただ、まず自分は選手や職員でもないですし、結果が「すべて」とは決して思わないのです。

言うまでもなく、負けが良いわけではありません。

それでも、負けても全力で戦う選手の姿には非常に心を打たれますし、

長く見続けることで選手が変化していく姿にも感動します。

 

他方、いくらイベントが充実していても、いくらサイトやSNSで多く手を打っても、軸であるサッカーを面白く感じられなければサッカーを観る意味がないと思いますし、方向性がずれていれば時に逆効果になることだってあると思います。

 

選手、スタッフは、或いは外から見ると頑張っていないように見えたとしても、

見えないケガとかチームの役割とかの中で、

恐らく皆それぞれの持ち場で頑張っている、はずです。

あれこれ外から言われなくても、選手たちだってとっくに分かっているかもしれません。

それでも、観たときに心を打つサッカーとそうでないサッカーがあるのも事実です。

その違いは何かと考えたとき、

今の自分にとっては、上の①②がこれから観たい清水の姿なんです。

 

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私自身、エスパルスを除けばJ2は一番良く観るカテゴリーです。魅力もあり、また厳しくもあるリーグです。

今季、例えば熊本やいわきのサッカーは非常に印象的なものがありました。

 

近年のJ1はかつてより選手のタレント力、チームの資金力の比重が高まったと感じますが、J2はそのレギュレーションなどから、依然として監督の力や選手の成長、トータルでのクラブの対応力が問われる印象があります。

昇格するためには、「そこそこ勝つ」ではなく「上位」にいなければなりません。そして、これが色んな要素から非常に難しいと感じます。

陳腐な言い方になりますが、現状を維持する姿勢だけでは恐らく昇格できません。

監督や選手の去就も関係してきますが、在籍選手の成長や上積みは必要でしょうし、クラブのスタッフが今以上に目標に向かって方向性を揃えてやれるかも大事になるはずです。

 

選手もスタッフも、観た人の心を打つ、という軸に向かって、改めて一致団結して全力を尽くしてくれることを期待したいです。

 

来季、活気のあるエスパルスを楽しみにしています。応援します。

権田選手のスピーチ

試合終わってすぐ書いてます。ひとまず残留できて良かった。

 

セレモニーでの平岡監督、権田選手のスピーチは共に一言一言が心に残るものでした。

 

特に、権田選手のスピーチは素晴らしかった。

 

球際、強さ、献身性、サッカーの本質の話。

 

試合で活躍し喝采を浴びる選手だけでなく、試合に出られなくても、メンバー外でも努力する選手にスポットを当てて欲しいという話。

 

ベテラン・キャプテンとして、自分のプレーだけでなくチーム全体の話を出来ること。

これまでいい選手・チームとそうでない選手・チームをどちらも知っているから言える、良い点と改善すべき点。

色々なチームを知っているからこそ、他者の視点と当事者の立場を両方感じられるから言えること。

自身がサブで苦労してきたからこそ、試合に出られなくても練習に真摯に取り組む選手を評価できること。

一部サポーターとの間の微妙な距離感について、しっかり言葉を選んだ上でうやむやにせず言葉にすること。

あくまで前向きに、配慮と感謝を込めて、でも清水の良くない部分も隠さず発したメッセージ。

形だけのスピーチに終わらせなかったところに、何より本気さと勇気を感じました。

 

来季彼が清水にいるか分かりませんが、特に終盤の彼の言葉は本当にチームを1つにしたと感じます。サポーターが見える範囲ですらそうなのですから、きっと中での貢献は大きかったでしょう。

ありがとう権田選手。

 

心を打たれました。

ギラヴァンツ北九州のサッカーについて

こんにちは。手抜きブログへようこそ!
今日も全力で手抜きしていきますよ!

さて今日はちょっと我らが大悟、もといギラヴァンツ北九州の話です。

ギラヴァンツとミシャサッカー
早速ですが、自分は、今の北九州のサッカーは、小林監督のサッカーと、札幌ペトロヴィッチ監督のサッカーのハイブリッドだと見ています。特に攻撃時は、ミシャサッカーに似ていると思っています。

守備時のフォーメーション。
ペトロヴィッチ監督のチームは、基本的に3-6-1と言う形で、ワントップツーシャドー、ウイングバックを置いて、ウイングバックが下がれば5バック気味になります。
一方のギラヴァンツは、基本的に4-4-2で、セットして守るときはツートップかつ最終ライン4枚で守備します。
もともと小林監督は4-4-2をベースにする監督で、前の2枚がボランチへのパスコースを切ることと、SHの守備時の運動量が肝になります。
しかし、今のギラヴァンツはそもそもセットして守るという形を取ることが少ないです。
コースを切る守備というよりは積極的に前から奪いに行く守備を展開します。前線からとにかくよく走ります。
ここは今までの小林監督のサッカーよりハッキリと積極性を出しているように見えます。
(余談ですが、クロップ監督や川崎のサッカーみたいに奪われたら即プレスをかけて奪う守備を見ると、長期休みの宿題を最初に一気に片付けて残りの期間を悠々と過ごす学生を思い出すのは私だけでしょうか…はい私だけですね。)

次に攻撃について。
ミシャサッカーの場合、ボランチ1枚を最終ラインに落とし、ウイングバックを高く上げて前線に5枚置くことにより、4-1-5みたいな形で、特に4バックが横幅をカバーしきれないことによるミスマッチを突くというイメージが強いです。
困ったら逆サイドのWBにロングパスしてフリーで受けられる、SBとCBの間のスペースを主にシャドーの選手がダイアゴナルに入ってくる、サイド高い位置で3人で三角形を作って動かし相手が付ききれないところで崩すなど。
一方北九州は、ボランチ1枚を最終ラインに落とし、SBをWBのように上げてタッチライン際に張らせ、SHはまるでシャドーのように内側でプレーする事が多いです(もともと小林監督の442のSHは内に絞るのが基本形ですが、ここまでSBを上げてはいませんでした)。3-1-6のような表現になるでしょうか。
いや、数も違うしミシャサッカーじゃないじゃん、となるかも知れませんが、ちょっと待ってください。
後ろのつなぎに苦しめば2トップの片方が落ちてきてつなぎのフォローをしますが、前に5枚+1枚を置いて、相手4バックやボランチの間・脇に選手を立たせる(そこからコンビネーションで前に抜ける)こと、タッチライン際にSBを立たせ逆サイドでフリーを作りサイドチェンジのパスを飛ばすことなど、狙っていること、やっていることで見るとミシャサッカーと共通点が多いのは明らかです。

今までの小林監督のサッカーと結構違うな、とずっと思っていましたが、何かのインタビューで語ったのを読むと、ヘッドコーチの天野氏の影響が大きいとのこと。気になって調べてみると、ペトロヴィッチ監督と浦和時代に一緒にやっていたコーチなんですね。それであの攻撃時の立ち位置なのか、と1人ですごく納得してしまい、いつか書こうと思っていたのをようやく今回書けました。
(これって結構皆指摘していることなんでしょうか…それだったらあまり書いた意味ないかも知れませんがよく分からないのでお許し下さい。)

ギラヴァンツの選手の個性

その上で、北九州の選手の個性を見ると、特徴を組み合わせてサッカーしていることが分かります。

まず守備で言うと、FWを2セット用意し、SHも若く走力があるので、どんどん前から奪いに行く守備をします。ここはキツいところでもあり、北九州の生命線でもありますが、現状相手にとってはかなり厄介であり、なかなかペースを相手に渡しません。
また、上手く逃げられても、特に加藤や岡村は早い段階でプロフェッショナルファウルも厭わず起点を潰すクレバーさがあります。村松も予測と玉際の強さという特長を生かしていて、高い位置での相手との1対1やカバーリングは得意でなかなか最後までやらせません。展開によっても変わりますが、加藤は中央でなく左に落ちて、加藤と岡村がストッパー、村松が中央でスイーパー的な役回りになるという非対称さも相まって面白いやり方ですね。
本来村松は高さがないので引いてクロス入れられまくると弱いはずですが、なかなかそこまでやらせない守備になっています。

攻撃は、例えば高橋がSHなら、もちろん華麗なラストパスや華奢な見た目からは想像しにくいパンチのあるシュートも目立ちますが、一方で裏に抜けるランニングを繰り返し相手最終ラインを引きつけることで中盤のスペースを空けたり、味方が入ってくるコースを見てそこを空けるような動きをしたり、といった「隠れたコンビネーション」が一番の武器だと思っています。(さらに最近は相手を背負ったプレーも厭わなくなり成長が見えます。)個で崩すよりも、SBの上がりを上手く生かしてコンビネーションで崩すのが右サイドです。
※清水サポとしてはウイングを待望しているので、戻ったら彼にウイングを務めてほしいという甘い期待はあるのですが、上記のような背景(実質シャドー的)もあり、彼の特徴からも、ハマるのはウイングよりトップ下だという気がしています。最近は國分のケガでボランチをやっているのでよりそう思います。

左サイドは今季から椿が務めていますが、彼はドリブルで個で仕掛けられるのが特長なので、どちらかというと今季のギラヴァンツの攻撃は「左で作る」のが基本になっています。前進するのは左からで、前目で詰まったら中央から崩すか右サイドバックにサイドチェンジ、と言う形。

前線の選手も、例えば池元は少し下りて繋ぎに参加することが多いですし、町野は多少相手に見られていてもいったん付けてポストで起点を作る、あるいは走力を生かしサイドのスペースに走らせる、というパターンが多いです。逆にディサロは守備やポストもしますがよりゴール前でのストライカー的な動き方をします。

小林監督は清水監督時代北川にターンを仕込んだ話が有名ですが、試合中の実況によると町野にも大悟にも仕込んだみたいですね笑。
それはともかくとしても、特にFWの個人的な指導については、小林さんには確かなノウハウがあって、おそらく見えないところで色々やっているんだろうなと推測できます。

忘れてはいけないのは、GKの永井も今季ずっとかなり高いパフォーマンスを維持しています。

■課題
よく、下のカテゴリーから上がったチームは序盤好調で徐々に失速するという現象があります。分析されること、選手が抜かれること、選手層が薄く怪我などで戦力が落ちることなどが考えられます。北九州に関しては、勿論調子を落とすことはあるでしょうが、大きく落とすことは考えにくいです。その理由として、詳しくは割愛しますが、監督の用兵の巧みさと、1つの対策では簡単に止められない戦術的引き出しがあると思っています。但し、来季となると話は別で、レンタルが多い分、その選手が戻ってしまう難しさは間違いなくあると思います。(そもそもJ1を現実的に狙うチームは、それを回避するため、あまりレンタルに頼らないでチームを作るというのがそもそも前提になっていると思います。)小林監督になら安心して預けられる…というレンタル元チームの思惑もあって良い選手が集まりやすいという面は間違いなくあると思うので、ここはジレンマですね。
でも自分がサポなら、いいサッカーをしているチームを見られるのが幸せだと思います。

■補足(エスパルスについて)
エスパルスは…頑張れ!!とにかく頑張れ!!応援してるぞ!!(何かが崩壊)
というのはさておき、今はとにかく新社長と大熊さんの色を出してくれるのが楽しみですね。
非常に苦しいシーズンになっていますが、クラモフスキー監督は、指導力はあると思っています。監督としてはまだまだ勉強中だと思いますが、自分は応援しています。
これまでずっと見て感じていたこと…中村、立田、石毛あたりが言及していますが、一番大事なところをいかに見せてくれるか、期待したいと思います。

TM雑感

こんにちは、(世界で3人ぐらいしかいない読者の皆様)ご無沙汰しております。

さっき、買ってきた牡蠣の袋を開けた瞬間に、噴き出してきた牡蠣エキスを全身に浴びてしまいオール洗濯の憂き目を見ましたが頑張って書きます。

 

昨日はジュビロ磐田との練習試合でした。

自分はだいたいライブ映像で試合を見て、さらにそれを見返しながらこれを書くことが多いんですが、今日は面倒時間がないので、分析というより昨日の感想を書こうと思います。見返してないんでホント雑です。

でもやっぱ試合見られるっていいですね。

 

※余談ながら、試合見返す習慣のある方には分かってもらえると思いますが、ライブで見た後冷静に試合を見返すと、かなり印象が違って見えることって多いです。応援してるチーム以外はそうでもないかもしれませんが。

特に負けてる時や、僅差で勝ってて相手に攻められまくってる時は、生だと緊張感からか実態以上に印象が悪くなりがちなんですよね。

 

■フォーメーション(メンバーはスタメンで)

基本的に1本目から4本目まで同じに見えましたね。

攻撃時は3バック(トップ下を中盤と捉えると3−4−3)。

      ティ

後藤    中村    金子

 六平   竹内   奥井

  福森  岡崎  ソッ

      ネト

 

守備時は5バック(5−4−1)。

      ティ

  後藤      金子

    竹内  中村

六平 福森 岡崎 ソッ 奥井

      ネト

 中盤4枚はプレスバック時は横に一列って感じでしたね。

 

■感想(1・2本目)

 

・攻撃に関しては、全体的にちょっと硬いなって思いました。中継で緊張したのか、単に私の思い込みなのか。

具体的には、縦パスが少なかったり、前でのチャレンジが少なかったり、一瞬躊躇してから判断しててタイミングが微妙に遅かったり、裏を取る/使う動きやパスが少なかったり、全体的にリスクを取らない感じ強めだったかなと(3、4本目はその点のびのびやれてました)。

むしろメンタル的には相手に点を取られてからの方がやりやすそうでしたね。

単純に、もっと縦パスと裏を狙って欲しい。

 

・やはりこのサッカーではSB(奥井と六平)の動きが完全にキモですね(+3バックの中央のパス能力)。攻撃の流れはここのポジションがいかにいいボールの受け方運び方をできるかにかなり左右されると思います。低い位置からならウイングのスピードも大切ではありますが。

守備面では、彼らのうち1枚が戻りきれないと、3バックのうち1枚がボールサイドに引き出されて全体がスライドするので、逆サイドのWBが戻れてないとゴール前で結構相手をフリーにしがちで、大変ではありますがそこで戻れるかも重要だと思いました。

 

・後ろのつなぎについてはだいぶ慣れてきましたね。全員覚悟をもってやれてる感じがします。岡崎中村中心にボール持ってる時に相手のプレス一旦剥がすってプレーも多いです。

 

・攻撃時、アタッキングサードで詰まった時の打開策は、緊張等を差し引いても課題ですね。

ウイングの個の打開力ももちろん大事ではあるでしょうが、スペースがない場合は特に技術とタイミングと連携が重要だと思います。まだいいシーンは少ないですね。

川崎戦のゴールシーンなんかは良かったので、バリエーション増やして欲しいですね。

 

(補足して、自分はこのサッカー、SBは運動量(特に攻撃時ボールを受けるための動き)が結構重要だと思っていました。奥井は運動量とスピードがあって、エウソンはどちらもそんなにないので、もしかしたらエウソンは結構飼い殺しになるのでは、、、と心配していました。

ただ、この試合を見て思ったのは、結構前で詰まってスペースがなくなりがちになるので、そうすると特にSBは、むしろスピードや運動量よりエウソンみたいな技術とアイディアのある選手が生きてきそうっていうことです。

もちろん、奥井の特徴は今のサッカーにはハマっているので(結構痛いパスミスが多いのは辛いですが、、、)、彼が戦力にならないということもないと思いますが。)

 

・パスを受ける時、受け手がダイレクトで落とせる位置に味方がフォローで入るシーンが激増しましたね。

例えば

 岡崎●(ボール)         ティーラシン 相手

              中村

みたいな位置関係で、岡崎がティーラシンに出したボールをティーラシンがダイレクトで中村に渡すみたいな。

監督の狙いが垣間見えるようで面白いと思います。

 

前の記事にも通じるのですが、後藤は今のチームでは結構貴重なキャラクターの持ち主(運動量+スピード)だと思っていて、私としてはずっとウイングで使われるだろうと思っていたのですが、この日はトップに移ってから結果を出したので、トップ下起用も含めちょっと難しいですね。周りとの相性もありますし。

個人的にはウイングでハマれば一番いいと思っていますが…。

 

・守備では六平と奥井が上がっているタイミングで3バックの横を使われるシーン、あとは単純にラインの裏を取られるシーンが一番危なかったですね。

後者は相手の戦術というよりも小川の武器だと思うのですが、正直いい練習になったと思います。

ラインがそろってないなというのもありました。まあ実質ほぼぶっつけみたいなものなので当たり前でしょうけど。

 

ただ、むしろ自分がもっと気になったのはその1つ前で、こちらの前線が結構簡単に置いてかれて、最終ライン+竹内が相手の総攻撃にさらされがちって点。

 

パターン1:攻撃時、全体が前がかったときに低めの位置で引っかかると一気にみんな置き去りにされますね。基本は残った3バックと竹内で食い止めないといけません。ただこれはある程度覚悟の上でしょう。

対処は、そのままなんですが、低い位置で引っかからないようにすることですね。特に中盤から3トップへのボールが引っかかるとき、奥井や六平が置いていかれるようなタイミングだと結構厳しい感じになりますね。

 

パターン2:守備時にこちらの前のラインを突破されるとき。

①前から意図してプレスに行っているもののそれをうまく逃げられる

②何となく金子、後藤、中村(か竹内)が前に残っている(激しい前プレではなく、プレスバックもできていない)

→②に関しては、多分集中と練習で改善できると思います(思いたい)。

  

・相手との関係もありかなり仕事が多かった福森ですが、及第点ではないでしょうか。

つなぎも得意そうでしたし、裏を取られても走力はそれなりにあってカバーしてましたね。

展開的にいわゆるCB的な力はあまり問題になりにくかったので、引いてる時の高さなんかはもう少し見て見たい部分です。

 

・エリックはけっこう辛い状況での投入でしたが、攻撃面とヘディングの良さは見せたものの、守備に関してはまだまだ課題が多いなあという印象。まあまだまだこれからですね。

 

・相手のパスが通った時に、味方が「えっ」「これ誰がマーク行けばいいの?」てなってるようなシーン結構ありましたね。誰がマークにいくのかチェックするのか迷うような場面。

ここらへんもまだ成熟度が低いのかなって感じました。

 

 

■感想(3、4本目)

・目立ったのはテセ、川本、鈴木、梅田あたりですね。

テセに関しては、戦術理解度も高いですが、コンディションも良さそうです。

川本に関しては、スタメンにないキャラクターを持っているので、彼がもう少し成長してくれるとチームとして大きいです。

鈴木に関しては、意外にパンチ力というかインパクトの強いキックできるなという印象です。

梅田に関しては、落ち着いてやれていたのが一番目立った点ですね。

 

・1、2本目に書いたことの裏返しになりますが、結構縦に早い攻めの割合も多かった印象ですね。

 

・石毛や河井、西村なんかもいい流れに貢献する働きでした。あとはトップレベルでどれだけやれるかですね。特に守備時。

 

 

■まとめ

やはり時間が経ってきたのもあって、当初よりも監督が個々の選手の特徴を理解してきているなって感じます。

特に選手を起用するポジションにそれを感じます。

ただ、まだ選手の「組み合わせ」については模索中って感じですね。試合を見てても、まだそれはうまくいってないところが結構あるのかなと。

 

自分はカルリーニョスが入ってからがこのチームの本当の姿だと思っているのですが(逆にヘナトはこのサッカーだと去年ほど絶対的な存在にならないかも…)、まだまだ課題は多いため、チームにとっては中断期間が長いことが他チームと比べてプラスに働くと思っています(選手のコンディショニングは正直かなり大変でしょうけどね)。

もし自分が相手チームなら、正直今のチームは結構狙い所というか穴が多くて、本当にこのままだと例年で言ういわゆる「降格」圏も見えてくる感じだと思っていますが、上積みは期待できるスタイルなので、今は楽しみしかないですね。

また、知る術はないのですが、大熊さんが現状をどう捉えているのかにもすごく興味があります。何度も言いますが彼にはすごく期待しているので。きっとこれからもいい影響をもたらしてくれると思います。

 

以下余談。

コロナウイルスインパクトによってチーム・スポンサーにとっては経営面でかなり大変なダメージがあるだろうことが心配されます。

スポーツはスポンサーの皆さんの支援あってのものなので、少しでも影響が小さく収まることを願っていますし、そもそもスポーツやエンタメは健康あってのものなので、皆さんが健康でいられることを願っています。

まずは既存の業界で大きな影響を受けるところへの相応の支援策が必要だと思いますが、それに加えて、業界によっては、影響が長く続くほど業態自体の変化・適応能力が求められるようになるとも思っています。

例え家にいても人間は生きているわけで、食事もすれば遊びもコミュニケーションもするわけで、経済活動が「完全に」止まることはないと思っています。

厳しい中で自分が大層なことを言えるような立場ではありませんが、1サポーターの願いとしてエスパルスにはぜひしぶとくやって頂いて、できる範囲で、家の中でも楽しめてお金もちゃんと回るようなコンテンツや活動の事例を、関係各所と協力して1つでも多く成功させて欲しいなと思っています。

もうコロナウイルスの影響が完全になくなることは考えづらい状況ですが、少なくとも漠然とした不安のようなものが落ち着いて、普通の生活が戻ることを祈っています。

 

では今日はこの辺で。

来季に向けて

長かったシーズンも終わると寂しいですね。
相変わらず一喜一憂しながらも、何だかんだ楽しませてもらいました。関係者の皆さんに感謝を。

シーズンの中でも色々な浮き沈みがありましたが、来季に向けての雑感。

後半のエスパルスは、篠田監督の毎試合前のコメントを聞いても、まずは守備を固めて素早くカウンターを狙うのがベースだったと思います。
それはいいのですが、引いた時にCBが弾き返せないこと、前線でスピードのある選手がドウグラスくらいしかいないことから、やろうとするサッカーと選手層が一致していない印象でした。
実際切羽詰まっているのでそうするしかないのですが。。。
加えて、カウンター時に攻撃力を出そうとして、スピードが遅い分選手の数をそれなりに多くするため、そこで完結できなかったときにリスク管理できておらず(といっても数が足りないと言うより戻る気がないとか追いつけてないとかなんですが)、運動量も使い、ますます守備への切り替えが遅れる…という悪循環になっていたように思います。

カウンター狙いでボールをすぐ前に運ぶも、ドウグラス以外ボールをキープできず、ポジションも低いためにセカンドを拾われ続けてずっと相手ターンみたいなゲームも目立ちました。仙台アウェイ(←年1スタ観戦(涙))あたりを底にして、流石に少しは繋ごうとするようになりました(特にGK)が、それでもまだ最終ラインの決定的パスミスが散見される状況です。

最終節に(のみ)見られた玉際の激しさなんかを考えると、個々のメンタルにも不調の原因はあるのでしょう。神戸戦の3失点目とか戻り遅かったし。日程的にキツかった悪夢の札幌戦も途中から本気の守備放棄してたし。でも、選手監督の誰が悪いと言う以上に、選手の特徴を組み合わせて最大化できない構成、編成のバランスの悪さも強く印象に残りました。
フィジカルに特徴のあるメンバーから順に退団し、その代わりを新加入選手が埋めきれない、というサイクル。
もちろんGMにも責任があると思いますが、個人的にはスタメン争いに割って入れないサブのメンバーたちの層の薄さ、不甲斐なさもちょっと残念。。。

さて、来期に向けて。
一番の注目は、新監督がFマリノスのようなサッカーをするのか、今季の清水のサッカーをアップグレードしようとするのか、その一点です。
もし前者なら、という想定強めで書きます。

GKに関しては大久保が尻上がりにプレー内容を上げたと思っています。ただ、キックの精度に関しては課題があり、GKからつなぐサッカーをするならなかなか大変そうだな…という印象は否めません。
パッと思いつく人材はいないのですが…。海外からの補強でしょうか。国内なら…新人は別として、回すサッカーに適応できそうなのは上福元か岡本ぐらいしかいない気が。
CBに関しては、ソッコも二見もカバー役としてはハイラインサッカーにそこそこ合うのではないかと思いますが、やはり一枚は頭で弾き返す役が必要ですね。それを本来は立田と吉本に期待したいところ(この二人は動けるし)なのですが、全員それなりに不安定な面もあり、できれば絶対的なスタメンを期待したい気持ちもありますね。立田を育てるにも周りが崩れているとやりにくいと思いますし。多分代表の離脱もありますし。
海外以外なら経験を考えると新潟の舞行龍あたりは一番フィットしそうです。状況を無視すると金沢の山本のポテンシャルは個人的に買っているのと、頭に特徴があるわけではないですが、福森が友情パワーを発揮して大分の鈴木を誘ってほしい。
ボランチに関しては、相変わらず竹内が不評でここを補強すべきとの声が多いようですが、個人的にはヘナトと同じ強さと高さがあるタイプを望みます。というか、竹内や竹内のサブより、要はヘナトのサブがいないってことです。
今季目立ったボランチは水戸の前で、どちらかというと攻撃に特徴がある選手ではありますが、強さは増すので戦力にはなるでしょうね。
CHに関しては、スピードタイプと走れてコンタクトに強い選手が欲しいです。90分走れれば尚良しなんですが。どういう戦い方をするにせよ、現状タイプがやや重なっているので、もう少し特徴の違う選手が必要で、できればサブ含め2枚ぐらいは入れ替えたいところ。特にFマリノスでは遠藤や仲川などスピードを出せる選手の存在も大きかったですし。
違いを出せる選手として総合点が高いのは徳島の野村や大宮の奥抜、千葉の為田あたりが思い浮かびます。白崎に近いタフなタイプとしては湘南の神谷、期待枠のジョーカーとしては徳島の杉本や水戸の黒川、新潟の本間あたりでしょうか。
もちろん大悟が戻れば期待したいです。彼はとてもクレバーで、裏に抜けたり、味方のためにスペースを空けたり、上手いだけでなく周りを考えて動けるので。あとは慣れと周りとの噛み合わせでしょうね。
CFとしては、ちょっと噂に出たティーラシンはとてもいいと思いますね。ドウグラスを一つ後ろで使えますし。
北川が移籍するまではドウグラスと北川のスピード&技術でやりきっていた訳ですが、何となく北川と同タイプを獲って上手くやるのは難しそうな気がします。
ドゥトラはトップという感じのスタイルではないように見えるので、やはり収まって競れる選手がハマると思います。
ここは「ドウグラスと一緒にサッカーやりたくないか?」と言って湘南の山崎あたり誘いましょう。(そもそもドグが来季いるか分からないけど)

と、好き勝手に言ってきましたが、個人的には今いる選手が活躍する姿を見たい、ってのが一番ですけどね。
そして、劣勢でも、負けが確実な状況でも、プロとしてもっと何かを「魅せて」ほしいです。
攻撃と守備、高いレベルで両立できないなら、開き直ってどちらかには多少目を瞑ってもいい。最後まで諦めずに走るでもいい。
北川とか松原とかの、めちゃ負けず嫌いなところ好きです。
来季は彼ら以外にももっとそういうプレーを期待したい。
大熊さんにはとても期待してます。
では。

他サポだけど愛媛FCのサッカーが面白いという話

久しぶりに更新。

エスパルスの試合は毎試合観ていますが、今日は番外編ということでオレンジ仲間のご紹介。

 

自分が愛媛の試合を観るようになったのは、去年岡山から愛媛にレンタルだった藤本が目の覚めるようなヘッドを決めたのを見たから。その頃キーパー岡本がかなり活躍していたのを覚えている方もいるでしょう。

その次の試合から観るようになり、気づけば今って感じです。エスパルスほどではありませんが、割と夢中です。

 

何が愛媛の魅力なのか。

一言で言うと、サッカーが面白い!(←語彙力…)

 

ということで、今日は他サポから見た愛媛の魅力を言葉にしてみようと思います。

 

・愛媛の魅力

愛媛のサッカーの魅力は、何と言っても攻撃にあります。

ビルドアップでは簡単に蹴らずしっかりとつなぐことができ、最後のところでは個の仕掛けもあり、一人一人のキャラクターも立っていて、欠点を補いあうことも含めて、本当に「チームとして」サッカーできています。

 

常にチームの矢印が前向きで、パスも必ずどこかで縦を狙い、スペースがあれば前に突っかける、という姿勢が感じられます。

 

パスに関して言うと、

・貰う選手の進行方向へパスを出せる

・むやみにバンバン出すのではなく、相手に付かれても奪われない位置に一旦トラップして、アングルを変えてコースを探す

・相手がプレスに向かってきたら、一旦持ち出してプレスをかわしてから落ち着いて出す

というのが目立ち、姿勢は前向きなのですが、ポゼッションサッカーという言葉で連想されがちな「華麗なダイレクトプレイの連続」というよりは、「丁寧」なプレイが目立つのも特徴かもしれません。特に最終ラインとボランチ

 

さらに、神谷、近藤、長沼、下川と個で仕掛けられる槍のような選手が揃っていて、スピードアップした時には非常に楽しい攻撃を見せてくれます。

 

若くて成長著しい選手が多いというのも魅力的です。

 

今の愛媛のサッカーの面白さ、去年途中から就任した川井監督の指導によるところがかなり大きいと思います。その前はほとんど見ていませんが、試合を見ていれば川井監督の影響力の大きさは一目瞭然です。

どんな相手にも自分たちのスタイルを出して勇敢に戦う、非常に面白いサッカー(←語彙力…)を標榜しています。

 

・愛媛のフォーメーション

     藤本

   神谷  近藤

下川        長沼   

   野澤  田中

  前野 西岡 山崎

     岡本

 

では一人一人紹介していきたいと思います。(愛媛サポから見たら拙い説明だとは思いますが、そこは他サポということでご容赦ください!)

岡本…千葉から移籍して去年苦しい時期の愛媛を救ったまさに守護神。というか神。チームに欠かせない戦力として活躍を続けています。愛媛は割とポストやバーに当てられるシーンが目立つ気がしますが、それで決まらないのも何か岡本の力のような気がしてくるから不思議。

前野…実質今の愛媛のサッカーを体現するチームリーダー。DFながら何と言っても彼の魅力はビルドアップ。長短のパスの精度、視野の広さともに並々ならぬものがあります。愛媛のビルドアップはほぼ彼を経由するので、川井監督のサッカーは彼なしでは考えられません。守備面では高さや競り合いの面で若干の不安もありますが、カバー意識も高く、攻守にクレバーな選手。

西岡…林堂が離脱している今、チームのディフェンス面の中心的存在。愛媛はディフェンス面の高さ強さに若干の不安を抱えているチームなので、彼がいるといないとでは押し込まれた時の安心感が全然違います。ビルドアップでミスが目立つのはご愛嬌。

山崎…去年後半から伸びが目立ってきた選手。まだ不動のレギュラーとは言えないかもしれませんが、守備面で体を張るだけでなく思い切った攻撃参加やスルーパスでも魅力を持っていて、可能性のある選手。愛媛は不動のDFリーダー林堂が怪我で苦しんでいて、彼が復帰した場合争いが激しくなります。(DFは新加入のユトリッチという未知数の外国人もいます。)

野澤…華麗なボールタッチ、ボール捌きを見せる、見ていて面白いゲームメーカー。もう一人のボランチ田中にも言えますが、川井監督になって水を得た魚のように急成長中。ちなみにイケメン。

田中…高い危機察知能力とボディバランス能力に加え、最近ではゲームメイクでもかなり自信をつけてきて、おそらく川井監督になってから一番伸びているだろう選手。ボールタッチ数が非常に多く、短いパスに加え楔のパスやサイドを変えるパスも見せるようになっています。このまま伸びるともしかしたら1年後くらいにはカテゴリー上がる(というかJ1に戻る)かもしれません。

下川…新加入選手。松本からのレンタル。完全にチームにフィットして川井監督の攻撃サッカーを加速させています。一番の魅力は速くて精度の高いクロス。そして相手と対峙したとき右も左も使えるので、敵にとってはとても嫌な選手。

長沼…新加入選手。何と言っても縦への推進力が魅力で、完全にレギュラーを掴み、愛媛の新たなストロングポイントの一つとなっています。まだまだ伸びそうな選手。現在U代表で離脱中。ちなみにイケメン。

神谷…湘南からのレンタルで、将来の日本を背負って立つかもしれないほどの才能を持った愛媛の攻撃の中心。もともとボランチでしたが、川井体制ではシャドーやトップ下にいることが多く、一段と才能を開花させた感があります。一番の魅力は物怖じしない姿勢と縦へのドリブルですが、全般的にテクニックが高く、難しいこと抜きに観ていてワクワクできる選手。カウンターで彼が持ったら「神谷タイム」です。今回はU代表から外れましたが、もともと世代別代表の常連。今季はチームの中心として結果を求めることを公言しています。(去年のダービーの記事でも触れました。)ちなみにイケメン。

近藤…若いチームの中で、愛媛在籍が長い、顔役の選手。めちゃくちゃ上手い選手というわけではありませんが、終盤まで泥臭くサボらず走って、苦しい時ほどチームを助けます。攻撃ではカウンターの起点となる仕掛けができる、守備ではスプリントで戻って相手の危険の目を摘む、ということで、ベテランがあれだけやっていたら他の選手はサボれるわけがありません。まとめると、背中でチームメイトを引っ張るメンタリティこそが最大の魅力。

藤本…岡山からのレンタルでしたが、昨季チームにフィットして今季から完全移籍、レギュラーをつかんでいます。体幹が強く、ポストやキープ力が高いのが一番の魅力。シュートにもパンチ力があり、身体能力の高さを感じさせます。上背はトップの選手としてはそれほどありませんが、前述の通りヘッドの時のジャンプ力もかなりのもの。また走力もそれなりにあるのでトップ以外の位置をこなすこともあります。

 

その他にも、吉田、有田、丹羽、新加入の山瀬なども毎試合のように試合に絡んでいます。

 

なお、上では3バックで書きましたが、4バックも併用していて、相手や選手の状況によって使い分けています。

 

・課題

かなりスタイルを持った戦いをしている分、それ以外の部分を犠牲にしている部分はありますが、一番は守備の強度、特に高さへの対策でしょう。(林堂が復帰することでそこは向上すると思います。)セットプレイにも課題を抱えているようです。また、ビルドアップを強調する分、どうしてもミスからピンチを招いたり、相手が前から激しくきたりしたときにはトラブルを抱えやすい戦い方ではあります。

そして、今日は長崎戦に敗れましたが、監督が語ったように相手が引いて守ってきた時にどう崩すかも課題かもしれません。相手の急所を突く縦パスやサイドからのクロスは既に持っているので、最後のところが課題になると思います。近藤はもともとシュートがとても上手い選手というわけではないですし、神谷ももともと質はありますが今季は力んだり焦ったりで外すというシーンがまだあり(逆にいうとこれ以上覚醒したらヤバそうですが)、中央にも高さのあるターゲットマンを置いているわけではないので、ここは今後の課題としてどう向上していくか楽しみなところです。

といっても、個人的にはこういった課題を上回る魅力のあるチームだと思っています。一番の課題は、これだけ面白いサッカーをしていても観客がちょっと少ない、というところかもしれません(他サポなのに偉そうですみません…)。もちろんスタ観戦しにくいことについては色々事情があることはお察しします。でも、お近く在住の方、海外サッカーも代表戦もいいですが、こんな面白いサッカーをしているのに見ないなんてもったいないです!!本当にいいサッカー(←語彙力…)していますよ。特に地元のサッカーをしている子供達にはぜひ愛媛のサッカーを見てほしいと思います。

 

・おまけ

今日の相手である長崎では澤田、長谷川、角田と思い出深い元エスパルス達が元気に戦っていました。特にこの試合長崎はかなり守備に重点を置いた戦いをしていて、それを支えていたのが最終ラインの角田とチェ・キュベックでした。昨季からかなり戦い方が変わっていて、正直攻撃はロングボール頼りというか前の連携がほぼない印象でしたが、手倉森監督なので、おそらく華麗なサッカーより実をとるようなサッカーをするんだと思います。そういった点では今日のようなサッカーが今季のベースになるんでしょうね。長崎サポは物足りないかもしれませんがここは辛抱でしょうね。

 

エスパルスに関して

やっぱり触れないわけにはいけないのでちょっとだけ。

今季は、運動量の少ないエウシーニョをどう生かすか→3バック変更→ドウグラス、エウソン離脱→チームの守備のバランスが崩れる、というサイクルで、正直出だしは最悪でした。ただ、ここまでの流れを見ると、チームとしての取り組みは理解できるし、変わらず、というかより一層応援しています!!

前々節では、前の3人がプレスに行ってエウソンが行かないので、前に連動して半端に前に出た河井竹内のスペースが狙われて最終ラインだけが相手の攻撃に晒される、という印象でしたが、前節エウソンを外して滝をプレス要員として使ったことで、守備での穴がなくなり、攻撃にもいい影響が出ました。特に守備面に目を向けた時、個で守れるようなチームではないので、ベストの「メンバー」ではなく、ベストの「チーム」を選ぶというのが、神戸戦で出た暫定的な答えかもしれません。

とはいえ現在もまだチーム作りの途中といった段階だと思います。特に、攻撃での質の高さには疑いのないエウソンを、守備面でどうチームに組み込んでフィットさせるか、が一番の課題だと思います。よく言われているように、前で収まらないというのも課題かもしれません(もっともこれはやり方次第なんですが)。

余談ですが、こういう話をすると「キャンプを無駄にするな」という話がついてきます。もちろんそれは正論ですが、色々なチームを見ていて思うのは、本当のチームというものはキャンプよりもむしろ実戦の中で出来ていくものだということです。強いチームは後半強い、という傾向があると思います。

ドウグラスの件もあり、それ以外の色々な状況を見ていても、しばらくは厳しい戦いが続くと予想していますが、個人的にはそれを抜ければかなり面白いサッカーが見られるのではないかと(希望的観測を込めて)期待しています。しばらく続いていた低迷期のような、前線へのロングボール頼みで、ラストパスは焦ってミスパスが目立ち、連携で崩すシーンはほぼない、という時期は昨季後半で完全に脱して、今季も攻撃の質の高さ自体は見られています。

なお、結果が出ないからと言ってヨンソン監督を交代、というのはよほどのことがない限りしてほしくありません。(どんなときにも代えないことがいいというわけではありません。近い知人などに言っていたんですが、去年の柏の加藤監督や、新潟の鈴木監督や、今年の千葉のエスナイデル監督は、実際サッカーを見ていて交代が遅かったと思います。ただ今ヨンソン監督を代えても事態は好転しないと思います。むしろチーム状況をわかっていない人を連れてきたりなんかしたら最悪だと思います。)

また、ドウグラスには、多少遅くなってもいいので万全の状態で戻ってきてほしいと願っています。(それまで金沢のクルーニー…いや何でもありません)

 

・最後に

同じオレンジとして、愛媛には本当に頑張って盛り上げてもらいたいと思います。ぜひJ1で清水と戦いましょう!負けません!

第34節 vsV・ファーレン長崎

シーズンが終わるのは寂しいものです。今季は楽しかったなあ。

 

■清水の守備

今回は清水の守り方の話をしたいと思います。

清水が4バック、長崎が3バック(5バック)ということで、ミスマッチの生まれる試合となりました。

この試合に限らず、清水は相手が3バックの時は2段階で守るイメージを持っています。

①4-4-2でセットして守る時。

②前からプレスをかける時。

まず①の方からいくと、この守り方のいいところとしては後ろのバランスが良いということです。この場合、こちらの2トップは最終ラインに軽くプレッシャーをかけつつ、ボランチも気にしながらパスコースを切るイメージ。で行けそうだったら3枚のうち2枚にプレスをかけるという感じです。

(基本的にSHや最終ラインはまず中央を固めるポジションを取るので、相手WBがサイドに張っていても最初からそこについて行くということはあまりしません。でないとシャドーにCB脇のスペースから突破されてしまいます。WBへはボールが出されてから寄せるというイメージです。清水に限らずこれがセオリーなんだと思います。)

一方で、3バックの相手に対しては、2トップがプレスに行っても必然的に3バックの横1人が余るので、そこから持ち上がられたり自由に出されたりすることになります。例えばこちらの2CBに対して相手が中央前3枚でいるところに簡単に楔を通されるなど。

(なお、この試合では少なかったですが、相手が押し込んでくると、トップとシャドーとWBの計5枚に対してこちらの最終ラインが4枚なのでどこかが足りなくなるということもあります。)

で、それを制限しようとすると、清水は金子石毛のところがどちらか1枚スライドして相手の3バックのサイドの選手を見ることになります。これが②です。イメージ的には例えばこんな感じ。

   相手 相手 相手

相手  テセ  ドグ  相手

 石毛        金子

     ↓

   相手 相手 相手

   テセ ドグ 金子

相手          相手

 石毛

ということで、石毛金子は3バックとWBをいわば同時に見る、という大変な仕事になります。(だから走れる金子石毛を使っているわけです。)ただ、これをうまくできると後ろを安定させたまま守備できます。当然ながら高い位置で引っ掛けられるとカウンターのチャンスにもなります。

さらに、これをやるためにはある程度清水の最終ラインが高くないといけません。石毛金子のスタートポジションが低いと走る距離が膨大になりますし、金子か石毛が前から行って自分のサイドのWBに通されてしまったら、誰かがそこをケアできないとフリーで持たれることになります。この試合でコーチ?の指示を何度もマイクが拾っていました。おそらく清水のラインを上げろという趣旨の指示だったと思います。たぶん清水ベンチとしては行ける時はできるだけ前から行って奪いたいんだと思います。

 

で、石毛金子が前から行くと、連動してテセとドウグラスも前の選手を捕まえるように動くので、この場合相手ボランチが空くということになります。この場合、見るのは竹内白崎となりますが、あまり食いつきすぎると今度はバイタルを空ける(ただでさえ相手が3枚いてそこを狙っている)ことになるため、ある程度バランスを見ながら危険な時は詰めるということになります。

 

ということで、ポイントとしては清水が前からプレスをして奪いきれるか、長崎がそれをかいくぐれるかということだったと思います。

 

■試合展開

と、長々と書いてきましたが、清水の失点はロストからのカウンター、セットプレイ×3ということで、全然関係ないw印象は微妙なところで、特に前半は長崎のつなぎに思ったよりミスが少なくて、こちらの前のプレスは狙ったほどかからなかったという印象です。

で、長崎からするとその先です。逆サイドでフリーになっているWBに3バックの横の選手かボランチからフィード。または中央3枚への楔。

清水側から見ると、一番危険だったのはファンマですね。彼自身というよりは、彼に入ると強くてボールを取れないので、そこで起点を作られて追い越す2シャドーへパスを出されるのが脅威でした。

ただ、長崎がボールを持った時に気の利いたプレイをできるかというとそこが微妙なところで、中央のワンタッチ以外はそこまでアイディアがなかったのかなという気がします。鈴木もゴールシーンは本当に見事でしたがそれ以外はそれほど目立ちませんでしたし、澤田や翁長も代わった中村もそこまで決定機を演出できなかった印象はあります。チャンスは結局カウンターからが多かった印象です。

 

清水の3ゴールはどれもタイミングの駆け引きが利いている本当に美しいゴールで、得点者はもちろん、1点目は飯田、2点目は石毛、3点目はドウグラスが素晴らしいです。特にドウグラスは中央のコンビネーションで北川がいない影響を感じましたが、それでもチャンスメイクであれだけ貢献するのは素晴らしいです。

なおお互いのPKは映像で見る限りどちらもPKではないんじゃないかなというように思いましたが、特にこちらが取られたPKは9割誤審でしたね。ちなみにテセが取ってもらったPKのシーン、飯田がいいクロスを上げて中央でドウグラスが完璧に合わせてバーに当たってるんですよね。このへん飯田は持ってないというか何というか。。。

 

長崎はセットして5-4-1で守る時、5や4の両サイドの選手がこちらのボールホルダーにすごい勢いでスプリントかけてくるんですよね。(その上で攻撃時は攻撃時でスプリントかけまくるし、、、)あれは凄いと思いましたが、後半の中盤以降は全体的に若干ミスが増えて清水ペースになったかなという気もします。

 

■総評

ドローは妥当だったと思います。

長崎はチームのやり方が整理され、個々の穴を隠し長所を最大限に発揮できるよう設計されていて、細かいところで随所に良いところが見える良いチームでした。

試合としても、こちらの失点の仕方は気になりますが、お互いに気持ちが入っていた素晴らしいゲームだったと思います。

 

心理的影響について

これは試合と無関係にポエム。

最近、個人的によく考えるテーマです。サッカーや選手、戦術の良し悪しは上手さや身体能力だけが全てじゃないということ。

例えば、いいFWってプレイが上手いだけじゃなく周りに出してもらえる選手だと思うんです。「この選手に出せば何とかしてくれる」と思わせる選手。味方が持った時にまず見る選手。

例えば、「こいつからはボール取れないな」って選手っていると思うんです。プレス行くのを諦めてしまう選手。

例えば、チーム同士が対戦する時、「この相手は強いな」「この相手は嫌だな」って感じさせられるかどうかで相手のプレイって変わると思うんです。試合の中での印象づけでその後の展開が変わるのも良くあります。

例えば、上手いから勝てるんじゃなく、勝てるから上手くなるということもあると思うんです。

なぜこんなことを書くかというと、今の清水は転機にあると思うからです。

今季守備が安定したという意見もあり、相手への寄せなど私自身がこれまで書いてきたようにそういった面もありますが、個人的に後半戦の印象は逆です。個々の成長と、特にドウグラスの加入によって、攻撃で個もコンビネーションも使えるようになって、チーム全体に自信が生まれ、それが守備含め試合全体に好循環を生み出しているように見えます。

追いつかれるチームから追いつくチームへ。相手が見た時倒せそうなチームから倒されそうなチームへ。形のないチームから形を作れるチームへ。

相手に清水のそういった印象が定着することで、更にやりたいサッカーをやりやすくなる、選手が成長しやすくなるという側面があると思います。

もちろん、来季はまた来季、0からのスタート。厳しい戦いであることは間違いありません。昨季上位のチームのいくつかが今季下位で苦戦しています。また好調なチーム、不調なチームがあっという間に入れ替わります。レギュラーの退団があるかもしれませんし、サブの底上げによる競争も必要です。

それでも。今季の戦いを糧にして、それを基盤にして、前に進んでいけますように。

 

今季もお疲れ様でした。では今日はこの辺で。